【長編連載】アンダーワールド~冥王VS人間~ 第六部ー186
《あらすじ》
架空の日本国を舞台にした現代ファンタジーです。
時はもうすぐ22世紀になろうとしている、災害大国である日本。
国のトップである首相は、神を殺し続け自分が神になり替わろうとした。
それをきっかけに国は暗闇に落ち、冥界からは死神と、人間でありながら死して冥王の部下として働く、特例と呼ばれる者達が降り立ち、闇から国を救うために動き出す。
特例・死神・妖怪・鬼が生きるために、国と戦う物語です。
これは以前に書いた古い作品で、他サイトにも投稿したものです。
noteでは少し改訂させていただきました。
新聞の連載をイメージして、一話を短くしています。
現在も続編を書き続けている一作なので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです。
*この物語はフィクションです。実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
「冥界のクリスマス」
クリスマスの時期は、
ホテルでもパーティーなど行われていて忙しいこともあり、
彼女に振られたことを向井は思い出しながら歩いていた。
近くの神社ではクリスマスマルシェが行われていた。
安達君がいたら大騒ぎだな。
神社でクリスマスか………
向井は笑うと姿を消して鳥居をくぐった。
――――――――
冥界に戻ると冥王とチビ達がやってきて、
メリークリスマスと騒いでいた。
優香が特大のクリスマスケーキを安達と作っていたので、
チビ達も大喜びしていた。
支部の者達も来たようでいつも以上に賑やかだ。
「もう、みんないるよ~
ケーキきるんだからはやく~」
三鬼が向井の手を引いた。
「そうか、ちょっと待ってね」
向井は死神課のカウンターの奥にいるオクトを見つけると、
「オクトさん、悪いけどこれ特別室に持っていってくれる? 」
と声をかけた。
「これか~」
セイも包みを見て大きなため息をついた。
「なに? 」
向井が聞くと、
「さっきからディナーはまだかって文句言ってるんですよ」
オクトは笑いながらやってくると、
「いいですよ。俺が届けておきます」
と言った。
「むかい~はやく~」
呉葉とこんも抱きついてきたので、
「悪いですね。はいはい、行こうね」
とチビと冥王に連れられ、休憩室に向かった。
休憩室に入ると、
大人たちはもうだいぶ出来上がっているのか、
楽しそうに盛り上がっていた。
「凄いケーキだね」
向井も驚きに目が見開いた。
三段になったケーキが三つ。
チョコとイチゴとモンブラン。
サンタクロースの飴細工が乗っているのを見て、
「玉木さんに作ってもらったんですか? 」
と安達を見た。
「うん。可愛いでしょ」
笑顔で言う。
「ケーキもね~
優香ちゃんとセーズとドセで一生懸命作ったんだよ」
「みんな嬉しそうで頑張った甲斐があったじゃないですか」
「えへへ」
「向井君も帰ってきたからケーキをカットしましょう」
冥王がいい、
チビ達も喜んでケーキワゴンに走っていった。
安達と向井もケーキを取りにいくと、
「向井さんはどれにする? 」
ドセがカットしてケーキ皿に乗せていた。
「俺はモンブランにしようかな」
そういって皿に乗せてもらったケーキを手に、
カウンターのスツールに座った。
ケーキを食べているとチビが絵本を持ってやってきた。
「あのね。これよんで」
「ん? 」
見ると河原葵作・画で、
『いい子の条件 サンタクロースからのお手紙』
とあった。
あの二人は絵本を作ったのか?
「めいおーがよんでくれたえほんは、
エントツからサンタさんがはいってくるの」
「うん」
向井は絵本を見てチビと一緒にキッズルームに向かった。
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