「地域肯定感」を育むこと / 地域おこし協力隊としての1年
8年ほど離れていたこの街に拠点を移し1年とちょっと。環境はガラッと変わった。
約1年前、サキガケ日置市民という、副業型の地域おこし協力隊に入った。週に2日を地域稼働に費やし、他の4日はこれまで働いていた東京のブランディング会社で勤務。後の1日は知人の仕事をサポートしたり。
そんな目まぐるしいような時間を過ごした一年を振り返り、そしてこれから向かう先をnoteにまとめたい。
街の「活動人口」を増やしたい
活動1年目のテーマは、街の活動人口を増やすことであった。
活動人口とは、地域に対する誇りや自負心を持ち、地域づくりにいきいきと活動する人々を指す。
とは言いつつ、この「活動人口」という文字面はあまり僕の本当の気持ちを適切に表現するものではない。
率直に言うと、僕は、一緒に面白い物事を生み出していける仲間が欲しかった。地元だとしても繋がりなんてあまり無かった。同級生はみんな市外や県外に。そんなところから地域での活動がスタートした。
日置市100人カイギ
色んなプロジェクトに入っている中で一番わかりやすく僕が関わっているのが、この日置市100人カイギだ。
100人カイギは、同じ地域に関わる人同士のつながりを生み出すことを目的としたコミュニティ活動だ。街で働く100人を起点に、地域で活動する5名のゲストを招いて、その人が普段取り組んでいることや想いを話してもらうイベントとなっている。
全20回のうち12月で第11回を迎え、多くの人に認知してもらえるようになったこのプロジェクト。テレビや新聞、ラジオなどのメディアにも取り上げていただいた。今、述べ参加者数は500人近くとなった。
今や、これは僕だけのプロジェクトではなくなっている。やろうと1人で決めてから、2人3人と仲間ができ、今では10人もの仲間と一緒に活動している。


僕だけじゃ考え付かなかったこと、できなかったこと、繋がれなかった人は無数にいる。残りあと9回。これから、僕が想像もしないところまでこのプロジェクトは広がっていくんだろうな。
街のインナーブランディング
僕は、本職である東京の会社で、「企業のブランディング支援」を行なっている。特に、インナーブランディングという従業員向けのブランディング活動のサポートを行うことが多い。
ブランディングというのは「物事に対するイメージを作ること」。インナーブランディングというのは「企業に対する従業員からのイメージを変化させる活動」とも言える。所属する組織に対するイメージを変えることで、一人ひとりの意識や行動を変化させていく。
僕は、企業と地域のブランディングの構造は、コミュニティの規模が異なるだけで、同じなのではないかと考えている。
8年前、僕は地元から東京へと飛び出した。
それは、僕自身が自分の地元に対して「面白いことができなさそう」「挑戦できなさそう」というイメージを勝手に持っていたからであった。でも今改めて帰ってくると、事実は全く異なっていた。当時の僕がそう思えていたなら違う動きをとっていたかもしれない。
そんな自身の原体験を踏まえ、「日置市100人カイギ」を始めるに際し、コンセプトを作った。
火、起きし街。日置市。
日置市は今、まさに変化の渦中にあります。
2022年度に合併後初めて、転入者が転出者を100人以上も上回ったこと。日置市に本社を持つ、挑戦的で面白い企業が増えつつあること。日置市若者未来会議に参加していた学生たちが
「日置市をもっとこうしていきたい」と当事者として夢を抱いていたこと。
日置市で育まれる、ちょっと変わった暖かな志の火は、少しずつ街の可能性を照らし始めています。
「日置市100人カイギ」は、日置市に関わる面白い活動をしている人、これから何か挑戦を始めようとしている人、日置市ひいては鹿児島県の可能性を広げている人を中心に、毎回5名のゲストのお話を聞き、緩やかにつながりを作るイベントです。
ここに集まった人たちの志の火が、さらに燃え広がっていくことを願って。
まずは街の人自身に、「自分たちが関わる街ってこんなに面白いんだ」と感じてもらう。イメージを持ってもらう。そうやって自分たちの街が誇りに思えてきたら、今度は「自分もこの場所で、何かできるかもしれない」と思えるはず。前に進む勇気になる。街と、そこに関わる自分に希望が持てるはず。

