解像度爆上げのマーケティングフレーム。「なんとなく」でやってない?
マーケティングって、正直よくわからなくないですか?
「ウチもSNSをやらなきゃ」「とりあえず広告を出してみるか」
そんな風に、なんとなく施策を打ってはみたものの、いまいち成果に繋がっている実感が持てない。多くの人が、そんな経験をしているのではないでしょうか。
こんにちは、都内のベンチャーで役員をしているTakaです。
(元美容師という、ちょっと変わった経歴を持っています)
僕も昔は、マーケティングを「センスや感覚がモノを言う世界」だと思っていました。
ですが、さまざまな書籍や講義から学び、現場で実践してきたマーケティングの「考え方の根幹」を、できるだけ分かりやすく、体系立ててお話しします。
この記事を読み終える頃には、あなたの頭の中にあったモヤモヤが晴れて、マーケティングの**「解像度」**がグッと上がっているはずです。
さて、前置きはこれくらいにして、
さっそく「選ばれる必然」をつくる旅に出かけましょう。
マーケティングとは「選ばれる必然」をつくること
さて、いきなり結論からお話しします。
マーケティングとは、世の中に無数にある商品やサービスの中から、自社のものが**「選ばれる必然をつくる」**ことです。
世の中に数ある商品・サービスのなかで、自社の商品・サービスが選ばれる理由・必然性をしっかりと作り、理解してもらおうとすることが大切なんだよね。 決して選ばれるかどうか神頼みなのがマーケティングではないんです。
確率を上げる、のではなく。目指すのは"必然"のレベル。
そう、"必然"です。
少し考えてみてほしいのですが、あなたが何かを買おうと決める瞬間、そのプロセスはどのように始まっているでしょうか?
多くの場合、購買の意思決定は**「すでに記憶の中にあるブランドを思い出した時」**に始まります。 例えば、「のどが渇いたな…」と思った時、頭の中にいくつかの選択肢がフワッと浮かびますよね。
この「無意識に思い出してもらう」という最初の関門を突破し、数ある選択肢の中から「これがいい」と指名してもらう。そのための理由と仕組みを設計し、顧客に届け、資源をどこにどれだけ配分するか戦略を立てることこそ、マーケターのミッションなのです。
小手先のテクニックや流行りの施策に飛びつく前に、まずこの**「選ばれる必然性をつくる」**という目的地の旗を、しっかりと立てておく必要があります。
全ての売上は因果関係で説明できる
「選ばれる必然」という目的地はわかりました。
では、そこにたどり着くための因果関係を見てみましょう。
この因果関係には「売上の地図」という考え方がベースにあります。これは、僕が尊敬するトライバルメディアハウス代表の池田さんが提唱している、非常に強力なフレームワークです。僕がゼロから作り出したものではなく、今回はこの素晴らしい地図を、僕なりに噛み砕いて、皆さんに分かりやすくお伝えすることを目的としています
よくある誤解として、「この広告を打ったから、これだけ売れた」というように、施策と結果を一本の線で結んでしまうことがあります。しかし、現実はもっと複雑です。
マーケティング施策と売上の関係は、ビリヤードに似ています。
最初に突いた球(施策)が直接ゴールに入るのではなく、他の球に次々とぶつかり、連続的な因果関係の先に、最終的な結果(売上)が生まれるのです。
そして、この因果関係をシンプルに捉えると、売上は2種類から成り立っています。
それは**「トライアル(お試し)売上」と「リピート売上」**です。そして、売上の大半に影響を与える変数は、突き詰めるとたった2つしかありません。
それが**「配荷(はいか)」と「想起(そうき)」**です。
配荷(Distribution):
どれだけ多くの売り場に商品が置かれているか、という**「物理的な手に入れやすさ」**のことです。スーパーやコンビニの棚に並んでいるか、はもちろん、ECサイトで見つけやすいか、会員登録はしやすいか、といったことも含まれます。
想起(Awareness):
ニーズが生まれた時に、あなたのブランドを思い出してもらえるか、という**「心理的な思い出しやすさ」**のことです。
この2つを車の両輪のように大きくしていくことが、マーケティング活動の基本となります。
配荷は、言ってしまえば営業や販路開拓の話。もちろん重要ですが、比較的イメージしやすいですよね。
しかし、マーケターにとって本当の主戦場であり、最も奥が深いのが、後者の**「想起」**です。
「売上」というアウトプットは、想起や配架、プレファレンス(後述)というインプットによって決まるということです。
では、どうすれば顧客の頭の中に、自社ブランドの指定席を作ることができるのでしょうか?
「思い出してもらえない=存在しない」想起の残酷な現実
マーケターの主戦場、「想起(認知)」。
なぜ、これがそこまで重要なのでしょうか。
それは、顧客の頭の中で**「思い出してもらえないブランドは、そこに存在しないのと同じ」**だからです。
少し考えてみてください。「今日のランチ、牛丼にしようかな」と思った瞬間、あなたの頭の中に真っ先に思い浮かぶお店はどこですか?
