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50代IT公務員が、仕事を卒業する前に放送大学を卒業した話

お読みいただきありがとうございます。

仕事を卒業する、つまり定年退職を迎える前に、私はもう一つの「卒業」を迎えました。それは、放送大学の卒業です。

実は私は、仕事をしながら二部(夜間)の大学に通っていましたが、前職が忙しくなり、3回生で辞めてしまいました。大学を卒業できなかったことは、長年の小さな心残りでした。そんな私が、インターネットやTVでいつでも自由に学べる放送大学で、ついに大卒の資格を手にするまでのお話をしようと思います。

今回は、定年前の公務員だった私が、仕事と両立しながら大学を卒業した実体験と、社会人になってからの学びの楽しさ。そして「大学を卒業したかったけれど、諦めてしまった」という方に、いま放送大学をお勧めしたい理由について書いてみたいと思います。


20年前の挑戦と挫折

大学を辞めてからも、なんとか学びを続けていきたくて、通信制大学なども試みましたがなかなか上手くいきませんでした。

そんな中、実は私は放送大学に一度入学しています。 1996年10月に専科履修生として入学し、1998年10月に全科履修生(産業と技術専攻)として、以前通っていた夜間大学の単位も認定してもらい、第3年次に編入学しました。

ただ、当時は今と違って場所と時間に大きな制約がありました。CS放送での授業も始まってはいましたが、基本的には学習センターへ行って、CDやビデオを視聴する必要があったのです。単位認定試験も、わざわざ学習センターへ足を運ばなければ受験できませんでした。

結局、2000年度の1学期まで在学したものの、合計で3科目6単位しか取得できませんでした。当時は、IT業界全体が「西暦2000年問題」へのシステム対応等で大忙しだった時期。仕事の激務も重なり、次第に足が遠のいてしまいました。

保育士試験の会場でつながった、20年ぶりのバトン

前職には高卒として採用されていましたが、実際のところ、働いている間は「大学を卒業していないこと」を意識することは全くありませんでした。しかし、定年を目前にして、ふと「このままで良いのだろうか」という気持ちが沸き起こってきたのです。

そんな時、あるものが目に留まりました。 記憶はおぼろげですが、確か保育士試験の会場だったと思います。そこでたまたま手に入れていた、放送大学のパンフレットでした。 「かつて在学していたときの単位は、一体どうなっているのだろう」 そう思い、事務局へ問い合わせてみたのです。

すると、嬉しい答えが返ってきました。 前回在籍中に取得していた単位は今でも有効で、再入学すればそのまま認定されるというのです。卒業要件までは、あと「56単位」。

これまで取得した単位が無駄にならず、卒業できるかもしれないと分かった瞬間、「定年までになんとか卒業したい!」という想いが溢れ、いても立っていられなくなりました。こうして私は、約20年ぶりに復学を決意したのです。

出願の締め切りが近づくとわざわざ連絡をくださるなど、親切に対応してくださった事務局の方、お名前は分かりませんが、本当に感謝しています。

オンライン化の追い風と、28科目52単位の無謀な決意

さらに、コロナ禍を挟んで放送大学のオンライン化が急速に進んでいたことも、情報系の仕事をしていた私にとって大きな追い風となりました。 インターネットで24時間いつでも受講できるようになり、通信指導や単位認定試験も自宅のパソコンから受けられる。時間や場所の制約は、20年前とは比べものにならないほど無くなっていました。

「これなら、働きながらでもやっていけるかもしれない」

まずは試しにと、2022年度の2学期に全科履修生(心理と教育コース)の第4年次として再入学し、3科目6単位を登録しました。そして無事に単位を取得。

「よし、ここから一気に卒業まで行ってしまおう!」

そう決意し、残り50単位。万が一、落とす科目があっても大丈夫なようにと、2単位多く見積もり、2023年度の1学期に「28科目52単位」を一挙に登録してしまったのです。今思えば、少し無謀ともいえるチャレンジですが、当時の私は、定年までに絶対に卒業したい、という気持ちで一杯でした。

実際に届いた科目登録決定通知書。心理学、福祉、そして情報系……凄まじい科目の数ですね

スキマ時間を駆使したライフハック

どう見ても無謀ですよね。

半ば勢いで始めてしまいましたが、日中は仕事をしていて時間がないため、往復の通勤時間などの「スキマ時間」を徹底的に活用することにしました。

幸い、放送大学は音声だけの「ラジオ科目」と、映像のある「ビデオ科目」に分かれています。画面を見なくても大丈夫なラジオ科目は通勤中に聴き、ビデオ科目は休日に集中して視聴する、というように組み合わせました。

放送大学の授業は一コマ45分。2単位の科目であれば15コマあります。
ここで私が編み出したのが「1.5倍速」という技でした。1.5倍にしても内容は十分に聞き取れますし、一コマの時間を約30分に短縮できます。

ジョギングをしながら一コマ、洗濯物を干しながら一コマ、といった具合に、生活のあらゆるスキマ時間に授業を滑り込ませていきました。ちょうど、夏休みが取れる時期も重なり、まとまった勉強時間を確保できたのも幸いでした。家族はあきれていましたが、黙って協力してくれました。感謝、感謝です。

通信指導を経て迎えた、単位認定試験。
どちらもオンラインで受講でき、なかなか手強い科目もありましたが、幸いなことに一つも単位を落とすことなく合格。無事に卒業が決定したのです。

後日、学習センターで開かれた卒業式に参加し、学位記を授与されました。
仕事を卒業する前に、ずっと心残りだった大学を卒業することができた。人生の大きな宿題がやっと終わったような気がして、本当に感無量でした。

今回の話だけだと、大学を卒業するためだけに、ひたすら授業を受けたように思われるかもしれませんが、実際には、放送大学で学んだことで、将来にもつながる深い学びがありました。このことは、また改めてお話ししようと思います。

私が「放送大学」をお勧めしたい4つの理由

最後に、私が放送大学をお勧めしたい理由をお話ししようと思います。

私のように、既に働いているが大学を途中で辞めてしまったことを悔やんでいる方、大学に行きたかったけれど行けなかった方。または、受験資格や待遇のために「大卒」の資格を得たいという方もおられるかもしれません。そのような方達に、私は放送大学を強くお勧めします。理由は大きく4つあります。

1. 各科目の講義の質がとにかく高い
社会人となってからの学び直し、リスキリングには間違いなく最適の環境です。

2. 自宅など、普段の場所がそのまま大学になる
今は24時間、スマホやパソコンがあればどこでも勉強でき、試験もオンラインで完結します。20年前のような場所と時間の制約はありません。

3. 過去の遺産(単位)をそのまま引き継げる
もし途中で続けられなくなっても、次に再開するときに、それまで積み重ねてきた単位を引き継いでリスタートできます。過去の努力が無駄になりません。

4. 最長10年間在籍でき、自分のペースで学べる
定年を前にした私は1学期で52単位を修得するという無理をしましたが、そんなことをせずとも、じっくりと計画を立て、効率的な学びの技さえ掴めば、働きながらでも必ず卒業できます。

もし、この投稿を読まれて、かつての私のように「大学を卒業したかったけれど、諦めてしまった」という長年の心残りを抱えている方がいたら、ぜひ一度、パンフレットを取り寄せてみてください。

一歩を踏み出せば、何歳からでも人生の宿題を終わらることができます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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