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加算名が変わったのに、様式には「医療DX」が残っている。令和8年度改定で迷いやすいポイントを整理しました

令和8年度の診療報酬改定で、医療DXに関係する加算の整理のされ方が、少し変わりました。

外来では、これまでの「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止されて、新しく「電子的診療情報連携体制整備加算」が設けられた、という再編が行われています。一方で、在宅と訪問看護のほうは、「在宅医療DX情報活用加算」「訪問看護医療DX情報活用加算」のように、名称の中に「医療DX」が残っている加算もあります。

ここが、実務でけっこう混乱しやすい部分だと感じています。

「医療DX推進体制整備加算は名前が変わったらしい」とだけ覚えてしまうと、つい、在宅や訪問看護まで同じ感覚で考えてしまいそうになります。でも、領域ごとに整理のされ方が違うので、ひとまとめにすると後で見直しが必要になることがあります。

さらに、外来の加算名は「電子的診療情報連携体制整備加算」に変わっていても、届出様式の中には「医療DX推進の体制に関する事項」という文言が残っていたりします。ちょっとややこしい状況です。

つまり、加算名だけを見ても、ホームページに何を載せればいいのかがすぐには判断しにくい。ここが、令和8年度改定の医療DX周りでいちばん厄介なところだと感じました。

この記事では、外来・在宅・訪問看護それぞれの整理の違いと、ホームページ掲載要件のあたりを、自分の備忘も兼ねて整理しています。

なお、これはあくまで現場で確認するときの整理メモです。実際の届出や算定にあたっては、最新の告示・通知・疑義解釈、そして管轄の地方厚生局の届出様式・届出一覧を、必ずご自身でご確認ください。改定直後は通知の追加や様式の差し替えもあり得るので、自院で動くときは一次資料に当たるのが安心だと思います。


先に結論

整理してみると、ポイントは大きく3つでした。

1つ目は、外来では「再編」があった、ということ。 「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止されて、新しく「電子的診療情報連携体制整備加算」が設けられた、という整理のされ方です。「名称変更」というよりも「再編」というニュアンスのほうが近いように感じます。

2つ目は、在宅と訪問看護では、「医療DX」を含む加算名が今も残っているものがある、ということ。 在宅の「在宅医療DX情報活用加算」、訪問看護の「訪問看護医療DX情報活用加算」は、令和8年度でも続いています(要件の見直しなどはあり得るので、最新の通知での確認が必要です)。

3つ目は、外来の加算名が新しくなっても、届出様式や掲示要件の中に「医療DX推進の体制に関する事項」という文言が残っている、ということ。 たとえば、地方厚生局の届出様式(基本診療料の様式1の6あたり)には、医療DX推進の体制に関する事項について、見やすい場所への掲示やウェブサイトへの掲載がなされているかを確認する項目があります。

まとめると、

  • 「医療DX」という言葉が、加算名や様式から全部消えたわけではない

  • 外来・在宅・訪問看護で、正式名称と様式は分けて確認したほうがよい

ということになります。

「医療DXは全部名前が変わったらしい」と覚えてしまうと、たぶんどこかで噛み合わなくなります。


外来で変わったところ

外来でまず確認したいのは、加算名そのものです。

令和8年度の改定では、医療DX関連の評価として「電子的診療情報連携体制整備加算」が新しく設けられています。 ここで混乱しやすいのが、これまでの加算名との関係です。

これまでは、

  • 医療DX推進体制整備加算

  • 医療情報取得加算

という名称を見慣れていた方が多いと思います。

令和8年度の改定では、この2つが廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が設けられた、という整理になっています。 「名前が変わっただけ」というよりは、評価軸そのものを「導入の体制」から「実際に情報連携をしているか」のほうに寄せた再編、というイメージで読むほうがしっくりきました。

名前だけ見ても、印象はかなり変わります。 これまで前面に出ていた「医療DX」というキーワードよりも、「電子的診療情報連携」という言葉が中心に来ています。

そのため、院内資料やホームページ掲載文を作るときは、旧名称のまま残っていないかに注意したいところです。

たとえば、令和8年度の改定後の外来について書く文章で、 「医療DX推進体制整備加算に関する掲示」 とそのまま残ってしまっていると、正式名称とのズレが出てしまいます。

もちろん、患者さんに伝わりやすくするために、必要に応じて旧名称に触れること自体は悪くないと思います。 ただ、院内向けの実務資料では、

電子的診療情報連携体制整備加算(旧・医療DX推進体制整備加算等)

