フィジカルAIが変えるロボット産業の地図―既存ロボットSIはどこまで生き残れるのか
東京ビッグサイトと「不穏なひと言」

冬の東京ビッグサイトは、独特の熱気に包まれる。
「国際ロボット展」「新ものづくり・新サービス展」―日本中の中小企業や大企業、大学、スタートアップが一斉に集まり、未来の工場や物流センター、ヘルスケア、環境技術の断片を持ち寄る場だ。
そんな会場のどこかで、とある社員からこう言われた。
「フィジカルAIは、既存のロボットシステムインテグレータで参入できるところは、ほぼないですよ」
一見するとかなりショッキングな発言に聞こえる。
ロボットシステムインテグレータ(ロボットSI。産業用ロボットを使った自動化設備を設計・施工する会社)は、日本の自動化を支えてきた主役のひとつだ。その主役に向かって「次の主戦場には、君たちはほぼ入れない」と宣告しているようにも聞こえる。
この言葉の意味をきちんと理解しようとするとき、単なる「技術の流行り廃り」の話では済まない。
フィジカルAI(実世界で動くAIロボット。自律移動や自律作業を行うAI搭載ロボット全般)とは何か。
従来のロボットSIと、仕事の中身はどこがどう違うのか。
なぜ「参入できない」とまで言い切るのか。
そして、その変化は、投資家や中小企業にとってどんな意味を持つのか。
ここから先は、ロボット展の会場から少し視点を引き、経済全体や株式市場、歴史の流れの中に、この言葉を置き直して眺めていくことにする。

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