これは恋か?狂気か?|『ルビンの壺が割れた』読後感想

ルビンの壺が割れた
宿野かほる
覆面作家の処女作。
借りたので早く読まなければと思っていましたが、大分時間がかかってしまいました。
本自体はページ数も少なく文体も軽くて読みやすいので単に僕自身の怠惰によるものです。
まぁささっと感想でも書いていきます。
以下感想。ちょネバ含ま
良い小説をラストの一文まで物語を読ます。
と定義するならば、かなり凄い小説。
妙齢の男女がふとしたきっかけで数十年振りにFacebookのメッセを使ってやりとりするだけのシンプルな話だ。
男女2人の主観からなる現在、過去の事実、それによる感情の変化なんかを物語の時間の進み具合と共に原因究明していくパルプフィクション、ニューシネ的回想型話。
ルビンの壺という題材通り、
男性への読み手側、相手女性の好感度。
女性への読み手側、相手男性の好感度の上がり下がりがコロコロ入れ替わる。
当たり前だがこの手の話は情報が小出し小出しで後出しジャンケン的なので、
読み手は新事実を詳らかにされればされるほど、「あと時のあの台詞とか間はどういう事だったんだろう」と結局読み進めなければ知り得ないリドルにさらにページを繰る手がやまない。
そんなもんどんな小説でもそうだろう。
と思うかもしれないが、ルビンは後出しジャンケン具合が絶妙。
SNSあるあるなパブリックなよそよそしいやりとりから、
じょじょに地が垣間見え、
より具体的に言うなら男性側のサイコと執着が剥き出しにはならないまでも、吐息くらいは感じられるかと言ったところで、女性側の痛烈なかましによってどんでん返しとなる。
まぁこのくらいのネタバレは大概の本読みは本書の序盤でその空気が読み取れると思うので問題無いとは思いますが、もし予備知識0で読みたいなら上の文章は読まない事をおすすめします。
と、下で言っても無駄なので一番上の方にも書いておきますね。
解説で万華鏡のような話だ。とか、ジャンル分け出来ない。とかあるけど、何のことはない。
意味がわかると怖い話とか、ゾッとする系話にリアリティをかさ増ししたオチの為に全てがある系話だ。
エンタメ小説には謎がある。
謎には解明したくなる心理作用がある。
それは空白があれば埋めたくなるように、
読み手を解明へと推進させる力がある。
ルビンの壺が割れたは、
その心理作用の一本槍を携えて読者にぶん投げられたエンタメ小説だと思う。
壺は投げれば割れる。
ルビンにもそんな当然の帰結が用意されているが、見所は合間の空気感の演出と、ちょうどいいリアリティ。所々に入る不協和音。
読む人によっては笑えるし、
読む人によっては悲鳴をあげるかも。
まぁ読んでみない事にはルビンの壺は割れません。
卵を割らなきゃオムレツはつくれないみたいに言ってみました。
百聞は一見にしかずとかにしとけばいいのに。
まぁまぁ、読んでみてください。
……え?
ここまで読んでみたけどネタバレの注意書きがなかったって?
……あ、取り急ぎ殴り書きのように書いたので
「※ちょっとネタバレ含みます」を
「ちょネバ含ま」と省略してしまっていました。すみません。
あの、大丈夫ですよ。
ネタは割れても、
ルビンの壺が割れたは面白いので。
おそらく。多分。
煮え切らないなぁ。
ヒビでも入ってるんじゃないだろうかと、
底を覗くとビキビキとぶち割れて、
罵詈雑言でびしょ濡れになった。
づめたいっ!!!!
ビン詰めにでもしないと、
懲りないようなので、この辺で。
ごめんなさいね。
……あれ、誰だよ沸かしっぱなしにして。。。
あれ、何でこんな所に見覚えの無い瓶が?
ん?人が入ってる。。。
誰?
22.2.20.
