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《自然の宝箱綴り》早春の花「オウレン」のあれこれ

春早く咲き始める山野草の一つにオウレンがある。
オウレンは漢字で書くと「黄連」、漢方薬に使われる。
(後述するが、残念ながらスプリングエフェメラルの仲間ではない)

オウレンの種類も色々あるが、その中でもメジャーなものにキクバオウレン(単にオウレンと云われることが多い)とセリバオウレンがある。

キクバは菊の葉、セリバは芹の葉に似ているからその名がついていると云われるが、実際にはちょっと区別がつけにくい(←僕だけかもしれないけど^^;)。

確実に見分けるためには、葉の形よりも、葉のつき方を見たほうが分かりやすい。キクバオウレンは三出複葉、セリバオウレンは二回三出複葉だ。

「何だそれ?」だよね(;^ω^)

三出複葉(さんしゅつふくよう)とは、1枚の葉が3枚の小葉に分かれている複葉のこと。
わかりやすく言うと、たとえばクローバー☘️、あれも三出複葉なんだよ。植物学ではあの3枚の小葉で1枚の葉と数える。

これが三出複葉(キクバオウレン)
三裂している小葉が三枚で1枚の葉

一方、二回三出複葉は三出複葉が2回繰り返されているもの。すなわち9枚の小葉で1枚の葉っぱとなる。

これが二回三出複葉(セリバオウレン) 
小葉(写真の葉は三裂が深いので紛らわしいけど)が9枚で1枚の葉

さらに三回三出複葉(理論上小葉が27枚)もあって、これはコセリバオウレンと呼ばれる。

また、分布域で大まかにみると、セリバオウレは本州から九州(主に太平洋側)に広く分布し、キクバオウレンは日本海側の多雪地帯に多くみられる傾向がある。もちろん、重複する地域もある。

花にも面白い特徴があって、雄しべしかない花(雄花)と雄しべと雌しべがある花(両性花)がある。また、なかなか見ないが雌しべだけの雌花もある。

厳密に言うと雌雄異株ではないが、一つの株には雄花か両性花か(たまに雌花)のいずれかの花しか咲かないことが多い。 が、総じて雄花株の比率が高いような気がする。

オウレンの雄花 雄しべしか見られない
見た目的には一番映える
雄しべの真ん中にぷっくりした黄緑色の雌しべがある両性花
この写真はなやましい。
雌しべが発達しているので雌花かと思ったが、よく見ると
未成熟ながら雄しべの葯も見えるので両性花の可能性が高い。

余談だが、オウレンは季節的に早春に咲く楚々とした花なので、たまに「スプリング・エフェメラル」(春の儚きもの・春の妖精)として紹介されることもあるが、厳密にはその仲間ではない。

花を咲かせ実を結んだあとは初夏までに葉を枯らし地表から姿を消して地中で次の春を待つ草本」(そのほとんどは多年草)というのがスプリング・エフェメラルの定義だが、オウレンの葉は冬でも常緑なのでそれに合致しないからだ。

冬でも緑色を保っているキクバオウレンの葉(11/29撮影)

実は代表的な春の花の中には、スプリングエフェメラルに含まれない花はいろいろある。 
たとえば、ミスミソウもショウジョウバカマもイワウチワもイカリソウも秋冬まで葉っぱが残るのでスプリングエフェメラルではない。

でもね、せっかくならみんな春の花として紹介したいよね。
僕は数年前から、スプリング・エフェメラルであっても、そうでなくても、春に咲く花たちを総称して

スプリングエレガンス

と呼ぼうじゃないかとfacebookの自分のグループなどで提唱している。(実はChatGPTが考えてくれた名前^^;)

ま、残念ながらあんまり使ってくれないけどね(;^ω^)
皆さんも良かったら遠慮せずどんどん使ってみてね~

種をつけた(セリバ)オウレン