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JALのカレーは美味しいけど、たまにスルーする

「ビジネストラベルする僕の “A350の夕食とラウンジ飯” のゆるい話」

仕事柄、国際線に頻繁に乗る。そしてラウンジにもよく通う。
だけど──JALのラウンジのカレーは、ほとんど食べない。

理由はシンプルで、「今日はいいかな」と思う日が多いだけだ。
もちろん、悪く言うつもりはまったくない。
むしろ“安定している”という意味では、とても頼もしい存在だと思う。

ただ、どうしてもこう思う瞬間がある。
「せっかく日本に来たのに、今日はカレーじゃなくてもいいかな」

そんな、ほんの軽い気分の話。
肩の力を抜いて読める“ゆるいカレー話”として受け取ってもらえたら嬉しい。


■ 世界には“思わずニヤッとする味”がある

たとえば……

キャセイ航空のラウンジのシャンタンスープ。
繊細さと複雑さが絡み合い、港の風景の記憶をふっと呼び戻す。
湯気を吸い込むと「ああ、香港だ」と確かに感じる瞬間があります。

カタール航空ラウンジの羊の串焼き、ザルブ。
ベドウィン文化の残影、塩気とスパイスの香ばしさが絶妙で、
遠くまで来たんだな、と旅のスケールがふっと広がる一口。

どれも“その土地の記憶”がふわっと立ち上がり、「わっ、良いな」と思わせる味なのです。


■ 正直なところ、JALのカレーは“ちょうどいい” けれど…

一方でJALのカレーは、
「あ、今日はこれね。うん、ありがとう。安定して美味しいよね。」

どこか“最高の給食のカレー”みたい。
良くも悪くも“落ち着いた家庭の安心感”。

僕の好きな新宿中村屋のレトルトカレーの味によく似ていて、十分美味しい。
そこに不満はありません。

でも、ふと比較して思うんです。
世界のレストランは、物語を語り始めています。築地の吉野家も、博多ラーメンも、その街を語る物語です。
そして、空港のラウンジも例外ではありません。


■ だけど、英国の不味いカレーには敵わないかもしれない….

ヒースローで出てくる BA のカレーを口にすると、いつも少し笑ってしまう。

決して「美味しい」というものではない。
けれど、ミントに包まれたカレーの風味には、英国らしい軽さと、過ぎ去ったコロニーの気配がある。

「これはこれで英国だなぁ… 英国でしか食べられないなぁ…」と、つい心の中でつぶやいてしまう。

BA のカレーには、“味”というより、“かつてそこにあった時間”がふっと立ち上がる。
英国という国の歴史の影も光も、どこかやわらかく混ざり合っている。


■ 日本のカレーの本当の素晴らしさ

そのたびに、少しだけ切なさが胸の奥に浮かぶ。
JAL のカレーは、美味しい。
けれど、物語の輪郭がどこか薄い。

本当は、日本のカレーにも深い時間の層がある。
ハイカラな英国から、海の男たちが持ち込んだ料理が、家庭の台所に根付いた。
明治時代の記憶と家族の記憶が同時に刻まれた、豊かな物語をもつはずの料理。

けれど、ラウンジに来ると途端に、
みんなが無難に食べられる、「たしかに美味しい味」へと縮こまってしまう。


■ 名物扱いされる理由は案外シンプル

難しい分析は不要です。
みんなが楽しそうに食べているから名物になる。
ただそれだけです。

「美味しいから」ではなく、「食べるとなんだか嬉しいから」。
その空気感が名物をつくることもあるのです。

それがそれで正解。

でも正直に言うと──
僕は、JALのカレーは少し苦手です。
嫌いとまでは言わないけれど、「うん、今日はいいかな」と思う日が多い。

みんなが楽しんでいるのを否定する気は全くなく、
むしろあの雰囲気こそ名物の本質なのだと思うからこそ、
そっと距離を置いている、そんな感じです。


■ おわりに:名物より、自分の舌が喜ぶものを

JALカレーを食べない理由は偉そうなものではなく、単なる“好み”の問題です。
美味しいものくらい、自分の舌で選びたい。

名物に縛られず、話題に流されず、
その日の気分と直感に従う。それだけのこと。

旅の前の小さな自由は、案外こんなところに宿っているのかもしれません。

……さて今日は、何を食べようか。
その“迷い”すら、旅の楽しみです。


■ おまけ:実はこっちの方が好きなだけなのです

JALの機内食の和食はとてもよくできています。
──特に前菜は、ピノ・ノワールにとてもよく合います。

さまざまな日本の素材を少しずつ楽しませてくれて、
旅のはじまりに赤ワインを少しだけ、という時にちょうどいい相性。

思わず頬がゆるむ組み合わせです。
正直、僕はこっちの方が好きなんです。……ええ、酒飲みなので。

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