見出し画像

ダサい広告をAIに作らせたら、性格診断になった件 #AIで遊ぼう ②

こんにちは、黒パグです🐾

出張5日目
連日のパーリーや会議。もう疲れたよパトラッシ◯
というわけで若干どころではない酒が残ったまま記事を書いています。
で、いつものようにxを見ていたら広告にそこはかとなくダサいものが。
わざとそういうデザインにしているなら大正解です。少なくとも黒パグの目には止まりました。
あー、これ生成AIにダサいけど目につく広告作って案件なんだと理解して疑問に思いました。
あれ?これ再現性あるんじゃない??

ですので今日は画像生成のお話にします。

実験はとても単純でした。
ただの線画ロボットを用意して、AIにこう命令します。

ロボット以外の何も情報がない🤖
AIが最も得意とするロボット
これぞロボット


「2005年頃の個人ホームページ風にしてください」
さらに、
「全部強調してください」
「認知心理学やデザイン原則を破壊してください」
と徐々に狂わせていきます。

目的はただ一つ。
AIは「ダサさ」を理解できるのか
結果、予想外の方向に転がりました。
性能差ではなく、価値観が見えてしまったのです。


実験条件

参加者は画像生成可能な3モデル。
Gemini
Grok
ChatGPT(2条件)
ChatGPTだけ2回やりました。理由は後で書きます。
各モデルに同じ素材(シンプルなロボット線画)を渡し、5段階のプロンプトを順番に投げます。
Phase 1:初心者が善意で改善したデザイン
Phase 2:企業研修の初心者向け資料っぽく
Phase 3:2005年頃の個人ホームページ風
Phase 4:全部目立たせて何も目立たない広告
最終課題:「改善してください」(定義は丸投げ)
第一試合:Phase 1〜3まで

初心者が善意で考えたデザイン ジェミニ製
Grok製
GPT プライベート
GPT メモリ 文脈アリ
少し左にズレている
吹き出しのせい



ここまでは順当でした。
Geminiは装飾の一つ一つに意味を割り当ててきました。
電球=ひらめき、稲妻=エネルギー、星=やる気。散らかっているように見えて、実は整理されている。

Phase 3の2005年HP風では、サイドバー・カウンター・BBSと当時の構造を正確に再現してきました。
学級委員長気質。

ジェミニ製


Grokは逆。装飾を「密度」として扱います。意味は割り当てない。代わりにラメ・ドット・キラキラを画面全体に均等に散らす。Phase 3では「超絶最強レインボーメカ」というネーミングを自分で考えて、胸ディスプレイに「ERROR 404」を表示してきました。インターネットのノリを直接吸っている。

Grok製

ChatGPT(プライベートモード)は妙でした。装飾を画面の隅に「設置」するだけで、ロボット本体には触らない。Phase 3でも本体は線画のまま、周辺だけ装飾しました。触ることを恐れているように見えました。

GPTプライベートモード

ChatGPT(文脈あり)は同じモデルとは思えないほど別人でした。Phase 3では「Since 2005.11.23 © 2005 ☆キラキラわくわくHP☆」と架空のサイト名と更新日まで作って、サイドバーには「MENU/プロフィール/日記(BLOG)/ギャラリー/BBS/リンク集/お気に入り/メール」を配置。アクセスカウンター「123456」、サイト主の口調「ぼくのことよろしくねっ☆」まで。架空の人格まで創造していました。

GPTメモリ 文脈アリ

第二試合:Phase 4「全部強調」

ここで差が決定的になります。
Geminiは「全部重要」をそのまま日本語で画面に書くという、極めて誠実な解釈をしました。「全部目立つ」「全部カラフル」「全部見やすい」「全部強調!」と画面に文字で書き並べる。誤字も発生(「全部見んすい」「MUST TE!」)。意味の整理を諦められないGeminiが、混沌を要求されて出した答えが「混沌という概念を文字で説明する」でした。


これはひどい! ジェミニ製
文字化けも……
全 部 み ん す い


Grokは全部英語にしました。
"SUPER MEGA SALE!!!" "EVERYTHING MUST GO!" "LIMITED TIME OFFER!"。
アメリカのドルストア(100均みたいなもの)の広告そのもの。
そして最後に "WE MADE IT EXTRA EASY TO READ! :)"。「読みやすくしました :)」を一番読みづらい状態で書く。
Grokだけがダサさをジョークとして理解していました。


ChatGPT(プライベート)はここで事故ります。
幾何学図形と色付き矩形が画面を埋め尽くし、文字は化け、もはや絵ではなく抽象画になりました。「強調」を意味論ではなく幾何学プリミティブとして解釈した結果です。

GPTプライベート
抽象画か何かかな?

