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AIを使うほど、人間の責任は重くなる。仕事で使う前に決めておきたい4つのルール

AIを仕事で使う機会が増えてきました。

文章作成、情報整理、要約、アイデア出し、議事録、メールの下書き。
少し前まで人間が時間をかけていた作業を、AIが数秒から数分で処理してくれます。

私自身もChatGPTやClaudeなどを実務で使っていますが、使えば使うほど感じることがあります。

それは、

AIが優秀になるほど、使う人間の判断力と責任が重要になる

ということです。

AIは便利です。
しかし、AIが出した答えをそのまま採用して問題が起きても、AIが責任を取ってくれるわけではありません、ここはやはり人間の責任です。

だからこそ、「何ができるか」だけではなく、どう使うか、どこまで任せるかを考える必要があります。

今回は、私がAIを仕事で使ううえで意識している4つのポイントを、不動産業での例も交えて整理します。


1.AIへの指示は、できるだけ具体的にする

AIを使い始めたころは、

「この文章をまとめて」
「この物件を分析して」
「メールを書いて」

といった簡単な指示を出しがちです。

これでもAIは答えてくれます。

ただし、こちらの意図と違う回答になることも少なくありません。

そこで意識したいのが、

対象者・目的・条件・出力形式

を伝えることです。

例えば不動産物件を検討するとします。

単に、

「この物件を分析してください」

ではなく、

「長期保有目的の一棟アパートとして購入を検討しています。空室率20%、金利4%を前提に、収益性・修繕・融資・法務・出口戦略の5項目でリスクを整理してください」

と指示する。

すると、回答の質はかなり変わります。

AIの性能だけではなく、人間側が目的を明確にできるかどうかも結果を左右します。

これは人に仕事を依頼するときと同じです。

「適当にやっておいて」と言われるより、目的や条件が分かった方が仕事はしやすい。

AIも同じだと考えています。


2.AIの答えは「完成品」ではなく「叩き台」

ここは特に重要です。

AIの文章は非常に自然です。

そのため、もっともらしい回答が返ってくると、

「正しいだろう」

と思ってしまいがちです。

しかし、私はAIの回答を基本的に、

最終回答ではなく、判断材料

として扱っています。

例えば不動産投資なら、AIに販売図面やレントロールの情報を整理させることはできます。

家賃収入、利回り、返済額、空室率、想定キャッシュフローなどを比較するのも得意です。

さらに、

「購入前に確認すべきリスクを挙げて」

と聞けば、

前面道路、再建築、境界、越境、修繕履歴、滞納、設備、融資などの確認項目を整理してくれます。

ここまでは非常に便利です。

しかし、

「では、この物件を買うのか」

という判断は別です。

現地の雰囲気。

建物の状態。

近隣環境。

売主や仲介会社とのやり取り。

金融機関の評価。

自分の資金状況。

こうしたものを含めて最終的に判断するのは人間です。

AIに任せるのは作業。

判断と責任は人間が持つ。

この線引きは崩さない方がいいと思っています。


3.AIに入力してよい情報を決めておく

仕事でAIを使う場合、便利さと同時に情報管理も考えなければなりません。

不動産業なら、

入居者の氏名
電話番号
住所
口座情報
勤務先
契約書に記載された個人情報
取引先との機密情報

などを扱います。

「AIに聞いた方が早い」

という理由だけで、何でもそのまま入力するのは避けるべきです。

私なら、AIに相談するときは可能な限り、

「入居者A」
「管理会社B」
「物件X」

というように匿名化します。

また、秘密保持契約や会社内部のルールがある場合は、それに従う必要があります。

AIを仕事で使うなら、

入力していい情報と、入力してはいけない情報を先に決める。

このルールがないまま便利さだけを追いかけるのは危険です。


4.AIの回答を「疑う仕組み」を作る

AIには、いわゆるハルシネーションがあります。

簡単に言えば、

間違った内容を、それらしく説明することがある

ということです。

特に不動産では注意が必要です。

宅建業法、民法、建築基準法、都市計画法、税金、融資などは、条件や時期によって答えが変わります。

例えば、

「この道路なら再建築できますか?」

とAIに聞いて、

「できます」

と回答されたとしても、それだけで数千万円の物件を買うわけにはいきません。

役所に確認する。

登記を確認する。

専門家に聞く。

金融機関に確認する。

一次資料を見る。

こうした確認が必要です。

だから私はAIを、

正解を教えてもらう道具

というより、

何を確認すべきかを洗い出す道具

として使う方が実務では安全だと考えています。


AIが進化するほど「誰が判断したか」が重要になる

今後、AIはさらに多くの業務に入ってくるはずです。

すると重要になるのが、

「この判断は誰がしたのか」

という記録です。

AIがどんな情報を整理したのか。

どんな提案をしたのか。

その中から人間が何を選んだのか。

なぜその判断をしたのか。

こうした経緯を残しておく。

これはトレーサビリティと呼ばれる考え方にもつながります。

例えば不動産購入なら、

AIによる物件分析

現地調査

役所確認

金融機関確認

最終判断

という流れを残しておけば、後から判断の根拠を振り返ることができます。

AIが業務の奥深くまで入るほど、こうした記録の価値は高まるはずです。


AIを使える人とは「全部任せる人」ではない

AIが進化すると、

「人間は考えなくてよくなる」

と思う人もいるかもしれません。

私はむしろ逆だと思っています。

情報収集や文章作成、計算、整理といった作業をAIが担当するようになるほど、人間には、

何を目的にするのか。

どの情報を信じるのか。

どのリスクを取るのか。

何を選択するのか。

最終的にどう決断するのか。

という能力が求められます。

AIを使える人とは、何でもAIに丸投げする人ではありません。

AIに任せる仕事と、自分が責任を持つ仕事を分けられる人。

私はこれが、実務でAIを使ううえで非常に重要だと思っています。


AIに仕事を奪われる。

そう考えるより、

自分がやらなくてもいい作業を、こちらからAIに渡していく。

物件資料の整理。

収支シミュレーション。

メールの下書き。

修繕時の確認事項。

情報収集。

文章の校正。

こうした作業をAIに任せる。

そして人間は、

考える。
確認する。
交渉する。
判断する。
責任を持つ。

そこに時間を使う。

AIを使う目的は、人間が考えなくなることではありません。

人間が、本当に考えるべきことに時間を使えるようにすること。

私自身も一人会社の経営の中で、AIに任せられる仕事を一つずつ増やしながら、その一方で「最後は自分が判断する」という原則は忘れないようにしたいと思っています。

AIを知るだけで終わらない。

AIを、正しく仕事の武器に変えていく。


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