のように、正式名称を優先しつつ、補足で旧名称を入れる形にしておくと、後から見返したときに迷いにくいかなと感じています。


でも、届出様式には「医療DX推進」の文言が残っている

ここが、今回いちばん実務で迷ったところです。

外来の加算名は「電子的診療情報連携体制整備加算」として整理されているのに、届出様式を見ると「医療DX推進の体制に関する事項」という文言がちゃんと残っているんですよね。

地方厚生局のサイトに掲載されている基本診療料の様式1の6(別添7)あたりを見ると、おおむね次のような確認項目が並んでいます(細かい表現は様式の改定で変わる可能性があるので、自院に該当する最新の様式を必ずご確認ください)。

  • 医療DX推進の体制に関する事項及び情報の取得・活用等について、見やすい場所に掲示しているか

  • 上記について、ウェブサイトへの掲載を行っているか

加算名は新しくなったけれど、掲示・ウェブ掲載で問われる内容には「医療DX推進」という言葉がまだ生きている、ということになります。

ここを読み飛ばしてしまうと、 「加算名が変わったから、もう『医療DX』の文言は不要なのかな?」 と早合点してしまいそうになります。 でも、様式上は「医療DX推進の体制に関する事項」という言葉で書かれていて、その内容を掲示・掲載しているかが問われている形です。

つまり、ホームページ掲載文を整えるときは、加算名だけを根拠に判断せず、届出様式のチェック項目と照らし合わせて書いていく、というステップが必要になります。

私が見るときに意識しているのは、次の3つを横並びにすることです。

  • 加算名は、最新の正式名称になっているか

  • 届出様式で問われている文言を、掲示・ウェブ掲載に反映できているか

  • 様式でチェックした内容と、実際の掲載内容にズレがないか

地味な作業ですが、ここを揃えておくと、後日「あれ、これどっちの加算の話だっけ?」とならずに済む感じがあります。


在宅はどうか

次は、在宅です。

在宅は、外来と同じ感覚で「医療DXという名前はもう使われていない」と考えると、ちょっと危ない領域だなと感じます。

在宅には「在宅医療DX情報活用加算」という名称があります。 つまり、名称の中に「医療DX」が残ったままです。

この時点で、外来とは別の引き出しに入れて考えたほうがよさそう、ということになります。

在宅医療DX情報活用加算の届出様式でも、医療DX推進の体制に関する事項や情報の取得・活用等について、見やすい場所への掲示やウェブサイト掲載に関する確認項目があるとされています。 (こちらも、実際に届出を出すときには、自院に該当する最新の届出様式と通知をご確認ください)

実務では、外来も在宅も同じ医療機関で扱っている、というケースが多いと思います。 そうすると、ホームページの「医療DXに関するお知らせ」を1ページにまとめて済ませたくなる気持ちは、すごくよく分かるんですよね。

ただ、加算名も様式も違うので、ざっくりまとめてしまうと、結局「これはどの加算の話?」になってしまいやすいです。

たとえば、

  • 外来:電子的診療情報連携体制整備加算

  • 在宅:在宅医療DX情報活用加算

として、最低限のラベルだけでも分けて書いておく。そのうえで、それぞれの様式で求められている掲示・掲載内容を確認していく。 こうしておくほうが、自院で見返すときも、患者さんに説明するときも、結局は早いなと感じています。


訪問看護も、けっこう混同しやすい

訪問看護は、名前の似ている加算が複数あるので、ここもややこしい領域です。

訪問看護では、

  • 訪問看護医療DX情報活用加算

  • 訪問看護医療情報連携加算

という、字面のよく似た加算があります。 どちらにも「情報」が入っていて、どちらもICTや連携のイメージが浮かびます。

でも、これは別物の加算です。 令和8年度の地方厚生局の届出一覧(訪問看護ステーション向け)でも、別項目として並んでいます(管轄の地方厚生局のページで、自分のステーションに該当する届出一覧と様式を、改定後にもう一度確認しておくと安心です)。

イメージとしては、ざっくりこんな整理になります(細かい要件・点数・回数制限は最新の通知でご確認ください)。

  • 訪問看護医療DX情報活用加算 → 診療情報や薬剤情報を、オンライン資格確認等システムを通じて取得・活用する、というDXの活用面を評価する方向

  • 訪問看護医療情報連携加算 → ICTを使って、医療機関の医師、保険薬局の薬剤師、ケアマネ、管理栄養士などと診療情報を共有しながら、計画的な訪問看護を行う、という多職種連携の実績を評価する方向

「DX」と「情報連携」を、同じ引き出しに入れない。ここが、訪問看護では特に大事だなと感じています。

現場では、名前が似ていると、つい同じフォルダにまとめたり、同じチェックリストで管理したくなります。私もそうなりがちです。 でも、届出様式が違うのなら、確認すべき要件もそれぞれ違います。

