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【イベントレポート】ヒューマノイドロボットEXPO 2026「日本のヒューマノイドロボット産業をどう育てるか——技術・事業・人材の三位一体」

イグニション・ポイント広報担当です!

2026年4月15日、東京ビッグサイトで開催された「NEXT stage Tokyo」内の「ヒューマノイドロボットEXPO 2026」。日本初のヒューマノイドロボット展示会として大きな注目を集めるこのイベントの初日、オープニングを飾る特別なトークショーが開催されました。

テーマは「日本のヒューマノイドロボット産業をどう育てるか——技術・事業・人材の三位一体」

モデレーターを務めるロボット専門コンサルタントの山本力弥氏を筆頭に、ロボットソフトウェアの最前線を走るMuso Action(株)CEOの村山龍太郎氏、医工連携を実践する明治大学専任講師の伊丹琢氏、そしてイグニション・ポイントからは、AI Technology Unit責任者の羽間裕貴が登壇しました。

本記事では、熱気あふれる議論の模様をレポートします。
 


登壇者プロフィール

<モデレーター>
ロボットメイトハブ 代表 / 合同会社ヤマリキエッジ 代表
山本 力弥 氏

アクセンチュアを経てソフトバンクロボティクスの「Pepper」事業に参画。介護、教育、小売分野のソリューション開発を主導。現在はロボット専門コンサルタントとして、人材プラットフォーム「RobotMateHub」を運営する。

登壇者>
イグニション・ポイント株式会社 執行役員
AI Technology Unit責任者 羽間裕貴

アクセンチュアで製造・流通系の業務改革、楽天でECロジスティクスにおけるロボット導入や現場整備を経験。現在はイグニション・ポイントのAI責任者として、フィジカルAIをはじめとする最先端テクノロジー事業を推進する。

Muso Action株式会社 
CEO 村山龍太郎 氏

15年以上にわたりロボットの事業開発、プロダクトマネジメントに従事。「Pepper」やペットロボット「LOVOT」、Preferred Roboticsの搬送ロボット「カチャカ」を経て起業。生成AI(VLA)を活用したロボットアーム自動化技術を手掛ける。

明治大学 理工学部 電気電子生命学科 スマートメカトロニクス研究室
専任講師 伊丹琢 氏

機械工学と電気電子工学を修めた後、現在は明治大学で研究室を主宰。自らも医学部に通う異色の経歴を持ち、医工連携による「本当に必要なものづくりと社会実装」をテーマに掲げ、研究活動を行っている。

ヒューマノイドロボットの「キラーユースケース」はどこにあるのか?

業務の「標準化」と「ブレの排除」が社会実装の第一歩

ロボットメイトハブ 代表 / 合同会社ヤマリキエッジ 代表 山本 力弥 氏

セッションの冒頭、モデレーターの山本氏は、ヒューマノイドロボットの本格的な社会実装に向けた最大の論点である「キラーユースケース」について問いかけました。2040年には市場規模が約60兆円に達すると予測され、機体の価格破壊も進む中で、私たちはロボットをどこで、どのように使うべきなのでしょうか。

これに対し、現場での業務改革やロジスティクスを深く知るIGP羽間は、コンサルタントの視点と実務の経験から、以下のように語りました。

イグニション・ポイント株式会社 執行役員 AI Technology Unit責任者 羽間裕貴

IGP羽間:
「キラーユースケースを考える上で、まず重要なのは『オペレーションとしてある程度ブレが少ない領域』です。これは、物流でも、医療でも、共通しています。

私は実際に物流現場でさまざまなロボットの導入やプロセス改善を手がけてきましたが、現場における『ブレ』の発生はロボットにとって致命的です。例えば商材の形状、重さ、サイズがバラバラな状況でロボットを自律走行させようとすると、オペレーションのわずかなブレによって商品を破損させてしまうリスクが生じます。これに対し、すべての形状や重さが同じであれば、ロボットは安定して動き、正確なオペレーションを完遂してくれます。

つまり、いかにして『ブレの少ないオペレーション』を定義し、標準化できるか。これが業界を問わずロボットとの相性を決定づけるポイントです。RPAや現在のAIエージェント、そしてフィジカルAIやヒューマノイドにおいても本質は変わりません。『ヒューマノイドフレンドリーな業務設計』をどれだけ緻密に行えるかが、導入成功の鍵を握っていると考えます」

現場に即したリアルな業務プロセス設計やデータ定義の重要性を訴えるIGP羽間に対し、山本氏は「ロボットフレンドリーな環境を作る難しさはどこにあるのか」とさらに深掘りしました。

