Photo by ysgenfu 【十行小説】泳ぐ縄文人 6 井出志穂 2025年6月1日 06:34 荒れた大海原から泳いでくる人がいる。力強く、星を背負って水をかき分けながら。黒水晶の泡を飛ばして泳いでくる。縄文人だ。私に何かを手渡すと、安堵と喜びで慈しみの空間を響かせ、天を蹴り出し、地の底深くに帰っていった。残ったのは、両手の中にボンヤリ浮かぶ朧月のような珠(たま)が一つ。やさしくたゆたう光が一つ。 ダウンロード copy #創作大賞2025 #オールカテゴリ部門 #十行小説 6