外国映画ベスト200 その㉑「自由の幻想」「こわれゆく女」「悪魔のいけにえ」
自由の幻想/ルイス・ブニュエル 1974
ブニュエルといえば、戦前の「アンダルシアの犬」にはじまり、「忘れられた人々」「皆殺しの天使」「昼顔」など各時代に合わせたような多彩な作品を発表してきたが、個人的にもっとも好きなのが「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」からの1970年代の作品。特にコント番組を見ているような小咄が延々と続く、この作品が好みである。歴史ものかと思えば現代劇へ、セックスも暴力もすべてを小バカにしたような笑いは、後のビートたけし監督作「みんな~やってるか!」や北野武監督の「監督・ばんざい!」へ影響を与えている気がする。
こわれゆく女/ジョン・カサヴェテス 1974
インディペンデント映画の父と呼ばれるジョン・カサヴェテス監督作の中には、正直苦手な作品もあるが、この作品と「グロリア」は別格的に好感が持てる。工事現場監督の夫と3人の子供たちとともに幸せに暮らしているように見える専業主婦・メイベル。しかし、夫が朝まで帰らなかったことをきっかけに心の均衡が崩れていく…。カサヴェテス作品の常連であるピーター・フォークとカサヴェテスの妻でもあるジーナ・ローランズが主人公夫婦に扮しているが、特にローランズの演技は神がかっているように感じた。
悪魔のいけにえ/トビー・フーパー 1974
1970年代にブームとなったホラー映画(「エクソシスト」「オーメン」など)は明確に悪魔に対する恐怖を描いていた。この作品も似たようなものかと思ってみたら、しっぺ返しを食らう。なぜなら実際に起こりうる恐怖を描いているから。もちろんレザーフェイスの造形は異様だが、ホラーというよりは人間が起こす猟奇的犯罪だ。故郷・テキサスで以上殺人や墓あらしが頻繁に怒っていることを知ったサリーは、先祖の墓が大丈夫かを確かめるため、仲間たちとドライブがてらに帰省。途中、ヒッチハイクをして同情させた男の異様な行動に戸惑う…。低予算ならではのざらついた画面が、恐怖を増長させるとともにある種の美しさも感じさせてくれる。
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