IGP羽間:
「現場のオペレーションには必ず例外が存在します。だからこそ、いつ、誰が、どこで、どのシステムとどんなデータを使って作業を行うのか、というインプットを明確にする必要があります。その上で、ロボットが実行するプロセスを定義し、どのようなアウトプットやゴールを目指すのかを徹底的に構造化することが不可欠です」

コンサルティングのスキルセットがロボット産業においていかに重要であるかを象徴する解像度の高い指摘でした。
 

少量多品種を扱う「物流・製造」への技術適用の可能性

続いて、長年プロダクトマネージャーとしてロボット事業に携わってきた村山氏が、ソフトウェア技術の進化という観点から意見を述べました。

Muso Action株式会社 CEO 村山龍太郎 氏

村山氏:
「ユースケースの観点では、やはり物流と製造業が最も大きな市場を占めると考えています。近年の大きな技術革新として、生成AIを背景としたロボットの動作生成が可能になったことが挙げられます。

VLAの最大の特徴は、『初めて見る物体でもなんとなく扱える』という点にあります。つまり、これまでロボットが苦手としていた少量多品種の取り扱いが得意になったのです。多種多様なパーツが大量にあり、それを製造ラインに届ける『キッティング』のような作業は、まさにVLA技術を活かせる最適なフィールドです。喫緊の人手不足に直面している現場へまずロボットを導入し、技術と価格のバランスが取れる5〜10年後に、お片付けをサポートするような家庭用のコミュニケーションロボット市場へと広がっていく、というロードマップを描いています」

学術界を代表する伊丹氏からは、さらに日本固有の文化的背景を踏まえた鋭い視点が提示されました。

明治大学 理工学部 電気電子生命学科 スマートメカトロニクス研究室専任講師 伊丹琢 氏

伊丹氏:
「アメリカや中国と日本とでは、求められるヒューマノイドロボットの役割が少し異なると感じています。欧米や中国では、あくまで秘書やタスクを遂行する『お手伝い』としての合理的な役割が追求されやすい一方で、日本には『ドラえもん』に代表されるような、人に寄り添うアニメ文化が根底にあります。

例えば、介護の現場で高齢者の方がいきなり人型ロボットにケアされることに対し、抵抗感なく受け入れられるのかという情緒的な課題があります。単なる機能としての作業代行だけでなく、いかに人の心に馴染むものにするか。日本ならではの強みを活かすには、これまでとは異なる視点からアプローチを変えていく必要があると考えています」

グローバル競争と日本企業の勝ち筋——データとデジタルツインによる価値創造

大量生産による「価格勝負」を避け、「データビジネス」へ昇華させる

中国メーカーが圧倒的なスピードで100万円を切るヒューマノイドロボットを市場へ投入し、出荷台数を急速に伸ばす中、日本企業は事業としてどう戦っていくべきなのでしょうか。

この問いに対してIGP羽間は、「ハードウェアの価格競争」ではなく、「データと現場の知見を活用したビジネスモデル」への転換を強く提唱しました。

IGP羽間:
「大量生産を背景とした単純なハードウェアの価格勝負において、日本が勝ち残るのは難しいでしょう。私たちが注視すべきなのは、ハードの安さを前提にした上で、その先にある『現場のユースケースからいかに一次情報を得るか』という点です。

特定のユースケースでどんなデータが必要になるのか。トラブルが発生した時にどう対応すべきか。そうした生きたフィジカルデータを現場からいち早く抽出し、それを基にした『データビジネス』として昇華させていくことが極めて重要です。どれだけ優れたAI技術やハードウェアがあっても、現場に根ざしたデータがなければ、ロボットを実環境で動かすことはできません。日本企業が培ってきた現場力をデータ化して稼ぐという発想が、最大のキーワードになると確信しています」

さらにIGP羽間は、自身が世界最大のテクノロジー見本市「CES」を視察した際の事例を挙げ、日本企業の持つポテンシャルについて語りました。

IGP羽間:
「CESで、クボタさんのブースを拝見した際、データのデジタルツインを非常に高い精度で完璧に再現していたことが大変印象的でした。

欧米や中国の企業は、市場全体をR&Dの場と捉え、未完成であっても製品を次々と市場に投入し、後から改善していくアプローチを得意とします。一方で、日本企業はおもてなしの精神や、徹底的に磨き上げられた『ジャパンクオリティ』へのこだわりが非常に強い。このクオリティに対する真摯な姿勢が、デジタルツインの構築や一次データの『深度』という形で表れています。この深さこそが、日本がグローバルで戦える大きな勝ち筋になると感じています」

