マハサムットに憧れた話 - Love Sea
※本記事は、ドラマの演出上、一部大人向けのシーンに触れています。苦手な方はご注意ください。
マハサムット(以下ムット)とは、タイBLドラマLove Seaの主人公の一人で、故郷の島と、海と、美しきトンラック(以下ラック、もう一人の主人公)を愛する、たくましく美しい青年のことである。
↑まさかの、とっても刺激の強いシーンまでちらっと見せてくれている予告編。その部分が一番再生回数多くて、ですよねー、って思った…
※以下ネタバレあり、すでに本作を見た人向けです。
※原作未読、日本版未視聴です。
まだタイBL沼にハマって1年も経っていないが、この作品はかなり初めの段階で見たもので、確実に私をタイBL沼に引きずり込んだ。
どこまでも大きな心でまっすぐにラックを愛するムット。心の扉の最後のひとつだけは固く閉ざしたまま、それでもどうしようもなくムットに何度も支えられ、惹かれていくラック。
ムットに手を引かれて、トラウマで恐怖のあまり一度はひどくその手を傷つけながらも、勇気を出して最後の扉をやっと開いたラック。
彼らが本当に結ばれるまでを、ときに涙しながら見守った。
はじまり
序盤はラックのキャラクター像にあまりいい印象を持てなかった(ムットを見下す感じが)。それでも飄々と、にやりと笑いながら、何度失礼なことを言われてもさらりと躱すムットに、はじめからすっかり惚れてしまった。
Ep.2のNCシーン(まだEp.2なのに)
私にとってここまで濃いものは人生初だったため、「え、いいの?こんなとこ見ていいの?!(混乱)」と、その美しさにも激しさにもポカーン( ゚д゚)となりながら見た。大胆不敵なムット…と思ったらラックも十分大胆だった。いやラックが大胆なのは肌の白さに感心するムットの前で服をはだけさせた(ってかほぼ脱いだ)ときから知ってたけど。
※今考えても、やはりタイBL沼ハマりたての段階で見るにはたいぶ濃い方だったと思う。その後のハードルが上がってしまった(苦笑)。しかしその点ではLove in the AirやThe Boy Next Worldという更なる強者が私を待ちかまえていたのはまた別の話…あれ、作者さん全部同じじゃん。
「バンコクに帰らないで」
少し関係が深まり、Ep.3のNCシーン…の前、ムットの父との確執と、若くして家を出た理由が明かされるシーン。ムットは何年も自力で立って生活してきたのだ。何を言われても飄々としていられる彼の揺るがなさは、10代の頃から困ったときに泣きつける存在もなく、一人でさまざまな経験をしてきたことに裏打ちされたものだろうということが伺える。
そしてムットの部屋で愛し合ったあとに、ムットが「バンコクに帰らないで」とラックに懇願するシーン。
「お願いしてみて」と言ってくれたから勇気を出してお願いしたのにあっさり「ダメ」と返されて、思わず苦笑するムット。でもその「ダメ」が、自分が思っていたのと違うと徐々に気づいて、嬉し涙をぽろっとこぼす。ラックが言ったのは「君らしくなくなるのはダメ、君のままでいてくれなきゃ」という意味だった。
この一連のシーンはムットと一緒に泣いた。ラックの言葉に究極の受容のかたちを見たから。「君が君だから」。
きっとムットがこれほど緊張してまでお願いすることは、今までなかったのだろう。そうするほどの人にムットは出会った。
そして愛を恐れているはずのラックは、じつはちゃんと愛のかたちを知っている。本人は気づいていないかもしれないけど、この瞬間に、たしかに愛はあったと思う。
このシーンで私は完全にFortPeat沼に落ちた。二人とも、素晴らしかった。
「君を誰にも見下させない」
バンコクにやってきたムットは変わらずカジュアルな恰好で過ごしている。あの厄介なプリンにダサいみたいなことを言われたのを、ムット本人は全然意に介さない様子だけど、ラックは相当むかついたのか、ムットのスーツをめいっぱい揃えるために珍しく早起きしてまでムットを店に連れていく。
しかし終盤で「結局全然着なかったけど」みたいなことをムットが言っていたような気がする。せっかく買っ(てもらっ)たとしても、自分らしくないことはしないのがムットなのだろう。そんなところにも惚れ惚れする(でも本当に必要となれば、きっとそのときはこれ以上なくかっこよくスーツを着こなすのであろう。Love in the Airのパーイのごとく)。
ペン型レコーダー
どこまでもラックを陥れたい卑劣なプリンはブックフェアでムットにも接触してくるが、全く動じないムットがかっこよかった。
プリンにひるまず、むしろ半ば呆れながらペン型レコーダーで冷静に反撃するラックもかっこよかった。
※このシーン、BossNoeulも友情出演しているが、このとき私はまだ彼らを知らず(!)、えらい綺麗な男の人たちだなーと思って終わりだった。後日こちらの沼にもどっぷりハマってfanconにまで参加するとは、当時は知るよしもなかった。
海を想い行動するムット
このへんはうろ覚えなのだが、島で自然についての講義?に出ていたことや、ラックに父との過去の確執について話すシーンから、ムットが海や自然を真剣に大切に思っていることが伺える。終盤出てきたブレスレットの素材についても、確かサステナブルなものと言っていたような?
