出来心の行方《悪ふざけ》
昨日、出来心で「#なんのはなしですか」を使って投稿した。
ものの2秒で、コニシ木の子氏に見つかってしまった。
しまった。
当方は、慌てて自分の「なんのはなしですか」をつまみ上げると、胸ポケットに押し込んだ。
「………逃げよう」
ポケットで暴れる「なんのはなしですか」を宥めながら、夕暮れの街を走り抜けた。
葉っぱを隠すなら、森の中。
「なんのはなしですか」を隠すのも、森の中でいいだろう。
投稿前に、未熟な「なんのはなしですか」を野に放つのは駄目かもしれないと一瞬考えたのだが、こんなに早く追手がかかるとは予想外だった。
常日頃、インドア派がウリの当方が、森で迷うのは必然である。
あっという間に右も左もわからなくなる。
「あっ………」
木の根に躓いてバランスを崩した拍子に、ポケットの「なんのはなしですか」が転がり落ちる。
そのままコロコロと、池の中に沈んでしまった。
「あーっ!!」
手を伸ばしたが、遅い。
呆然と水面を見つめていると、白い光が浮かび上がってきた。
「……お前が落としたのは、金の『なんのはなしですか』か。それとも、銀の『なんのはなしですか』か」
白い光に包まれた、白髪白髭の老人は、水面に浮かびながら両手を当方に伸ばす。
キラキラと光る「なんのはなしですか」が、目の前にあった。
本物の、なんのはなしですか、だ。
当方の喉が、ごくりと鳴った。
嘘は、駄目だ。
誇張はいいが、嘘は駄目だ。
「……………いえ、黒い、明朝体の、『なんのはなしですか』です。」
光る老人は、すっと消えた。
いや、なんもくれないパターン?
プンスカしながら立ち上がると、池の周りに茸が群れている。
茸。
背筋がゾクっとする。
きのこ………。
いつの間にか、逃げるつもりで、コニシ木の子氏の懐に飛び込んでしまっていたようだ。
水に沈んだ当方のなんのはなしですかも心配だが、まず自分の身を守らなければ。
突破口を探したが、十重二十重に囲んだ茸に切れ目はない。
そしてとうとう、木の陰からゆっくりと。
姿を現したのだ。
「はじめまして」
いつの間にか日が暮れている。
コニシ木の子氏の表情は見えない。
「あっ………あのっ……あの『なんのはなしですか』は、そっ……そこの池に………」
「あぁ、あれは池ではないのです」
コニシ木の子氏は、言った。
「ようこそ。『なんのはなしですか』沼へ」
※コニシ木の子様
2日にわたり、勝手に使用させていただいております。
ご不快でしたら撤回いたします。
お知らせ下さいませ。
☆ヘッダー、お借りしました。ありがとうございます。