標準データと現場の「テクスチャデータ」の違い

村山氏もこの「データの深さ」という点に強く同意し、ソフトウェア開発企業の視点からデータの重要性をさらに解き明かしました。

村山氏:
「私たちが必要としているデータには、大きく分けて2つの種類があります。1つは、中国などのメーカーが広大な模擬環境で大量に収集している『標準データ』です。箱を掴む、お皿を運ぶといった基本動作を何十万時間もかけて学習させるためのものです。しかし、これだけでは実際の現場では動きません。もう1つの『工場の薄暗い照明、汚れ、作業台の細かな傷』といった、ノイズを含んだ現場固有のリアルなデータが必要なのです。これを私たちは『現場のテクスチャデータ』と呼んでいます。

どんなに優れた標準モデルがあっても、現場のデータとすり合わせなければ実運用には耐えられません。日本のエンドユーザー企業と深く連携し、現場に特化した賢いモデルを共同で構築していく。ここに、コンサルタントやエンジニアが活躍できる大きなアプリレイヤーのビジネスチャンスがあります」

伊丹氏も、日本経済を支える中小企業の機動力と特化型データに期待を寄せます。

伊丹氏:
「大企業では拾いきれないニッチなニーズに対して、きめ細やかに対応できるのは日本企業の強みです。大学の研究室や中小企業が現場と一体となり、特定領域に特化したデータを丁寧に収集して社会実装を目指す取り組みは、今後さらに加速していくはずです。私たちが目指すべきなのは、論文のための研究ではなく、本当に現場で使える技術の創出です」

「売り切り vs RaaS」——日本市場に刺さるビジネスモデルの最適解

withフィジカルAI時代のサービス設計

続いて、ロボットの導入形態である「売り切り(買い切り)型」と、サブスクリプションで提供する「RaaS(Robot as a Service)」のどちらが日本市場に適しているのか、という具体的なビジネスモデルの議論へと移りました。

IGP羽間は、これからの社会課題を背景に、単なる機体提供に留まらない「人間とロボットの協調を前提とした新たなサービス設計」の必要性を説きました。

IGP羽間:
「これからの時代は、人間とロボットが分離して作業するのではなく、『withフィジカルAI』 『withヒューマノイド』という生活・労働スタイルへと確実にシフトしていきます。

特に日本は世界に先駆けて人口減少と深刻な人手不足に直面しており、この流れは止めることができません。だからこそ、人間が本来注力すべきコア業務と、ロボットが代替すべき定型業務を切り分ける必要があります。

私は、将来的にはRaaS型が主流になると考えています。例えば、ロボットが基本料金の中で特定のタスクを遂行し、そこに人間が介在することでさらに高付加価値なサービスを提供するような設計です。あるいは、ロボットが不具合を起こして停止した際、人間が駆けつけるのか、それとも別のヒューマノイドが駆けつけてトラブルシューティングを行うのかによって、サービスレベルと価格帯が変わる。そうした『人間の価値を再定義するサービスモデル』こそが、日本市場において高い親和性を持つのではないでしょうか」

これに対し、村山氏からは事業開発の最前線におけるリアルな商習慣のギャップについて意見が述べられました。

村山氏:
「長期的にはRaaSの形に進化していくことに賛成です。しかし、足元の数年間において日本市場へ導入する際には、依然として売り切り・買い切り型のモデルを求められるケースが圧倒的に多いのが現実です。

多くの企業の稟議プロセスや固定資産の考え方として、『ロボット本体の価格』『保守メンテナンス費用』『ソフトウェアライセンス料』を明確に分けて計上する必要があります。売り手としては、最新モデルへの継続的なアップデートを見据えてRaaSで提供したいところですが、お客様の現在の購買プロセスに合わせ、まずは買い切りプランとオプションプランを柔軟に組み合わせて提案するアプローチが、導入のハードルを下げる現実的な解決策だと感じています」

大学などの教育・研究機関への導入においても同様の傾向が見られると、伊丹氏も頷きます。

伊丹氏:
「大学の予算管理の都合上、毎月費用が発生するサブスクリプション型よりも、一括での買い切り型の方が圧倒的に予算を通しやすいという事情があります。制度や商習慣の壁をどう越えていくかは、優れた技術を広く普及させるための大きな課題の一つですね」

