【読む解剖学】内臓は自分の意志で動かせ「ないぞう」!勝手に働く自動操縦システム 〜自律神経〜 (Vol.25)
[Intro]
みなさん、こんにちは。Ichiroです。
突然ですが、今すぐ心臓をドキドキさせてみてください。 ……無理ですよね?
では、胃袋を動かして消化を早めてください。 ……これも無理ですよね。
そう、「内臓は、自分の意志で動かせ『ないぞう』」なんです。 (※試験にも出したことがあります…)
私たちが寝ていても、気絶していても、勝手に心臓の動きを調節し、呼吸を続け、食べたものを消化してくれる。 この優秀な「自動操縦(オートパイロット)システム」こそが、自律神経です。
今日は、このシステムの「2つのスイッチ」について解説します。
1. 交感神経:戦うか、逃げるか(Fight or Flight)
一つ目のスイッチは「交感神経」。 これは「緊急事態モード」です。
目の前にライオン(あるいは怖い先輩)が現れたと想像してください。 のんびりしていたら食べられてしまいます。全力で戦うか、全力で逃げるか。 そのために体はどう反応するでしょうか?
心臓: ドキドキさせて、筋肉に血液を送る(血圧上昇)。
目: 敵をよく見るために、瞳孔を開く。
呼吸: 酸素をたくさん取り込むために、気管支を広げる。
汗: エンジン(筋肉)がオーバーヒートしないように、汗で冷やす。
このとき、「お腹空いたな〜」なんて言ってる場合じゃありませんよね? だから、胃腸の働き(消化・吸収)はストップさせます。これが重要です。
2. 副交感神経:休息と回復(Rest and Digest)
二つ目のスイッチは「副交感神経」。 これは「リラックスモード」です。
敵がいなくなって、家でゴロゴロしている状態です。 戦いで消耗したエネルギーを回復しなければなりません。
心臓・呼吸: ゆったり休む(血圧低下、気管支収縮)。
目: まぶしい光はいらないので、瞳孔を閉じる。
胃腸: ここが主役! 次の戦いに備えてエネルギーを蓄えるため、胃腸を動かし、消化液を出しまくる。
「リラックスするとお腹が空く(胃が動く)」のは、このスイッチが入るからです。
3. 伝達物質のルール
最後に、この指令を伝える「化学物質」の名前を覚えましょう。
交感神経の末端: ノルアドレナリン(興奮系!)
副交感神経の末端: アセチルコリン(リラックス系…だけじゃない!)
※アセチルコリンは、実は「自分の意志で動かせる筋肉(骨格筋)」を動かすときにも使われます。 「副交感と骨格筋はアセチルコリン」。これ、意外な共通点です。
[Outro]
交感神経ばかり働きすぎると(ストレス過多)、体は疲れ果ててしまいます。 逆に、副交感神経ばかりでも、やる気が出ません。
大切なのは「スイッチの切り替え」。 次回は、このオン・オフの切り替えを、ノリノリの「エレクトロ・スウィング」に乗せてお届けします。
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