【ずっと愛して、いつまでも愛して】
『あるDonutsの物語』
『わたしはDonutである。まだ酒を呑んだ事はない』
送別会の会場は、イタリアンみたいだった。
箱の中にいるから、料理はよく見えない。
会話と匂いでそう感じた。
私たちは、こういう場の「プレゼント」にしては結構イケてる方だとおもう。
だって、社長がひとつひとつ、丁寧に作ってくれているのだから。
よー、シャンシャン
もひとつ、シャンシャン
よー、シャシャン、シャン
一本締め「博多手一本」が終わると、あたし達は彼に手渡された。
私たちを買ってくれた女性は、涙ぐんでいたみたいで、鼻をすする音がした。
彼は、お辞儀を何度も繰り返していた。手提げ袋は、何度も揺れている。
まったく仕事は、誰にとっても大変なものだと思う。
彼は、静かなバーに寄ると、紙袋をバーテンダーに渡した。
嗚呼。私たちは、少々がっかりした。期待に応えること無く、一生を終えるのだろうか。
ひょっとしたら、明日の朝にはゴミ箱へ捨てられてしまうかもしれない。
みんな切なく悲しそうな顔をしている。目をあわせて覚悟を決めた。
数杯、彼はカクテルを呑むと、お勘定をすませて紙袋を受け取った。
私たちは、とりあえず一安心する。
一人はあまりの緊張から気が緩んで、そのあとタクシーで寝落ちしてしまった。
彼の家へ帰宅して、洗面所で手を洗う音が聞こえてきた。コーヒーを淹れる音がして、いい香りが漂ってくる
みんなキレイに並んで、身支度をしている。
箱がゆっくりと開いて、部屋の灯りが射し込んできた。
彼は、あたしを最初に選んで取り出すと、白い小皿に置いて包み紙を丁寧に広げる。
とっても嬉しそうな顔をしているのが、目の前に見えた。
みんな悦びの歓声をあげて、本来の役割を果たせる事に感謝している。
深夜の〆が、ラーメンでも無く、うどんでもなく、私たちだったことを。
そして、心から私たちDonutsを愛してくれていることを。
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愛と、勇気と、友情と
ケンジーズ・ドーナッツ
Made in dream factory at HAKATA /JAPAN
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noteを書き始めたきっかけとなったのはコレでした。
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