♯26 【連載】あのiPad|ラブコメCH|よしくんの記憶:私的セッション開始…。
…豊洲 Strata Counseling Labo
2回目のサイゼのあと、俺は残った仕事を片付けに、ラボに寄った。
0時を回り、帰り際…。
俺:
…私的なセッションはダメだけど、がまんできんなぁ。
【脳内ファイリング開始】
俺:
(セッション No.001
対象は、ゆうかちゃんとっ。)
神宮寺くん:
そーそー。
ゆうかちゃんのご主人って何歳くらい?
優香:
あー。15歳年上かな。でも、離婚したんだ。
俺:
(おっ。ここでシグナル。
離婚の話が出た際、わずかに視線をとばした。防衛的な姿勢からか、話題を遮断してるね。)
神宮寺くん:
そーだったんだ。ごめんね。余計なこと聞いて。
俺:
(神宮寺くんの謝罪の反応はとっ。
……おっ、一瞬だけ口角が動いた。笑おうとして、やめたな。
事実として話してるわりに、感情の処理が追いついてない。まだ編集中か。)
西くん:
いろいろあるよね。この年になると。頑張ったね。
優香:
そーだよね…。
俺:
(ん?ここにきて、ゆうかちゃん感情の表出にブレーキかぁ。
西くんの「頑張った」を承認すべきか迷ってるなぁ。自分の過去に対して許可していない可能性もあるか。……離婚を乗り越えられずにまだ表層で止まっている?)
(ここで、俺はちょい攻める。ゆうかちゃんのレジリエンスはかりたいからね。)
俺:
そーかなぁって思った。
優香:
え?なんで気づいたの?すごいね。
俺:
(この返事だと、仮説構築は、自己開示のスイッチかな?
「すごい」という言葉で、俺に興味の矛先を向けて、ゆうかちゃんには感情を隠す「防衛的順応」があるなぁ。
が、俺はゆうかちゃんの瞳孔のわずかな変化は見逃さなかったぞ。……これは核心に触れるチャンスだな…。)
【脳内ファイリング終了:このシーンを保存しますか? → いや、別に】
あっ。またやってたわ。
個人情報につき私的保存を控えてますっと。