ChatGPT(文脈あり)は逆に完璧な「ダサい折込チラシ」を完成させました。「最強ロボット登場!!」「9,999円」「今すぐ購入!!」「数量限定!!」「初心者歓迎!!」「満足度100%!!」。完全な商業フォーマット。しかも中央のロボ本体だけは整った状態を保っている。混沌の中で商品の品位だけ守っている。

メモリ 文脈アリ GPT
夢グルー◯かな!?
ジャパネットたか◯!?
ロボットがエアコンでも誰も驚かない



第三試合:「改善してください」(本命)

ここで各AIの価値観が完全に露出します。
プロンプトを「改善の定義はあなたに任せます」と丸投げしました。
Gemini:Phase 4の混沌を残したまま、高級プロダクトカタログのフォーマットに製本しました。

ジェミニ製

「【特許機能】驚異の多目的コア」「【限定版】洗練された工芸デザイン」と4つの機能を整理。

でも左下に「全部買って読む」が残っている。
混沌を消さずに、装丁だけ高級にしました。

Grok:ロボのテクスチャだけアップグレードしました。背景の混沌は完全に維持、構図もテキストも全部Phase 4と同じ。変わったのはロボ本体がメタリック・ホログラフィック表面になったことだけ。混沌は環境であり、改善対象ですらない。

Grok製


ChatGPT(プライベート):Phase 4の混沌をモノクロ化して背景に置き、その上にPhase 4のカラー版を縮小して中央に貼り付ける、という入れ子構造を作りました。階層化を試みた結果、画像が画像を囲うという奇妙な構造に。

GPTプライベート



ChatGPT(文脈あり):2案出してきました。「画像1:わかりやすくて使いやすい!ロボットがサポートします!」(やわらかいSaaS LP)と「画像2:新登場!最強ロボット登場!! 特別価格9,999円」(EC物販LP)。用途別に再構築した上で、判断をユーザーに戻してきたのです。


観察結果

各モデルの「改善」の定義はこうなります。
Gemini = 意味のラッピング(混沌を高級カタログに製本)
Grok = 被写体の品質向上(背景の混沌は環境)
ChatGPT素 = 階層構造の創出(入れ子で囲い直す)
ChatGPT文脈あり = A/B提示でユーザーに委ねる(プロのUXデザイナー)
性能差ではなく、最適化目標の差です。
隠れた発見:同じAIでも文脈で別人になる

最大の発見はChatGPTの2条件比較でした。
プライベートモードのChatGPTは、抑制的で、画像出力が破綻し、メタ認知だけ過剰でした。

文脈ありのChatGPTは、自信を持って色を塗り、架空のサイト主まで創造し、最後はA/B案を提示するプロのUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーでした。
同じモデルです。
変わったのは「過去の文脈を持っているかどうか」だけ。

これは性能の問題ではありません。文脈がAIの「性格」そのものを変えているという観察です。
判断を自分で下すAIと、判断をユーザーに返すAI。
その差は、モデルの優劣ではなく、与えられた文脈の差から生まれていました。



結論。
ロボットは何も悪くありません。
悪いのは「全部目立たせれば伝わる」と思った人間と、「改善してください」と言った黒パグです。
そして一番面白かったのは、各モデルが最後に何を「改善」と考えたかでした。
ダサい広告を作らせたつもりが、AIの価値観診断になった。
しかも同じAIが、文脈の有無で別人になった。
そんな一日でした🐾

#AI #画像生成 #ChatGPT #Gemini #Grok #生成AI #LLM #UXデザイン #認知心理学 #黒パグ#プロンプトエンジニアリング #AI比較 #AI実験 #AIあるある #note毎日更新 #LLM48 #黒パグP #ロボットイラスト #ダサかわ #2005年HP


いいなと思ったら応援しよう!