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落ちこぼれ薬剤師がチーム医療の仲間入りをした方法〜手書きの説明書を自作した〜

わたしは、勉強は苦手、そのくせラクをしたい、
どうしようもない落ちこぼれ薬剤師。



しかし、落ちこぼれなりに一丁前に悩みはあって

勉強苦手の悩みの負の連鎖


そんなわたしが、究極の効率化(ラクをしたい欲望)を求め、薬の説明書を自作したのだが、これが意図せず、悩みの負の連鎖を断ち切った。



☑️患者さんへの説明が上手くできないorもっと上手くなりたい
☑️医者との電話にビクビク怯えてる
☑️チーム医療に悩んでいる
そんな仲間に読んでもらいたい。
きっと、ヒントがあるはず!

※これはイラストレーターになるずーっと前のお話です。




私は、慢性期病院で働くこと数年。変化のない日々に飽きていたとき、系列の診療所の一人薬剤師のポジションがあく、と耳にした。
外来だから調剤がない!めっちゃラクそう!行きたーいっ!と、同僚たちがやめたほうがいいというのを振り払って、ピースしながら異動した。


みんなが止めた理由は、すぐに判明。
私を待っていたのは、『一人で抗がん剤治療担当』という荷が重い役回りだった・・・


そもそも『ケモ』という単語すら聞いたこともなかった私。
脳内で、国家試験前に友達が作った抗がん剤の語呂合わせ

どうせパクったグッドマン


が、白い歯をきらりと光らせながらほくそ笑んだ。



前置きが長いが、こうして、私は、予定外に、抗がん剤の担当薬剤師となった。




患者さんに抗がん剤の説明をしなければならない。
説明資材を、薬のメーカーから取り寄せて使ってみた。

読み物としてはいいのかもしれないが、薬それぞれで副作用の載ってる順番や表現方法はバラバラ。説明資料としては使いにくい。

こんなモタモタする姿を見た患者さんが、薬のことはこの人に聞けば安心!とは思わないだろう。

そして、気に食わないのは、じめっとした古めかしいデザイン。
形から入る私を萎えさせた。

 


あ〜もうめんどくさい!!

ラクに説明したいから作ってしまおう!




そうして、私が作った説明書はこちら👇まずは、『がん』について。
がん治療は、患者さん自身の自宅でのケアなど、積極的な参加が必要になるので、“自分ごと”にしてもらえるように、『薬の名前は?』という吹き出しをつけたイラストを入れた。

説明時には『がん』というワードを連呼しないように気をつけた。



実際に病院に来てからの流れ。
1クール(コース)には、薬を使っていない期間も含めることや、採血結果が出るまでに待ち時間が発生すること、結果次第では治療中止もありえることを説明。



そして、多くの抗がん剤共通の三大副作用(吐き気・脱毛・骨髄抑制)を紹介。

※薬それぞれの特徴的な副作用は、メーカーさんの冊子を利用して説明。



私は、バックヤードから、診察室でのやりとりをいつも聞いていた(やることがなかっただけだけど笑)。わかってるのかな〜といつも気になっていたので、
『先生とのお話でよく出てくる言葉ですよ〜』と
白血球や好中球などの専門用語を、電卓片手に実際に患者さんの検査結果を見せながら説明をした。


骨髄抑制は、可能な限り簡単な言葉で説明。
また、ステージ4の患者さんたちには、趣味や旅行など楽しい時間を我慢しないように、入れたい予定は気軽に相談してもらえるように伝えていた。

治療開始後に『虫歯』問題が起こることがあったので
ここでスクリーニングをかけていた。



帰宅後の対応方法。


よく患者さんから質問を受けていたので『食べていいものリスト』も後から作成した。明確な情報がなく探すのに苦労した。

※ガイドラインの変更により、のちにお蔵入り




私がただラクをしたくて作った説明書だったが、

意図せず、いいことがたくさん起きた。



存在が怖かった医師との関係の変化

一人で作るのは不安だったので、内容が正しいか、薬剤師から話しておいてほしいことはないかなど、制作過程に先生たちに全面協力してもらった。

いっぱい添削してもらった

この行動が、薬剤師がどんな説明をしているのかを共有することになった。
「こいつはやる気があるな」と勘違いさせてしまったのか(笑)、怖そうな先生とも日常的に仲良く会話をするようになった。
いつの間にか、治療方針の相談相手として選んでもらえるようになった。


余談だが、忙しそうで怖そうなお医者さんたちは、自分の患者さんのこと、そして、なにより自分の仕事を減らすことにはとても協力的な生き物だと知った。



患者さんからの信頼をゲット

段取りよく患者さんに説明することができるようになり、患者さんから信頼され、名前を覚えてもらえたり、気軽に話せる人になった。
先生と患者さんの伝書鳩としても活躍した。



看護師さんからも信頼をゲット

現場は、看護師さんとの関係はとても重要である。特に女性同士は、何かと難しい。患者さんや医師との関係を築いている姿を見て看護師さんたちからも慕ってもらえるようになり、一緒に学会に行ったり、プライベートでもご飯を行くほど仲良くなった。

👇看護師さんへのポップな情報提供




私自身の変化〜チームの一員へ〜

最も驚いたことは、人は頼りにされると、やる気が爆発するのだ!


ドッカーン!!


まるで主治医のごとく患者さんのベッドサイドに毎日通い、難しそうな学会に行き、おまけにせっかく勉強したから記念にと認定までとり・・・
話を振られないように息を潜めて参加していたカンファレンスも我が城のように参加するようになり、ちゃっかりチームに欠かせないポジションを獲得した✌️



あの落ちこぼれが、ちょっと落ちこぼれに進化したのだ。




薬剤師の質を担保できる

それだけではない。薬剤師は、基本、一人で対応するので、他の薬剤師がどんな説明をしているのかがわからない。説明書という共通ツールのおかげで、経験年数によらず同じ説明ができるようになった。



控えめに言っても、いいことづくめだった。





最後に。
勉強が苦手な私を支えてくれてた言葉がある。
当時の院長が教えてくれた言葉。


そう!!勉強は必要ない!!(とは言っていない)
大切なのは、ハート♡

患者さんが医療に求めているのは、人の温もりだ。


わたしは、イラストもきっと同じだと信じている。
AIにはないゾ⭐️





【自己紹介】

こんにちは!薬剤師でイラストレーターのパー子です。

調剤薬局、病院(急性期、慢性期)、診療所の一人薬剤師、フリーランス薬剤師の経験があります。
※現在は離れましたが、外来がん治療認定薬剤師を取得していました。

“薬局だより”をきっかけに、デザインに興味をもち独学で勉強。

きっかけになった薬局だより

現在は現役の薬剤師もしながら、イラストレーターとして、ポップでウィットに富んだ、『つい読みたくなる』を探求しています。
超エリートの医師に『先生は、わからない人の気持ちがわかる?』と質問したら『わからない』と首を振られました。
私は、わからない人の気持ちがわかることが強みです。わからない人に、つい見たくなる→わかるを表現します。


メーカー様やメディア様と共に「現場に深く刺さる」コンテンツ制作をお手伝いできます。

  • 製薬・医療機器メーカー様: 「現場で本当に使われる」指導せんやパンフレットの企画・作画。

  • 出版社・メディア•アパレル•雑貨メーカー様: 専門知識とユーモアを掛け合わせた、離脱されない医療コラム・図解など。


実績として、第20回日本周産期循環管理研究会の抄録の表紙、裏表紙を担当しました。

医療系以外の実績はこちら


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