オススメの新書10選
「新書」をご存知でしょうか。
「新書判(173×105 mm)」という縦長の判型で、さまざまな出版社から刊行されている本です。
新書は小説と違い、おもにノンフィクションの内容を扱います。専門分野のことも一般の人にわかるように書いた本が多くあり、手軽に教養を深めるのにオススメです。
これまでに私が読んできた新書の中から、特にオススメの10冊を紹介します。
①『日本語の歴史』
山口仲美(2006)岩波新書
言語学者である著者が「日本語の歴史」について綴った本。
日本の文字の発祥は、奈良時代のことで、中国から漢字が伝わった。「やまと言葉」と言われる日本古来の言葉に、無理やり漢字を当てはめて使用するになったのが、そのはじまり。
古典文学『源氏物語』などを紐解き、「話し言葉」と「書き言葉」のせめぎ合いという観点から、万人にわかりやすく解説されている。
②『進化しすぎた脳』
池谷裕二(2007)ブルーバックス
脳研究者である著者が高校生に向けて行なった講義をそのまま本にしたもの。最先端の高度な内容を初心者にもわかりやすく解説している。
サブタイトルに「最前線」とあるが、その内容は脳のしくみの「基礎」を重視した内容のため、年数が経っても古びない内容。図解も多く、難解な話もとっつきやすい。
③『ウェブはバカと暇人のもの』
中川淳一郎(2009)光文社新書
ネットニュース編集者だった著者が、日本のインターネットの実情について綴った本。日本のネットの歴史は、’90年代にはじまり、その頃のネットは一部の限られたマニアのものだった。黎明期のネット上でのやりとりは、内容的にも非常に高度なものも見られたという。
そこから四半世紀が過ぎ、誰もがネットを使えるようになった。結果、ネットはどのように変化したのかというと、タイトルのとおり、「バカと暇人」のものと化した。長らくネット業界に携わってきた著者がため息交じりに綴った敗北宣言。
④『働かないアリに意義がある』
長谷川英祐(2010)メディアファクトリー新書
進化生物学者である著者がアリの生態について綴った本。働き者のイメージが強いアリだが、群れの中には一定の割合で「働かないアリ」が存在する。その存在意義は「種の存続」に有利だからである。
本書を読むと「働かないアリ」ではなく、「働けないアリ」が正しい表現であることがわかるだろう。効率主義の働き者にこそ読んでほしい名著。
⑤『ウルトラマンが泣いている』
円谷英明(2013)講談社現代新書
著者は円谷英二(ウルトラマンの生みの親)の孫にして、円谷プロ6代目社長を務めた。本書では円谷プロ創業から、’07年の TYO 連結子会社化による円谷一族排除までの歴史が綴られている。
日本の特撮ドラマの歴史、アメリカでなぜ、ウルトラマンがウケなかったのか、などが綴られている。ちなみに、近年はアニメ版が世界で配信され、本書が書かれた頃とは実情が変わってきているところもある。
⑥『コンテンツの秘密』
川上量生(2015)NHK出版新書
「ニコニコ動画」で有名なドワンゴの創業者であり、スタジオジブリに入社した著者が「コンテンツ」について綴った本。
著者の定義では「コンテンツ」とは「現実世界の模倣」。この定義を証明するために、あらゆる分野の事柄を引き、解説している。中でもスタジオジブリでの体験は大きいもので、その舞台裏の秘密が圧巻。
⑦『読書する人だけがたどり着ける場所』
齋藤孝(2019)SB新書
教育学者である著者が綴った読書ガイド。「思考力を高める名著」「現代に必要な知識が持てる名著」「人生の機微に触れる名著」など、カテゴリー別に推薦図書を挙げている。難しい本をどのように読むかも、わかりやすく解説。
⑧『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』
塙宣之(2019)集英社新書
漫才師である著者による漫才の解説。漫才の歴史を紐解き、その秘密に迫る内容になっている。タイトルにあるように、「なぜ関東芸人は M-1で勝てないのか」そこには理由があった。
⑨『人は、なぜ他人を許せないのか?』
中野信子(2020)アスコム
SNS が普及してから目立つようになった「他者への誹謗中傷」、その原理を脳科学者である著者が解き明かしている。著者は「自分は絶対に正しく、他人は間違っている」このような思い込みが激しい人を「正義中毒」と定義。どうすれば、思い込みから抜け出せるのか、本書を読むと、その手掛かりが見つかるだろう。
⑩『京大 おどろきのウイルス学講義』
宮沢孝幸(2021)PHP新書
京都大学ウイルス・再生医療科学研究所准教授である著者による「ウイルス学」の入門書。著者は専攻している研究分野が「ウイルス」のため、動物界のウイルスに精通している。一方、人間のための「医学」の分野には「ウイルス」の知見が不足しているため、本書のような動物界のウイルスの知識が役に立つ。
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