美輪明宏さん「想い出のサントロペ」

美輪明宏さんがお亡くなりになりました。 

美輪さんがご出演されていた銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」が閉店する前に一度だけ行ったことがあります。
何を飲んだか、店内がどんなだったか全然思い出せないのですけど、ソファとも言えないくらい割と簡素な長椅子に「詰めてください」と言われて座って、美輪さんはすぐそこに現れて目の前で歌ってくださって。貴重な機会でした。

合間に少しお話してくださって、たぶんその頃芸能人の誰かの不倫が話題になってたのか「美しい人がやったら不倫、そうでない人がやったら不貞です」とおっしゃってたのを覚えています。
毒舌だけど品が良くて言葉遣いが綺麗な方で、今ほどバラエティにご出演なさっていない頃で新鮮でした。

たぶん何曲か歌われたはずですが、この1曲だけ強烈に覚えています。
「想い出のサントロペ」。

サントロペにはこの夏はまいれません…

囁くように歌いはじめられる物語、静かなのに少しずつ不穏で、何が起こるの…?という胸騒ぎ、からの衝撃的な展開。
あとにもさきにもこの一度聞いたきりの歌ですが、今も鮮烈に覚えています。
検索してみたら美輪明宏さんご自身の翻訳による歌詞でした。そしてすごく長い、いわゆる大曲だったような気がしていましたが、たった3分間の曲だったと今にして知って驚いています。
美輪さん御本人をはじめ色んな方の歌唱がYouTubeにあげられていますので良かったら聴いてみてください。
シャンソンとはドラマチックな歌、ってなるほどこういうことか、となると思います。

そのあと一度だけ福岡空港でお見かけしたことがあるのですけど。
「美輪さんいるよ」という周囲のひそひそ声に気づいて振り向いたら、あの黄色としか言いようのないぱっと目を引く髪色に気を取られて美輪さんしか見えなくて、後で「黒蜥蜴」の公演で来られていたことに気がついて(絶対及川光博さん一緒にいたはず…!!)と自分の不注意を悔やんだものです。
91歳は大往生といっていいのでしょうけれど、大きな存在がいなくなってしまうのは悲しいですね。
御冥福をお祈りいたします。

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