日本は昭和になんて戻りません!|老舗Barオシャンティ キノコで深酒 Vol.10
──ここは、街の片隅にある小さな老舗BAR、オシャンティ。
私はバーテンダーのジェイコブ。
本来なら、夜が深まるほど静けさが濃くなり、 グラスの音だけが、ゆっくりと時間を刻む……はずなのですが。
……ええ、今夜も違います。
数年前から時々顔を出してくれる三人組が、久しぶりにふらりとやって来て下さいました。 カウンターの端で盛り上がっています。
◆ 本名は分からないので、呼ばれている“あだ名”でご紹介しましょう。
■ 元気さん
声もテンションも高く、笑い声が店の空気を揺らす。
40代前半くらいのリーダー格で、白いスーツが似合っています。
■ パパ
スマホをよく触り、noteをやっているらしい。
子どもの話をよくする30代後半。今日はジーンズにジャンバーの、休日らしい装いです。
■ タカさん
生真面目な雰囲気の、筋肉質で体の大きな男性。
三人が揃うとよく笑う。50代前半か。パーカーにジャージの、完全オフ仕様でご来店です。
おや、話題が変わったようです。
どうやら、皆さんご存知の“あの人”の話みたいですよ。
元気さん
いやぁパパ、聞いたかよ。
最近、日本が滅ぶとか言ってる陰謀論あるじゃん!
パパ
あるある!
そういえば、noteでも変な記事ばっかり書いてる人見付けたわ!
(スマホを取り出して)
パパ
ほら、この人この人
タカさん
毒きの子?
名前からして胡散臭ぇなぁ、はははは!
元気さん
日本が昭和初期に戻る理由?
がははは…戻らねぇよ!
異世界転生かよ!
パパ
ほらこれ。
『米価の高騰は亡国への階段の一段目?』だってよ
元気さん
亡国?米が高いだけで?
誰かが儲けようとして隠してただけだろ!
考えすぎだっての、がははは!
タカさん
いやもう、タイトルだけで腹いっぱいだわ。
毒きの子って、絶対ヤベぇやつじゃん、ははは!
パパ
まだあるぞ。
これなんかどうよ
タカさん
どれどれ、
『物流という一本の糸が揺れた時、生活はどこまで落ちるのか』……
元気さん
何言ってんだよ、こいつ。
この何でもネットで買う時代にさぁ。
タカさんの勤めてる運送会社だって今、儲かって仕方ないんだろ?
それが揺れるってなんだよ?
揺れねぇっての、がははは!
パパ(笑いながら)
ほんとだよなぁ。物流が揺れるとか、どんな妄想だよ
タカさん
「……………………………………………………。」
やがてタカさんだけが、 静かに席を立ちました。
元気さんとパパはまだ笑っています。
タカさんは会計を済ませ、 扉の前で一度だけ振り返りました。
「……揺れてるよ。もう、とっくに。」
その声は、笑い声にかき消されるほど小さかったのに、不思議と耳に残りました。
扉が閉まります。
残された二人は、 まだ画面の続きを見ていました。
私は黙って、ただ、タカさんの背中に宿った“現実”の重さだけを、 静かに受け止めていました。
オシャンティの夜は、今日もまた、 誰かの気づきをそっと包み込んでいくのです。
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クールジャパンも技術立国も、もう幻想です|日本が昭和初期に戻る理由、あなたにだけ、そっと教えます1/9
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日本が昭和初期に戻る理由、あなたにだけ、そっと教えます
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