日本映画ベスト100 その㉓「どついたるねん」「櫻の園」「スキンレスナイト」
どついたるねん/阪本順治 1989
阪本順治は90年代を代表する監督として、「王手」「トカレフ」「顔」などの傑作を次々と発表したが、何が一番かと言われれば、このデビュー作になるのではないだろうか。試合中にKOされ、再起不能になったボクサー・安達は、ジムを開設するがうまくいかない。そして、ボクサーとして復帰することを目指す…。当時、実際にボクサーとして再起不能になった赤井英和を主演にした作品で、これでデビューした赤井はテレビドラマでも引っ張りだこに。「ツィゴイネルワイゼン」同様、テントを設置しての興行も話題になった。
櫻の園/中原俊 1990
吉田秋生の漫画を原作に、チェーホフの「桜の園」を演じることになった女子高の演劇部員たちの姿を描いた群像劇。中原俊は、徹底したリハーサルを繰り返した後に撮影するという、演劇に似た演出法を採用。通常の映画とは異なる撮影スタイルは、独特の雰囲気を作り出すことに成功している。何より、4人の主演を演じた、中島ひろ子、白鳥靖代、宮澤美保、つみきみほの佇まいがよい。この手法は中原監督の次作「12人の優しい日本人」のでも踏襲され、豊川悦司というスターを生んだ。
スキンレスナイト/望月六郎 1991
望月六郎監督が、自主映画という形で発表した自伝的作品。アダルトビデオ制作会社を経営している睦郎は、その生活に疑問を抱いていた。そんな折、学生時代に作っていた未完の8ミリ映画を発見。当時のヒロインであった依子と再会を果たそうとする…。思い出に引っ張られつつも、家族のために現実に戻るしかない男の焦燥感を、はちみつぱいの「塀の上で」や8ミリ映像を効果的に織り交ぜながら描く。バブル直後の空気感が如実に伝わってくる作品だ。
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