中二病か本物か、三次会キノコ問題勃発|老舗BAR オシャンティ キノコで深酒 Vol.8
──ここは、街の片隅にある小さな老舗BAR、オシャンティ。
私はバーテンダーのジェイコブ。
本来なら、夜が深まるほど静けさが濃くなり、 グラスの音だけが、ゆっくりと時間を刻む……はずなのですが。
……ええ、今夜は違います。
どうやら、近所の“祭礼委員”の皆さんが、 イベントの片付けを終えたあと、 「三次会いくぞー!」と勢いそのままに流れ込んできたようでしてね。
カウンターの端では、すでに三人がワイワイと盛り上がっています。
◆ 本名は分からないので、呼ばれている“あだ名”でご紹介しましょう。
■ 若(わか) どうやら青年部の人らしく、 声もテンションも高くて、身振りも大きい。 お祭りの時は、いつも一番に動いているのを見かけます。
■ 会計(かいけい) 祭りの会計係……らしい。 いつもメガネをクイッと上げながら、 数字の話をしているのを耳にします。
■ 姐(あね) 子ども会のまとめ役……のようで、 面倒見がよく、誰にでも優しい。 ただ、ツッコミのキレは鋭いんですよ。
さっきまでは、 「今年の屋台は当たりだった」とか 「太鼓の子たちが可愛かった」とか、 ごく普通の“祭りの打ち上げ話”で盛り上がっていたのですが──
どうやら、話題が少し変わったようです。
「いやいや、あれは魔術だって!」 「魔術師がnote書くかよ!」 「でもAI論破してたじゃん、あれ普通じゃないって!」
……ふむ。 どうやら“例の三部作”の話になったようですねぇ。
これは、ちょっと聞き耳を立てたくなる流れです。
若
いやだからさ! “冒頭でAI論破”って何なんだよ、あれ!
普通の人がAIに“はい論破〜”できるかっての!
会計
落ち着け若。
論破っていうか……あれはもう、“初手でAIの思考をねじ曲げる呪文”だよ。
若
ほら出た!魔女説!
俺は最初から言ってたぞ?
きの子は絶対、魔女だって!
姐
魔女かどうかは知らないけどさぁ……
あの落ち着きと、あの文章の切れ味は、“ただの人”じゃないよねぇ。
若
ほらほら!姐さんも言ってるじゃん! 魔女だって!
会計
いや、魔女はない。
あれは“中二病を極めた大人”だ。
若
中二病でAI論破できるかよ!
会計
できる。
“中二病を極めた大人”は強いんだよ。
あれはもう、プロ中二病だ。
姐
プロ中二病って何よ……
でも、なんか分かる気がするのが悔しいわ。
若
てかさ!値段よ、値段!
あれ魔術書の値段だろ絶対!
会計
いや、魔術書にしては安い。
むしろ“良心的価格の魔術書”だ。
若
良心的魔術書って何だよ!
姐
でもさぁ、あの内容なら……
高いのも分かる気がするのよねぇ。
なんか“背筋伸びる”じゃない?
若
姐さん、それ“魔術にかかってる”ってことじゃん!
会計
ほら、やっぱり魔術書じゃないか。
若
だから言ったろ!
きの子は魔女なんだって!
姐
いや、魔女でも中二病でもいいけどさ……
あの文章読んだら、
なんか“明日からちゃんとしよ”って気持ちになるのよ。
若
そう!それよ!
結局、俺ら明日から何すりゃいいんだ?
会計
補遺の1話目でAIが言ってたじゃないか。
“日本が住みやすくなる可能性がある”って。
若
いやそれは分かるけどさ!
具体的に何すりゃいいんだよ!
姐
具体的なことは「下っ端支配」の「です」方にもあったし、
今回の「した」にも書いてあったじゃない。
と言いたいところだけど…。
あれって、一回読んだだけじゃ説明できないわ。
理解がまだ追いついてないもの。
ちょっと真面目に話すけどいい?
若
あ?ああ、いいけど…
姐
「した」の方で本を買えって言ってるじゃない?
それだけが言いたかったら、そこで話が終わる筈じゃない?
なのに話が続いて、どう言う訳かきの子さん、
ずっと自分のnoteの値段の話をしてるのよ。
それをして、最後に魔術的知性の実践って言っているんだけど、
何かおかしくない?
会計
…言われてみれば。。。
確かに、その後の値段の件(くだり)は、本を買えってだけなら必要ない。
なのに、それをダラダラと書いていると言う事は……
…何か意図があるな!
姐
そう!!
そこがまだちょっと分からないのよね。
若
なんだよ、姐さんにも分からないのか。
姐
わたしの解釈でいいなら話すわよ?
でも、あんたはあんたで自分で解釈しなさいよね。
それと、先に言っとくけど、
わたしの解釈を聞いたら、もうあんた独自の解釈は出来なくなるからね。
先に自分で解釈してからの方がいいんじゃない?
多分、きの子さんは、自分で考える事を想定して、
後半の件を書いていると思うから、その方が作者の意図に沿うわ。
若
うっ! そ、そうかも。
…はい。
…そうします(なぜか消沈)
会計
はははは…
解釈はそれぞれがするとしてさ、
きの子のnote読むと、なんか“姿勢”が変わるぞ。
若
姿勢?
会計
そう姿勢だ。
“ちゃんと見よう”とか
“ちゃんと聞こう”とか
“ちゃんと考えよう”とか……
若もなっただろ?
姐
ふふ…、つまり、“noteを読んだ結果、生活態度が良くなる”と。
若
それもう完全に魔術じゃん!
姐
だから魔女でも中二病でもいいって言ってるのよ。
読んだら、なんか背筋伸びるんだから。
若
……確かに。
俺も今日、なんか姿勢いいわ。
会計
それは魔術の効果だな。
若
だから魔女なんだって!
(カウンターの奥で、ジェイコブがくすりと笑う。)
三人の笑い声が、店の空気を軽く揺らしていた。
私はカウンターの奥で、 磨いていたグラスをそっと置き、 その賑やかなやり取りを眺めていた。
文章というのは不思議なもので、 読む人によって、響く場所が違う。
そして、理解の仕方も、変わる。
けれど—— こうして誰かの心に“明日を少し良くしよう”という火が灯るのなら、 それはきっと、良い文章なのでしょう。
三人はまたグラスを軽く合わせ、 祭りの夜の余韻のように、 笑い声が静かに店内へ溶けていった。
私はその音を聞きながら、 今日も良い夜だな、とひとり胸の中で呟いた。
この記事の元ネタになっているシリーズ第一話はこちら
↓
文明の皮、ずる剥けだ補遺|全部、下っ端に支配された結果で……した!1/3
Vol.9
読んで来た二人のエグい本音
Vol.7
毒茸につままれた夜
※2026/6/11 サブタイトルを変更しました。
旧サブタイトル「今夜の刺し呑み」
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