これを受けてモデレーターの山本氏は、「補助金や助成金の制度設計そのものを、現状の技術進化のスピードに合わせて行政へ働きかけていくなど、業界全体で環境を整える越境的な動きが必要」と締めくくりました。
 

日本が勝てる技術領域と「異形ロボット」への進化

ルールベースとお家芸の融合が生む、圧倒的なアドバンテージ

技術面において、日本がグローバル競争の中でリードを保てる領域はどこにあるのでしょうか。山本氏の「諦めるべき領域と、勝ちにいくべき領域」という問いかけに対し、村山氏は日本の技術的な強みを構造的に分析しました。

村山氏:
「私たちが着目すべきなのは、『従来のルールベースのロボティクス技術』と『最先端のラーニングベースのAI技術』の融合です。

現在、生成AI領域で活躍しているエンジニアの多くはソフトウェアのAI制御に特化していますが、実世界でハードウェアを精密に動かすための制御技術(ルールベースやモーションプランニング)に関しては、長年の蓄積がある日本企業に一日の長があります。

映像認識だけで動かすアメリカや中国のAIベースの手法に対し、日本がこれまで培ってきた力制御や触覚センサーなどの要素技術を組み合わせることで、ネジ締めのように細やかで繊細な作業を極めて高い精度で実行できるようになります。この『ミッシングピースを埋める技術の融合』こそが、日本のエンジニアにとってチャレンジすべき領域だと思います」

IGP羽間も、ハードウェアとソフトウェアを深くすり合わせるプロセスの重要性をコンサルタントの視点から語りました。

IGP羽間:
「先ほど申し上げたように、スピード勝負の大量生産ハードウェアは他国に譲るとしても、特定の複雑なユースケースに完全に適応した、高品質で壊れにくいハードウェアの開発や、そこに付随する高度な制御ソフトウェアの設計において、日本は依然として世界トップレベルの技術力を持っています。

さらに、デジタルツインの構築に必要な、物理現象の正確なシミュレーションや一次データの分析など、『深く掘り下げる技術アプローチ』は日本企業が最も得意とする領域です。技術を特定のユースケースに深く適応させていくことで、真に現場で機能する唯一無二のソリューションを生み出すことができるはずです」

産業用ロボットは「人型」であるべきか?用途による形状の分化

議論はさらに進み、山本氏から「そもそも超効率的なタスク処理を追求した際、ロボットは本当に人間と同じ形状(人型・2本腕・関節数)であるべきなのか」という、ロボットの本質に迫る問いが投げかけられました。

IGP羽間:
「人型である必然性は、タスクの効率性だけを考えれば実は必ずしもありません。ただ、現在の実世界のインフラ(道路、階段、ドアノブ、作業台など)のすべてが、人間の身体サイズや行動パターンに合わせて設計されています。だからこそ、人間中心に作られた環境でそのまま動かすためには、人型であることが現時点で最も合理的なのです。

したがって、人間と空間を共有してコミュニケーションを取りながら働くロボットは、より親しみやすい『人型』として洗練されていくでしょう。一方で、人間と関わらずに裏方の倉庫などで働くロボットについては、腕が4本あっても、全く異なる異形の形であっても構わないと考えています」

村山氏、伊丹氏も「コミュニケーション領域と裏方の作業領域で、ロボットの形状は二極化していく」との見解を示し、技術が適用される環境と目的に応じた多様なロボット形態の共存という未来像を共有しました。
 

これからの「ロボット×AI」人材の条件とキャリアの可能性

既存の枠組みを壊し、ビジネスとテクノロジーを「越境」する

セッションの最終テーマは「人材の育成と獲得」です。ロボティクスとAIの双方を理解し、さらにそれを現場のビジネスへと接続できる人材は、日本国内でも極めて稀少です。このような「越境型人材」をどのように育て、組織としてどう惹きつけていくべきなのでしょうか。

長年コンサルティングファームの現場から、ビジネスとエンジニアリングの橋渡しを担ってきたIGP羽間は、次世代の人材に求められるマインドセットについて熱く語りました。

IGP羽間:
「これまでの時代は、メカニカルエンジニアはメカのことだけ、AI(ML)エンジニアは機械学習のことだけ、コンサルタントはビジネスのことだけ、というように職能が細分化されていました。しかし、その結果として『テクノロジー側が現場の事業課題を理解できず、逆にビジネス側は最新技術の制約がわからないため、お互いに衝突してしまう』という事態が頻発していました。

