天庫星と天馳星|墓と宇宙
【三つ合わせて読む】
十二大従星をひととおり見てきました。
最後に、読み方をひとつ。
従星は一つずつ眺めるより、三つ並べて点数を見比べたほうが分かります。
差が小さければ、人生の波は穏やか。
差が大きければ、時期によって力の出方がまるで変わります。
若年が高くて晩年が低い人もいれば、その逆もあります。
どこで無理が利いて、どこで休むべきか。
それが生まれた時点で配られていると考えると、自分の歩幅が少し掴めてきます。
今日は最後の二つ。
すべてが終わったあとの場所です。

【天庫星】(てんこせい)
入墓のとき/5点
1 土に帰る星、魂の出発点
2 どちらかに方向を決めないと収まらない
3 決めたら一直線、凝り性で探求心が強い
4 自分に厳しく、方向を変えた自分に腹が立つ
5 長男か末子に生まれる
人は死ぬと土に帰ります。
天庫星は、その土の世界です。
算命学では、肉体は東から生まれて西に沈み、魂は南から出て北へ向かうと考えます。
肉体が西の果てで終わり、魂が北へ旅立つ。
その出発点がここです。
この星の心は、陰か陽か、右か左か、どちらかに決めないと落ち着きません。
選ぶこと自体が役目なのです。
そして方向がひとつ定まると、止まらなくなります。
無の世界のスタートラインに立つ星なので、行き着くところを知らずにまっすぐ進む。
正直さと一本気が、爽やかなくらい頑固です。
それは時に、子どもみたいな純粋さに見えます。
一つの目的に向かう姿は、どんな難関も通り抜けてしまう。
仕事でも遊びでも、気が済むまで進みます。
だから凝り性です。
学者の星、歴史の星、探求心の星と言われるのは、そのため。
途中で方向を変えなければならなくなると、相当な悔いと怒りが出てきます。
面白いのは、その怒りの向き先です。
邪魔をした状況ではなく、向きを変えてしまった自分自身に腹が立つのです。
周りには寛大なのに、自分にだけ厳しい。
自分を律することができて、現実の中から精神的なものを学び取る力は、十二の中でいちばん見事です。
ただ、一点に向かって進む姿は頑固に映ります。
人徳がありながら歩調を合わせにくい。
ここが天庫星の苦しいところです。
自分の道を振り返って反省し、反省する前の場所まで戻ってしまうほど、方向を変えられません。
だからこそ、苦しい時期も、認められない時期も、目的に向かっているあいだの忍耐は驚くほど続きます。
自分で決めた道なら、たとえ地獄でも進む。
誰かが天国への道を用意してくれても、そちらへは行かない。
そういう星です。
人の感情を押しつけられるのを、いちばん嫌います。
自分から進むのは好きでも、与えられるのは好まない。
その代わり、自分の感覚で人の気持ちをくみ取るのは大好きです。
古いものを好み、探求心が強く、考え方も古典的。
そして、この星は長男か末子に生まれます。
兄弟の真ん中に生まれることがない、という珍しい特徴を持っています。
狭い範囲を、どこまでも掘って進む。
その探求心と努力が、社会の目立たない場所で、いつか大きな歴史を動かす原動力になる。
それが天庫星の役目です。

【天馳星】(てんそうせい)
あの世のとき/1点
1 時間も空間もない、宇宙の星
2 「現在」しかない=最も現実的
3 瞬間の力量は天将星も及ばない
4 多忙・喧騒・単独行動
5 見返りを求めず、静かに立ち去る
天庫星が旅立ちの出発点なら、天馳星はその先の宇宙そのものです。
ここには時間も空間もありません。これが第一の特徴です。
過去がなく、未来もない。あるのは現在だけ。だから天馳星は、十二の中でいちばん現実的な星だと言われます。
そして、時間と距離を取り払ってしまえば、その瞬間の力量は天将星でも勝てません。
1点という数字と、この事実は矛盾しません。
点数は続く力の量であって、瞬間の力ではないからです。
時間のつながりがないぶん、荒れます。
高速で吹き荒れる風のような世界です。
同時にいくつもの仕事をこなせるのも、ここから来ています。
とにかく多忙。
知識で自分を支えるのでもなく、精神を重んじるのでもなく、感情のまま動きます。
感情と行動がひとつになって進むので、速さは群を抜いている。
速すぎて、周りと歩調が合いません。
そこから単独行動になり、孤独な道を進み続けることになります。
天将星と同じく大きな力を持っているため、使い切れないと体のほうが壊れます。
だから、この星はいつも動いているほうが良いです。
止まると具合が悪くなる、めずらしいつくりの星です。
日々は忙しいのに、精神は安定したままです。
休みがなくても、心の状態が一定に保てる。
そして、苦しい時にもあまり苦労を感じません。
その代わり、喜びもさほど感じないのです。
人情に流されないのに、冷たいわけではありません。
目の前に困っている人がいれば助けます。
ただ、そこに居合わせたから助けただけ。
感謝も求めず、静かに立ち去っていきます。
成功や蓄えを目指して進む星でもありません。
感じる力は強いのに、続かないので、ひらめきのまま終わってしまう。
多忙、喧騒、瞬間の大器、市井の聖人。
この星の意味はそう並びます。
名誉にも財産にもとらわれず、ただ一生懸命に働く。
だから家族からは不満を持たれることが多い。
ここは少し切ないところ。
天馳星の世界を支えているのは、無の美しさです。
自分の喜びのために動くのではなく、与えられた役割にだけ忠実でいる。
時間も空間もない、というのはそういうことなのだと思います。
これで十二大従星すべてです。
胎児から始まって、赤ん坊、子ども、青少年、青年、壮年、頭領、老人、病人、死人、墓、そして宇宙。
人の一生が、ひと回りしました。
面白いのは、最後の天馳星がまた天報星の隣に戻ることです。
散らばって広がった先で、もう一度集まって形になる。
輪はそこで閉じて、また開きます。
十二大従星を並べ終えて、思うことがあります。
ぜんぶ暗記しようとすると、たぶんすぐ抜けていきます。
それより、その年代にいる自分を思い浮かべてみる。
例えば、赤ちゃん星である「天印星」と病人星の「天胡星」。
どちらの星も周りにいる人が色々と世話をしてくれます。
必要だからそうなるのですが、ただ世話の焼き方はまるで違います。
イメージです。
意味のほうから自然に立ち上がってくるんです。
上りつめる年頃なら前へ出て人を引っ張りたくなるし、退いていく年頃なら次の世代にそっと道をゆずりたくなる。
覚えるものというより、想像するものなのだと思います。
それと、もうひとつ。
十二大従星のうち、いらない星はひとつもありません。
12点がえらくて、1点が劣っている、という話ではありません。
点数は続く長さであって、値打ちではない。
強い星には強い星の重荷があり、小さい星には小さい星の身軽さがある。
だから、自分の図に低い点数が並んでいても、がっかりしなくて大丈夫。
そこは、休んでいい場所として最初から配られていたのだと思います。
最後に・・・
誰でも天報星に始まって、天馳星で宇宙に還ります。
そのうち、note?、「スキ」の交換?
そういえば、生きているときお互いやっていたね。
あの時は、色々大変だったね。
なんて、またお互い宇宙に還っても、同じようなことをしている気もしますが、如何でしょうか。
六回にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。
自分の三つの従星は、こちらで確かめられます。
忘れていた自分が、ぽろっと出てくる。そんなツールです。
第一話「命の誕生」からです。もし良ければこちらもご覧ください。
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富士山麓の祭壇の前より、あなたへ
ボンちゃん
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