その、ニーズが生まれた瞬間に真っ先に思い出されるブランドのことを**「第一想起(Top of Mind Awareness)」**と呼びます。そして、この「第一想起」を勝ち取ったブランドは、圧倒的に有利な立場で戦いを進めることができます。
人間の脳は面白いもので、一度「これがいいかも」と第一想起したブランドに対しては、無意識に**「それを買う理由」を探し始めます。逆に、2番手、3番手のブランドは、一番手のブランドを買うべき理由を固めるための「比較対象」**として見られがちなんです。
顧客の頭の中は、ブランドを仕分ける3つの棚に分かれています。
想起集合(Evoked Set):
「これを買おうかな」と本気で検討する、一軍の棚。多くても3つ程度しか入らない、最重要エリアです。
保留集合(Hold set):
「知ってはいるけど、今回は選ばないかな」という二軍の棚。「値段が高い」「よく知らない」などの理由で、一軍には上がれないブランドたちです。
拒否集合(Reject set):
「これは絶対に買わない」と決めている圏外の棚。「悪い口コミを見た」などの理由で、むしろマイナスの印象を持たれている最悪の状態です。
私たちのブランドが目指すべきは、もちろん一軍である「想起集合」に入ること。そして、その中でも一番最初に手を伸ばしてもらえるエースの座を勝ち取ることです。
では、どうすればそのエースの座を勝ち取れるのか?
その鍵をにぎるのが**「プレファレンス」**という考え方です。
想起の鍵をにぎる「プレファレンス(好み)」とは?
では、どうすれば顧客の頭の中でエースの座を勝ち取れるのか?
その答えは、自社ブランドの**「プレファレンス」**を高めること、ただ一つです。
プレファレンス(Preference)とは、一言でいうと、消費者の頭の中にあるブランドに対する**「相対的な好き度・えこひいき度」**のことです。
市場での競争とは、結局のところ「個人の購買意思決定の奪い合い」です。その奪い合いのど真ん中にあるのが、このプレファレンスなんですね。
この「好き度・えこひいき度」は、主に3つの要素で決まります。
① 価格(Price):
言わずもがなですが、基本的には価格が安いほどプレファレンスは高まります。ただし、高級ブランドのように、あえて価格を高く設定することが価値に繋がる場合もあります。
② 製品パフォーマンス(Performance):
その商品が持つ機能や性能のことです。「よく汚れが落ちる洗剤」や「バッテリーが長持ちするスマホ」など、顧客にとって価値のあるスペックを指します。
③ ブランドエクイティ(Brand Equity):
最も重要なのがこれです。消費者の頭の中にある、そのブランドに対する目に見えない価値やイメージの総体のこと。プレファレンスを支配する最大の要素であり、これを高めることこそが、マーケティング活動の根幹と言っても過言ではありません。

インプットである「説明変数」を変える必要がある
価格や機能はもちろん大事です。
でも、長期的に見てプレファレンスを最も大きく左右し、競合との差を生み出す源泉となるのが、この③ブランドエクイティなのです。
では、その最重要項目である「ブランドエクイティ」とは、一体何で出来ているのでしょうか?
さらに深掘りして見ていきましょう。
ブランドエクイティを構成する5つの要素
さて、最重要項目である**「ブランドエクイティ」。
直訳すると「ブランド資産」です。まさに、企業のブランドが持つ目に見えない”資産”や”貯金”**のようなものだと考えてください。
そして、この”資産”は、5つの要素で構成されています。
① ブランド認知
「そもそも、どのくらい知られているか?」ということです。ただし、ただ名前を知られているだけでなく、「どんなブランドか」まで正しく認識されているかが重要です。
② 知覚品質
顧客が「このブランドの品質は、他のものより優れている」と感じている**”イメージ”**のことです。実際の性能だけでなく、信頼性や漠然とした雰囲気なども含まれます。
③ ブランド連想
そのブランド名を聞いた時に、顧客が頭の中で思い浮かべる全てのイメージを指します。「〇〇といえば、赤色」「〇〇といえば、安心感」といった、色、音楽、感情、利用シーンなど全てが含まれます。
④ ブランドロイヤルティ
顧客がそのブランドに対して抱いている愛着や忠誠心のことです。「次も絶対にこれを買う」と決めている、熱狂的なファンがどれだけいるか、と言い換えることもできます。
⑤ その他、ブランド独自の資産
特許や商標などの知的財産権や、独自の技術、強力な取引先との関係など、他社が簡単に真-できない、ブランドが持つ独自の強みのことです。
この5つの”資産”を一つひとつ、コツコツと貯めていくこと。
それが、顧客のプレファレンス(えこひいき度)を高め、長期的に「選ばれる必然」をつくり出す、最も確実で王道のアプローチなのです。

まとめ:マーケティングの「解像度」は上がりましたか?
今回は、感覚的になりがちなマーケティングを、体系的に理解するための「考え方の根幹」についてお話ししてきました。
最後に、今回のお話をもう一度振り返ってみましょう。
マーケティングの目的は**「選ばれる必然をつくる」**こと。
売上は**「配荷(手に入れやすさ)」と「想起(思い出されやすさ)」**で決まる。
想起の鍵をにぎるのは**「プレファレンス(えこひいき度)」**である。
プレファレンスを支配するのは**「ブランドエクイティ(ブランドの資産)」**。
ブランドエクイティは**「5つの資産」**を貯めていくことで高まる。
一つひとつの施策が、どこに影響を与えるのか。それを意識するだけで、日々の業務の解像度は驚くほど上がっていくはずです。
マーケティングは、決して神頼みではありません。顧客の頭の中に自社ブランドの価値をコツコツと貯金していく、再現性のある科学的なアプローチなのです。
この記事が、あなたのマーケティング活動の「地図」となり、進むべき道を照らす一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
どんなイメージを持っているか(そもそも商品自体を知らないかも!?)現状を把握してみるところから始めてみてはいかがでしょう?
※反響があれば、ブランドエクイティに影響を与えるCEP(想起されるきっかけとなる鍵)や、ダブルジョパディ(知られていないブランドほど購入頻度も低いという二重苦の法則)など、マーケティングのさまざまな理論を記事にしたいと思います。
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