『人と同じじゃつまらない』---不登校の私を救った母の言葉。(自己紹介)。

夜、ベッドに寝る前に
「どうか朝が来ませんように」
と祈りながら睡眠導入剤を飲んだ日々。
朝が来たら、また学校に行かなければならない。
あの教師に会わなければならない。
今寝なければ、授業中に眠くなる。
布団の中で自分に「寝るんだ!」と
呪文をかけるように言っても
全く効果はない。
「みんな」は
当たり前のように
学校に行くことができる。
「みんな」は
嫌なことがあっても
我慢できる。
「みんな」は
例え先生が間違っていたとしても
指摘をしないでいられる。
どうして自分は
普通になれないのだろう?
母に相談したくても
これ以上心配させたら
申し訳ないと思って、
9割の不安を飲み込んだ。
それでも残りの1割の不安を
母に朝から晩までぶつけた。
もし私が母だったら、
半日で精神が参っていたかもしれない。
私は言葉を絞り出しながら
やっとの想いで言う。
「私、高校卒業できるかな?」
私は高校に行きたくなかったのではなく、
行けなかった。
毎朝、最寄りの駅に着くと
決まって激しい腹痛に襲われ、
電車に乗ることができなかった。
今なら当時の自分に
「よく無理して駅まで歩いたね」
と抱きしめてあげたい。
しかし、世間はそうは思わない。
登校拒否というスタンプを胸に大きく押されたかのように、
学校に行けないことは悪いことだった時代だ。
母は何かを悟ったかのようにこう言った。
「人生は修行、無駄な時間はない。
だから大丈夫!」
私の目から涙が溢れそうになり、
隠すかのように俯く。
「私はどうして、みんなと同じようにできないんだろう?」
母は不思議そうに私を見る。
「人と同じじゃ、つまらないじゃない?」
母は続けた。
「みんなと同じ服を着て、
みんなと同じブランドバッグを持って
同じ髪型をして、
そんなの楽しい?」
その時はピンと来なかったのだが、
後になって辛いことがあると、
いつも救ってくれるお守りのような言葉になった。
ピアノを弾くことだけに専念して
生きてきたが、
私に何ができるだろう?
日本から脱出したい一心で、
英語もわからないままイギリスに留学した。
イギリスで学んだことは何かと聞かれたら、
英語はもちろんだが、
それよりもあの日あの時にしか
会えなかった人達との
対話から学んだ異文化や価値観だった。
「人と同じじゃつまらない」
という母の言葉は、
私を普通から解放してくれたのだ。
普通になれないが故に
うつ病で苦しんだ時期もあったが、
好き勝手にさせてくれた両親のおかげで、
私は本当の自分を見つけることができた。
その思いを形にするため、
過去にブログを立ち上げた。
すると幸いなことに、
そのブログの内容(いじめ問題)に
新聞社の方に共感して頂き、
取材をして頂いた。
その後、複数のテレビ局からも
取材依頼をして頂き、
某テレビ番組の討論番組に
出演させて頂いた。
もっと1人1人に届く形で
自分の経験を発信したい。
そして届かない心に
灯りを灯したい。
だから私は今、ここで発信している。
かつての私のように
普通になれなくて
苦しんでいる人々に、
私の言葉を届けられたらと
願っている。
「人と同じじゃつまらない」
母からもらったこの言葉を胸に、
苦しんでいる人々に寄り添い、
生きるヒントを分かち合っていきたい。
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