『レモンと殺人鬼』感想
くわがき あゆ 著『レモンと殺人鬼』を読みました。
『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞した作品です。
私はミステリーを読む機会があまりなく、他の作品と比較して語ることができないのですが、この作品に関しては文章の読みやすさがずば抜けているなという印象でした。
途中で休憩を5分挟み、2時間で一気に読み終えました。
ものすごく読みやすかったです。
文章が読みやすいというのは、一点だけデメリットもあるなと感じました。
あまりにスラスラと読めてしまったため、読み終えた後、印象に残ったシーンがあまり多くなかったのです。
これは一気に読んじゃったせいもあると思います。
ストーリー終盤の展開に関しては、「ものすごい力業でねじ伏せてきたな」という感想です。
ミステリーというのは2回読むことが推奨されます。
1回目は、とにかくストーリーを追いかけて、推理しながら読む。
2回目は「あっここで騙されたのか!」と答え合わせするために読む。
1回読み終えてからもう一度読み直すと、「なるほどここか」と叙述トリックが行われている箇所がはっきり分かります。
「トリックを見破れなくて悔しい!」というよりは、「なるほどそういうことね、そりゃ騙されるわ」という思いです。
登場人物はそこまで多くない方だと思います。
海外小説のように、人物を覚えるのが大変ってことにはならないかと。
「あれ? もしかしてあの人物とこの人物ってもしかして……?」と推理すると……いや、詳しくは本書を読んでのお楽しみということで。
とにかく誰が味方で誰が敵なのか分からなくなります。
「ストーリーが二転三転四転五転する」という宣伝文句の通り、終盤の怒涛の展開は「そこまでするか!?」とツッコミが追いつきません。
読むのにすごく時間のかかる本というわけではないので、気になる方は気軽に手に取ってみてはいかがでしょうか。
