一目惚れしたのは何年振りか - Mick Monthon君とEvery You, Every Me

タイBL沼に落ちて数か月。BossNoeul目当てで見たThe Boy Next WorldでBoss君演ずるサーラスの弟・オーソーンの初登場シーンを見た瞬間、
私は一目でその子犬のような瞳に真っ逆さまに恋に落ちた

この役者さんは誰?!

私はU-NEXTを利用しており、The Boy Next Worldもそこで見たのだが、キャスト・スタッフ欄には主演二人と製作者の名前のみ。番組内のクレジットはきっとタイ語でわからないし…Googleに聞いてもすぐにはわからなかった。
いろんなキーワードでしばらく検索してやっと名前を突き止めることができた。Mick (Monthon Viseshsin)君。苗字、なんて読むんだろう。
とにかく、このMick君をもっと見てみたい!

Every You, Every Me

と思ったら彼の主演したドラマEvery You, Every MeがU-NEXTにあるではないか。歓喜!さっそく見てみた。

※以下、Every You, Every Meのネタバレを含みます。




単にオムニバス形式のドラマかと思いきや、それらは最後のエピソードの主人公である二人の俳優がカップルとして演じたドラマだったことが徐々に明かされるという、おもしろい設定だった。
Mick君は相手役のTop(Piyawat Phongkanittanon)君とともに、ひとつの作品の中で、次々と別の役を演じ分けたうえで、それらをすべて演じた俳優を演じるという難しいことをしていたわけだ。
最後のエピソードでは、ひとつ前のエピソードとして描かれたドラマの撮影中、主演二人のプライベートがこじれているせいで演技がうまくいかない様子が描かれる。
物語の中の物語を見終わったあとで、その撮影裏のシーンをもうひとつの物語として見る、という感覚は初めてで、とても新鮮だった。

ドラマ内ドラマとしてのエピソードもそれぞれ凝っていて、現実のタイBLドラマにもよくあるように、脇役においても同じ役者たちが再共演していたり、サブカップルが描かれたりしていた。
そして主演二人の役どころや関係性もドラマによって異なるわけで。この点はMick君ももちろんそうなのだが、設定上のキャラそのものの幅広さにおいてはTop君のキャラがより印象に残りやすかったかもしれない。無邪気な若者、厳しいCEO、儚く謎の多い美人、心の傷を持つ荒れ気味なギタリスト。

確かにあった二人の時間 - 「出会いの日 別れの日」

特に印象深かったドラマ内ドラマは「出会いの日 別れの日」。
ここでまず私の心を捉えたのが二人のルックス、スタイリングだった。
Mick君演ずるエックスは車の整備士ということで、シンプルなタンクトップやTシャツに作業着姿。会社員役だった前2つのエピソードでは白シャツに隠され目立たなかったが、思った以上に鍛えられた体をしていることがわかるのだ。たくましいボディと無造作な黒髪が、シンプルな衣装にこれ以上なく映えた。
Top君演ずるナムピン(ん?ナムピンといえばKengNampingのナムピンくんもいる…タイでは結構ある名前なのだろうか?)は先ほども書いたように「儚く謎の多い美人」で、エックスに一目惚れされ、やがて関係を深めていく。中性的で綺麗めなファッション、スタイリングと仕草で絶妙な色気を放っていた。
しかしナムピンを演じているTop君、それまでの明るい若者や若き社長のイメージとは仕草からして全然違っていて、改めて役者ってすげーと思った(そりゃそうだ)。

そしてこのエピソードを見ていると悲恋であろうことが感じ取れるのだが、結局そのとおりになる。どんなに涙が出ようとも、ナムピンの意思は固かった。
慟哭するエックスと、動画の中で静かに涙を流すナムピンと一緒に私も、最近ここまで泣いたことないってくらい泣いた。

もうひとつ、このエピソードではNCシーンの手前までいくところがある。そのシーンの空気感がとても好きだった。エックスの部屋に突然やってきたナムピン。少し離れて背中を向けてたたずみ、明らかにエックスを「待っている」ナムピン。そのからだを無言で後ろから抱きしめるエックスの目つきと手つきと息遣いだけで私はごはん10杯いけそう。美しいシーン。
ナムピンのほうから誘いながらも、結局泣いてしまい、できないのだけど。これが本当に最初で最後だと思ったら、涙が先にきてしまったのかな。そんなナムピンに何も知らずにマイペンライとなぐさめるエックス。

この二人が末永く一緒になれた世界線を…誰か、pixivとかで描いて(書いて)くれませんかっ…(他力本願)