今まさにAIやヒューマノイドが社会実装されるフェーズにおいて最も求められているのは『職能や立場の壁を軽やかに越えていく越境型の人材』です。

最新のAIや生成AIという強力な武器を自分自身の専門領域(ビジネス・ハード・ソフト)に取り込みながら、相手の立場や現場の困りごとを深く理解し、対等に議論できること。そのようなマインドを持った人材が育つことで、初めて技術は現場に価値をもたらします。イグニション・ポイントが目指しているのも、まさにこうしたテクノロジーとビジネスの壁を壊し、クライアントと共に新たな価値を創出できる環境の提供です」

若手人材の可能性と、大人が整えるべき環境

大学で最先端の研究と学生の指導に当たる伊丹氏からは、教育現場における課題と変化について意見が述べられました。

伊丹氏:
「大学における従来の教育は、文系と理系の分離に始まり、学科の細分化、さらには特定分野を極める研究室の文化など、良くも悪くも専門性を限定しがちでした。

しかし、現代の学生たちは私たちが思っている以上に優秀で、生成AIなどのツールを自由に使いこなし、驚くほどのスピードで情報を吸収し、多様な関心を持っています。これからの時代を生きる若い世代に必要なのは、一つのことだけを深く掘り下げるアプローチに加え、多様な情報を柔軟に捉えてつなぎ合わせる視点です。

大人がやるべきことは、彼らを既存の型に無理やりはめ込もうとすることではありません。若者たちの『やりたい』という自由な発想や情熱を制限せず、それを全力で後押しし、挑戦できる環境を整えてあげること。それさえできれば、日本の技術と未来は自然と力強く育っていくはずです」

村山氏も若手人材のトレンドについて明るい見通しを語り、キャリアを考える参加者に向けて力強いメッセージを送りました。

村山氏:
「私たちの会社にも、世の中のトレンドに非常に敏感で、高いポテンシャルを持った優秀な若者たちがインターンとして参加しています。彼らは『生成AIの次の大きなトレンドは、間違いなくロボティクスと実世界への適用である』ということを本能的に見抜いています。

これまでロボット業界は受け皿となるスタートアップや事業の選択肢が少なかったかもしれませんが、現在は基盤モデルの進化によって、私たちのようなソフトウェア主導のロボット企業が次々と生まれています。大きなうねりが始まっている今、情熱を持った若者がこの産業に挑戦し、自らの価値を証明できる環境は確実に整いつつあります」

ヒューマノイドロボット産業に投げかけるメッセージ

セッションの締めくくりとして、登壇者の3氏からこれからのロボット産業を支える方々に熱いメッセージが送られました。

伊丹氏:
「私たちはこれからも、『現場にとって本当に必要なものづくりとは何か』を突き詰め、社会実装にこだわった研究を続けていきます。また、学生たちが持っている無限の可能性を引き出し、自由に挑戦できる教育環境をつくっていきます。産学連携や共同開発を通じて、新しい産業の創出に貢献していきたいと考えています」

村山氏:
「私たちはAIとロボティクスを融合させ、これまで自動化が不可能とされていた現場の課題を解決するソフトウェアを提供し続けていきます。今まさに現場で技術を実装するための共同開発や実証実験を進めておりますので、ぜひ皆さんと共に、現場の未来を変えるチャレンジをしていきたいです」

IGP羽間:
「私たちが日常的に行っているのは、単に最新のAIを導入することではなく、『AIやロボットを通じてお客様のビジネスの稼ぎ方を再定義する』ということです。

どんなに素晴らしい食材(技術)があっても、それを美味しい料理(ユースケース)に仕立て上げる料理人がいなければ、人々に価値を届けることはできません。そして、その価値提供のプロセスこそが、日本企業が最も強みを発揮できる領域であり、コンサルティングファーム出身者やAI人材が自らの腕を試せる最高のステージです。イグニション・ポイントでは、こうしたビジネス、AI、そして現場の越境に本気で挑戦したい仲間を求めています」

日本のロボット産業は、単なる「製造業」からデータと業務プロセスをデザインする「付加価値産業」へと進化しようとしています。そこには、従来の枠組みを越えて社会課題の解決に挑む、すべての挑戦者たちを惹きつける、無限の可能性と面白さが広がっていると言えるのではないでしょうか。

イグニション・ポイントは「イノベーションとテクノロジーで日本をゆたかにする」をビジョンに掲げ、ゆたかな社会と未来を創造するため挑戦を続けていきます。

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<STAFF>
制作・撮影…小山田 泰祐

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