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【エッセイ】「“らしさ”を抱きしめる子育て──辻希美から学ぶ、肩の力を抜くということ」

 子育ての話になると、よく「正解がない」と言われる。でも、正解がない中でも、あたかも“模範”のように注目を集めてきた子育てがある。その一つが辻希美さんの子育てだ。明るく、元気で、にぎやかで、そして何より“辻ちゃんらしさ”があふれている。SNSでは何をしても話題になり、ときに叩かれ、ときに賞賛され、それでも変わらずに自分らしい育児を続けてきた姿は、多くの親にとって励みになっている。

 彼女の子育てを見ていると、「こうあるべき」よりも「こうしたい」が大切なんだと気付かされる。例えば、お弁当が華やかだったり、誕生日の飾りつけが豪華だったりすると、「すごい!」と言う人もいれば、「やりすぎじゃない?」と言う人もいる。でも辻さんは、誰にどう言われても“子どもが喜ぶこと”を中心に据えている。その姿を見るたびに、親だって「誰かの正解」に合わせる必要はないんだと肩の力が抜ける。

 そして何より、辻さんの子育ては「完璧じゃなくていい」というメッセージがにじむ。忙しい日もある。イライラする瞬間もある。ごはんが手抜きの日だってある。でも、そんな日々の積み重ねも全部「うちの家族のストーリー」。完璧じゃない姿を隠すのではなく、「今日も頑張ったね」と笑えているところが、多くの親に共感を呼ぶ理由なのだと思う。

 子育ては、周りの視線や他の家庭と比べてしまう瞬間がどうしてもある。「あの家はもっとちゃんとしてる」「うちは全然できていない」──そんな気持ちに押しつぶされそうになったとき、辻さんの姿はふっと肩を軽くしてくれる。にぎやかで、不器用で、でも愛情たっぷりの姿は「これでいいんだ」と背中を押してくれる。

 僕自身、理想の父親像を追いかけて焦ったことが何度もある。でも、辻さんの子育てを知ると、理想よりも“うちの子が笑ってくれること”を大事にすればいいと思えるようになった。例えば、工作が得意じゃなくてもいい。料理が苦手でもいい。SNSに載せられるような立派な日々じゃなくても、子どもと向き合って、一緒に笑う時間があれば、それが我が家の宝物になる。

 辻希美さんの子育ては、「あなたの育児はそのままで素晴らしい」と教えてくれるメッセージみたいなものだ。誰かと比べる必要なんてない。家族の数だけ子育てがあって、そこにはそれぞれの
らしさがあっていい。

 今日もできなかったことばかりに目が向く日がある。だけど、本当に大切なのは「子どもの笑顔」と「親が心から向き合おうとする姿勢」。辻さんの子育てが、そんな当たり前だけど忘れがちなことを思い出させてくれる。

 僕も、もっと うちの家族の色 を大切にしながら、肩の力を抜いて子どもと向き合っていきたい。そんなふうに思わせてくれる存在が、子育ての道の途中にあるのは、とても心強い。

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