大切なもののために、ただ思うだけでなく行動するのが、ムットという男なのである。
※あのブレスレットとても素敵だから、もしグッズ化することがあったら欲しい気持ちと、いやあれはムットの心でありラックだけのものなのだからグッズ化しないでほしい、二人の世界の中だけのものであってほしいという気持ちが両立している…いや、書いてて思った。やっぱり後者だ。あれはラックのもの。
「8点」
「8点」のものは最高のもの。
かつて自分に「8点」をつけたラックの真意を、二人の関係が壊れてしまったあとに知り、涙を流すムット。こんな状況になってからそれを知るなんて。もう遅いのに。ここもムットと一緒に泣いた。ミーナーの無邪気さが効く。
ついに海を愛する
一度は大きくすれ違いながらも、あの美しい海辺で、再び心が繋がった二人。
ウィーに背中を押され、臆病だった自分の心にようやく真正面から向き合ったラックは、ついにムットに「愛してる」と言うことができた。本当は心の底でずっと愛していたのに、それだけはどうしても認められなくて、踏み出せなかった最後の一歩。
そして激しい拒絶に傷つき、一度はラックに冷たく当たったムットが、その言葉を受け入れた。今度は笑顔で。
二人の心の長い旅を思い、このシーンは胸がいっぱいになった。
言わずにいられないって感じで、何度も何度も「愛してる」を繰り返すラックと、そんなラックを抱きしめるムットが、この上なく愛おしかった。よかったよかった…
作品を通して、ムットは心も体も、どこまでもラックをまっすぐに愛した。
その愛がいよいよラックのトラウマにじかに触れ、想いを託した手作りの贈り物を投げつけられてまで拒絶されたときは流石にあきらめようとしたけれど、拒絶し返して遠ざけるような言動を見せておきながら(ここは本当に見ていて辛かった)、ラックの最後のお願いとなれば聞きに行かずにいられなかったムット。
これほどまでにまっすぐになれるムットが眩しかった。ラックのようなトラウマまではなくとも、私も愛を恐れているところがあって、関係に踏み出せないほうだから尚更。
たかがフィクションのキャラクターと思うかもしれないけど、私はこのマハサムットに憧れている。飄々として、ちょっとのことで揺らがず、たくましく、美しく、好きなものに真剣で、行動力があって、大きな心で大切な人をまっすぐに愛する。他人に嫌なことを言われてもさらっと躱せるし、言うべきときは言い返すこともできる。「僕は高いですよ」とか口では言うけれど(おそらくお金のことは本当に大事だと知っているからこそ)お金に汚いわけではない。筋が通らないことを好まず、フェアであろうとする。
なにより、常に自分自身でいる感じ、それに満足している感じに、とても惹かれる。
※ついでにベッドの上でも最高(ラック談 in Ep.2)だなんてかっこよすぎるじゃないか…(/ω\)
ほかの人々についても。
ラックの父
ラックの心を深く傷つけた、ラックにとってどうしようもなく逆らえない存在。あのときムットがラックのもとに駆け付けてくれてよかった。いつまでも逆らえない相手じゃないんだと、実感させてくれてよかった。
ラックの姪っ子ミーナー
ラックとムットを慕うミーナーが愛おしかった。とてもかわいい。ムットが襲われたときに必死に助けを求める姿は本当に悲痛だった。
ウィーとムック
こちらはこちらでわちゃわちゃと可愛いドタバタを見せながら、ラックをそばで支え、ムットとも結局打ち解けた二人。
別れを決意したムットが「トンラックさんを頼みます」と言いに行った、信頼できる二人。そりゃームットよりずっと前からラックの面倒見てるからね。この二人に支えられてできたラックという人を、ムットは好きになったのだ。
サブカップルという面では、私は正直いうとメインの2人に引っ張られすぎてそこまで夢中にはなれなかったのだけど、この作品に欠かせない二人だった。
ムットの弟分パーム
たびたび登場して物語を盛り上げつつ、ラックからの最後のメッセージをムットに伝えた、重要な存在。彼がいなければ、壊れた二人はもとに戻らなかった。
なんとなくだけど、あのとき伝えにきたのが弟分でありラックとも面識のあるパームでなければ、もしかしたらムットは…それまで行く先々に現れたラックを無視したのと同じように、とっさに意地を張ってまた無視したかもしれない(そしてそれをずっと後悔し続けたかもしれない)と、思わなくもない。パームだったから、心がより大きく動いたんじゃないかと。
ムットに憧れた話…とは言ったものの、台詞や描写から伺えるキャラクター像から私が勝手に妄想を膨らませて勝手に盛り上がっているだけである。
しかしそうしたくなるくらい、台詞、演技、幼少期や思春期のエピソードなどから、彼らのキャラクター像が立体的に見えたことが、作品への没入感を深めたと思う。
原作者、スタッフ、出演者…特にムットとラックを演じ形にしたFortPeatに感謝を贈りたい。
この作品に出会えて嬉しい。
少し前に本作を見て、ほとんど記憶だけで勢いで書いたため、細かい設定など忘れている点、勘違いしている点もあるかもしれない。もし後日気づくことやご指摘があれば修正したいが、いち個人の感想という点で、多少はご容赦いただければ幸いである。