キーワードは青 - 「君と君の美しい心」

「君と君の美しい心」ではコメディ的なシーンが多くてかわいかった。ニンジンのくだりとか。それまでのエピソードよりも二人とも「そういう」やりとりに積極的なキャラだけど、コメディ感のおかげで気楽な感じ。
Mick君(ブルー役)、なんか今まで以上につやつやしているし、Top君(シアン役)も引き締まったボディを披露。
しかしブルー、それは逃げたらだめだよ…和解できてよかったけど。

ずっとコメディというわけでもなく、後半はブルーが昔からの問題と向き合ったり、シアンの悲しい過去も明かされて、真面目な展開も。ガラス戸を使ったNCシーンも、照明がまた絶妙で美しかった。

※このエピソードでは、カップル内におけるトップとボトムの交代についてのやりとりがさらっと描かれている。タイBLに限らず、BL作品では原則どっちがどっちなのかは固定なイメージが強いが、「次は交代しようか」といった言葉をこんなに気軽に発するのをBLドラマで見たのは、私にとっては初めてだった。
そういえば各エピソードを見ていると、役割がエピソードによって違ったり曖昧だったりする。このエピソードでのNCシーンはTop君がトップ(名前のとおり…)で描かれるし、「出会いの日 別れの日」ではMick君の演じるほうがトップだと思うし、「僕、退職します!」ではTop君の演じるほうがトップかな?「ソウルメイトの伝説」では純粋さが先に来てそういう想像に至らなかったし、あまり「どっちがどっち」感を感じなかった。
確かに、「固定でなきゃいけない」ことなんて全然ないんだよな。カップルの数だけ方法がある。
それにそもそも「しない」自由だってある。
「ソウルメイトの伝説」ではサン(Top君)のバイト先の先輩が「恋愛に興味ない。恋愛がなくても満足している」「そんな人間にも居場所が欲しい」と言っていて、私はこの先輩はアロマンティックやアセクシャルという設定なのかも、と思ったりした。
このドラマのさりげないメッセージ性をちょっと感じた。

「LOVE, よーい アクション!」

そして最後に、それらすべてを演じた二人の俳優イン(Mick)、パン(Top)の愛の物語。

これまでのドラマの撮影中に付き合い始めた二人だが、やがてすれ違い、パンはインに別れ話を持ちかけ、二人の関係はこじれ出す。しかしまだ「君と君の美しい心」は撮影中。

中盤、二人がどうしてもプライベートを役と切り分けられず撮影が進まないことで、スタッフが二人をワークショップに参加させる。ここでも二人は互いに感情的になり、落ち着くために「ごめん」「いいんだ」と繰り返し言い合うように言われる。
このシーン、これまで見てきた BLドラマで一番響いたかもしれない。演技としての言葉が、だんだんと現実に入り込んでいくさま。言葉のあいだの間、目線、少しずつ落ち着いていく二人。名シーンだと思う。

それぞれの想いがこじれた先、身勝手さやコミュニケーション不全の中にも、互いを想う心があったことを確かめ合い、再び心が重なりかけながらも、涙を流しながら、夢を追うために一度は別離を選ぶ二人。
やがてそれぞれが夢を叶え、パンの監督作品の会見会場にインが花束を持ってやってくる。
別離を選んだあの場所で、今度こそ一緒になった二人。ラストには日常の中の静かなプロポーズが描かれる。
この派手さのないところ、エピソードを通じてシリアスな二人の演技が、とても私好みだった。

***

Every You, Every Me、見てよかった。素敵な作品にまた一つ出会えた。Mick君のおかげ。


Mick君のインスタを見てみると

今回すっかり惚れてしまったMick君については、出演作もまだ限られているし、日本語での情報はほぼない。
インスタをフォローしていると、アートに深い関心を持っている人のようだ。自ら本格的な絵を描いている様子が投稿されることがあるし、よく美術館にも行くようだ。自然の中でのアクティビティやスポーツも好きみたい。そういえば「君と君の美しい心」では、役の中でも絵を描いていたな。(あのエピソードの脚本を読んだとき、自分がこれから演じるブルーのあの行動については、自らも絵を描く人としてどう感じたのだろう、Mick君…)今後はアート方面での活躍も期待できそう。
インスタで公開されている彼の絵の世界観が好きなので、もしもそのうち個展をやるとかいうことになったなら、見に行ってみたいなと思う。やるならきっと初回はタイ国内じゃないかな。飛行機に乗って行くぞ。タイには必ず一度は行きたいと思っているし。
演技での次回作の情報も待ってます。

↑Mick君のインスタより。すごい…!

↑ドラマ公式のインスタより。2人ともかわいい!どっちも子犬とか子猫っぽい。

ちなみに

Mick君は2002年生まれ、Top君は1996年生まれらしい。意外に年離れてた。

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