「本因坊予選A(仲邑菫二段対河野臨九段)のちょとした棋譜解説」
こんにちは。IGOcompany-Uです。
久々に棋譜解説をしたいと思います。
まあ、僕が偉そうに解説するのはオソレオオイので、
こういう考え方もあるんだなと思って読んでいただければ幸いです。
前に、
「【囲碁】第60期十段戦第2局のちょっとした感想」や、
「SENKO CUPワールド碁女流最強戦決勝のちょっとした感想」
を書いてみましたが、意外と読まれていますね。
拙い棋譜解説ですが、
少しでも参考になれば嬉しいです。
今日解説する棋譜は、
ついこの間、
2022年の5月2日(月)に打たれた対局で、
第78期本因坊戦予選A
黒が仲邑菫二段、白が河野臨九段の碁です。
僕が勉強不足なだけかもしれませんが、
ダイレクト三々からの新しい工夫を知ったので、
それも含めて紹介したいと思います。
ちなみに、ダイレクト三々については、簡単にですが、
こちらでまとめています。
では、
棋譜を見ていきましょう!!

左上隅、黒5のカカリにコスミツケは、
昔だったら二立三析の好形を与えてしまうから駄目だと言われてたんですが今は普通に打たれています。
右下隅、白10とダイレクト三々。
ここからが、この碁のポイントです。
通常なら白16でいったん先手で切り上げ、後にAのノビやBのハネを考えるんですが、
仲邑菫先生はすぐにハネで形を決めにいきました。

通常であれば、黒13までが定石です(白8は黒1の場所にツギ)。
黒は後にAのツメが狙いになります。
白もそれが嫌な時は、ケイマや二間にヒラいたりしますね。
芝野虎丸先生が名人戦(だったような気がするんですが)で、30手目くらいで井山先生相手に、すぐツメて打っていたような気がします。
最近、並べた棋譜もすぐに忘れてしまうので自信がないのですが(笑。
で、
この形の黒13はシチョウが良い時の打ち方なんですが、
こういう風にシチョウにカカエて打てれば、
黒が悪くないと言われていました。
そんなワケなので、
白の河野臨先生の工夫が、

白28のハネ!
おぉ、こういう打ち方もあるのかと思ってAIにかけてみると、
この後はAIが示す通りに進んでいました。
ちなみに、

黒31に、白がAと逃げる手が成立するんじゃないかなと、
ふと思ったりしたんですが、

俗にアテていったとしても、隅の白が置いてきぼりになるので、
白は幸せにはなりません。

という事で、白32から黒37までAIが示す通り進み、
ここで白はAと逃げる一手なのかなと思って見てみると、
白38は右上隅の三々入り。
これに対して、黒は、白8白36の切っ先がノビているので、
二段バネの定石で隅を確保しにいきました。
黒41と「二目の頭」をハネる手は、
昔だったら良い手だったのですが、
今は二段バネで隅が欲しい時くらいしか打たれなくなりましたね。
ただ、
二段バネの定石は後手を踏んでしまうので、
例えば、ノビとから先手を取って、

黒3と打ち、白△の三子を取っているのもあったとは思います。
僕だったらこう打ちそうです。
まあ、仲邑菫先生が打たなかったって事は、この図は悪いと見たんだと思います。
この白△の三子の扱いが、この碁の焦点で、

白も50と左下隅をシマリ、Aと取ってくださいと扱います。

黒も51で取らずに、それだったらと、
白は52と逃げ出して中盤の戦いが始まりました。

白62が頑張った手だなと思いつつ、
黒は中央の石への攻めを狙います。
黒67のツケから、黒69が参考になる手筋で、
黒は、中央の白の一団に対するモタレ攻めを狙うんですが、
白は70と隅を差し上げて中央の強弱を重要視しました。
河野臨先生の素晴らしい形成判断だなと。
僕だったら隅大きいなと思ってしまいますね。
この辺りから、もちろんまだまだ難しい碁ですが、少し白が優勢になっていったんだと思います。
最後に、
ちょっと気になったのは、

黒79のアテで、
これを打たずに単に黒81にツナギを打った方が良かったんじゃないかなと思ったりしましたね。
こういうアテは、昔に囲碁を覚えた人だったら、
打たないのが滋味深いみたいな感覚があるんですが、
決めた方が良い場合もありますし、難しいです。
以上が、
「本因坊予選Aのちょとした棋譜解説」
でした。
ツラツラと拙い解説だったとは思いますが、
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
おまけ
東京、神奈川で囲碁を教えています。
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