特にホームページ掲載が絡む項目では、「どの加算の要件としてこの文章を載せているのか」を最初に分けて整理しておかないと、後から見直すときに迷いやすくなります。

訪問看護ステーションでは、

  • 訪問看護医療DX情報活用加算の要件として必要な掲載なのか

  • 訪問看護医療情報連携加算として確認すべき内容なのか

を、最初から別管理にしておくのが、結果的に楽な気がしています。

名前の似ているものほど、あえて分けて管理する。 地味なんですが、実務ではここが効いてきます。


実務で確認したいポイント

ここからは、院内資料やホームページ掲載文を整えるときに、自分の手元のチェックリスト代わりに見ている項目です。参考になりそうなところだけ、拾ってもらえると嬉しいです。

1. 正式名称まわり

令和8年度改定後の文書なのに、古い加算名のまま残っていないか。 特に、前年度のテンプレートを下敷きに作っている場合は、置き換え漏れが起きやすいと感じます。

  • 「医療DX推進体制整備加算」のままで止まっていないか

  • 「電子的診療情報連携体制整備加算」と書くべき箇所が、旧名称になっていないか

最初にここを揃えておくと、その後の作業がずいぶん楽になります。

2. 届出様式との一致

ホームページに載せた内容が、届出様式で「掲示・掲載している」と答えた内容と噛み合っているか。

たとえば、様式に「医療DX推進の体制に関する事項及び情報の取得・活用等」という文言があるなら、その趣旨を反映した文章が、掲載文の中にちゃんと入っているか。

加算名だけが書いてあって、求められている体制や情報活用の中身に触れていない、という状態だと、後で読み返したときに「これだけで足りているのかな?」と不安になります。早めに整えておきたいポイントです。

3. 外来・在宅・訪問看護を一括で扱っていないか

  • 外来:電子的診療情報連携体制整備加算

  • 在宅:在宅医療DX情報活用加算

  • 訪問看護:訪問看護医療DX情報活用加算、訪問看護医療情報連携加算 など

加算名も様式も違うので、「医療DX関係でひとまとめ」にしてしまうと、現場では便利に見えても、届出や掲示の確認では分かりにくくなりがちです。 ラベルだけでも領域ごとに分けておく、というのが、結果的にいちばんの時短になる印象があります。

4. 「ホームページがない場合はこの限りでない」のような注意書き

ウェブ掲載要件を見るときは、「掲載が必要」とだけ読まずに、例外規定や注意書きまで含めて確認したいところです。ホームページの有無や、要件の段階によって、求められる対応が変わる可能性があります。 ここは、最新の様式や通知で実際の文面を確認するのが安心です。

5. 古いテンプレートの使い回し

実務では、ゼロから書くより、前年の文章を下敷きにしてリライトすることのほうが多いと思います。それ自体は、作業負担を減らすためにとても大事です。

ただ、令和8年度改定のように再編が入ったタイミングでは、コピー元の文章が古いまま残ってしまうリスクは、どうしても上がります。「去年もこれで通っていたから」という感覚のままだと、正式名称や様式とのズレに気づきにくいんですよね。

なので、今回は、

  • 正式名称

  • 届出様式

  • ホームページ掲載文

この3点セットで照らし合わせる、というステップだけ意識しておけば、致命的なズレはだいぶ防ぎやすいと思います。


まとめ

整理してみると、ポイントは次の3つでした。

  • 外来:医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算が廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算に再編されている

  • 在宅:在宅医療DX情報活用加算は、名称はそのままで存続している(要件の見直しはあり得るので、最新の通知で確認)

  • 訪問看護:訪問看護医療DX情報活用加算と訪問看護医療情報連携加算は、別の加算として整理されている

そして、「医療DX」という言葉自体は、加算名や届出様式から全部消えたわけではない、ということが今回のキモでした。

実務で迷ったら、

  1. まず正式名称を確認する

  2. 次に、届出様式のチェック項目を見る

  3. 最後に、院内掲示やホームページ掲載文がそれと噛み合っているかを確認する

この順番で見ると、頭の中がだいぶ整理しやすくなる気がしています。

改定の時期は、ただでさえ確認することが多くて、現場はバタバタしますよね。 全部を一気に理解しようとしなくても大丈夫だと思います。

まずは、外来・在宅・訪問看護を分けて見る。 そのうえで、正式名称と届出様式をセットで眺めてみる。 それだけでも、迷いはずいぶん減らせるはずです。

なお、繰り返しで恐縮ですが、この記事は私自身の整理メモがベースです。 実際の届出や算定にあたっては、最新の告示・通知・疑義解釈、そして管轄の地方厚生局の届出様式・届出一覧を、必ずご自身でご確認ください。

少しでも、改定対応の整理のヒントになっていれば嬉しいです。


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