僕はこの、自己肯定感ならぬ「地域肯定感」を育むことが、活動人口を、地域を一緒に楽しくする仲間をつくる上でとても大事だと思ってる。登壇者を日置市に何かしらの接点がある人(もしくはこれから関わりたい人)にお願いしたり、その人の個人の想いや背景をお話いただくようにお願いしているのは、「地域肯定感」を育む意識からだったりする。
灯る想いを形に
「本当は、こんなことをやりたいんだよね。」と、出会った人から声がポロッと漏れることがある。そんな時、僕はすかざすその一人ひとりの挑戦を後押しするようにしている。「やろうよ」「できるよ!」「楽しそうだね」って、ちょっと強引に声をかけながら。
鹿児島での活動において、わりとここのサポートに注力をしていた。(日置市100人カイギ自体は、仲間みんなのプロジェクトになりつつある今、このサポート自体を、地域おこし協力隊の活動として捉えるべきだと思っている。)
街の魅力を届ける新たなお祭りを作りたい事業者
NFTを活用した新たな地域コミュニティを作りたい高校生
地域資源をインバウンドで届けたいインフルエンサー
マルシェを開きたいという知人
教育業界を変えたいという親友
東京と鹿児島で2拠点で働きながら独立を目指す建築家
時間をかけて形になったもの、これから形にしていくものなど様々。
最初の一歩を踏み出すことはとても怖い。だから、僕はその人の背中をちょっと強めに押すようにしている。押された背中が少し痛いくらいに。1歩踏み出せたなら、2歩目はわりと楽に歩ける。
まずは1歩、一緒に踏み出せるようなサポートを、これからもしていきたい。
本筋から離れるので割愛するが、この活動以外にも、いろんなプロジェクトでお声がけいただいた。例えば「第3次日置市総合計画の策定」に際して、「これからの時代の自治体運営」をテーマに市役所のMVV策定を目指した動きを行ったり、日置市に新たに導入された乗合送迎サービスのペルソナ・ジャーニー設計・コンセプト開発も携わらせていただいたり。地域の未来に関わるプロジェクトに携われることは、本当に嬉しいことだ。
これから描く未来
11月から2年目に突入した。
地域おこし協力隊の任期は最長3年。残り1年か2年で、鹿児島でできることを見つけなければ、僕はまた東京へと戻ることになってしまうであろう。
これまでは、誰かを応援やサポートをする方がメインだった。これからは、自分が「仕掛ける側」として動き出す必要がある。
「地域」×「エンタメ」 を注力事業に
これから僕は、「地域」と「エンタメ」を掛け合わせたプロジェクトを生み出していきたい。

人の心を真に動かすのは「楽しさ」や「面白さ」「感動」だと思う。映画やドラマ、漫画で見たワンシーンが人の意識を変えるように、楽しさに起点を置いている「エンタメ」はとてつもなく力がある。
今関わっている、関わっていきたい領域は以下の4つ。XR、謎解き、演劇、ポーカー。ちょっとだけ、プロジェクトの紹介をしたい。
「XR」×「戦国」

日置市は、島津義弘という戦国の武将にゆかりがある街としてPRをしている。そんな街の文脈に合わせた大会として開催した「HIOKI XR BATTLE」。甲冑をつけ、XRのゴーグルをつけた街のプレイヤーたちが「令和の大将軍」として剣を用いて戦い合う。
第一回は番組形式による収録を目的としており、日置市のYouTubeチャンネルである「ひおきとTV」にて放映される。(年明けて1~2月の放映を予定)
今回は、みなさんお忙しい中バラエティ豊かな方々に参戦いただいた。

市長も忙しい時間をぬって、短い時間ながら参加いただいた。会場は小平株式会社の本社HARBORをお借りした(ちなみに社長の勘太さんは、めちゃくちゃ強かった。)
このプロジェクトは、「鹿児島XR人材による未来づくり」をテーマとする「XR Meetup Kagoshima」とのコラボ企画。このXRという領域は、僕の厨二病に刺さりまくっている。コミュニティの方と一緒に構想するのが楽しすぎるので、僕は「XR Meetup Kagoshima」とのプロジェクトをどんどん仕掛けていきたい。(というかもはや僕もこのXR側のコミュニティに入ってるので、勝手に中の人とも言える気がしている。そして今、新たなプロジェクトが水面下で進んでいます、、、!これはぜひみなさんに遊びに来てほしい、、!)
「ポーカー」×「地域」

地域活動で「ポーカーやってます」と言うと、わりと「???」というリアクションが多いのでここもちゃんと説明しておきたい。僕がポーカーに着目しているのは(個人的な趣味ということ以外に)いくつか理由がある。
今、激烈にプレイヤーが増えつつあり、著名人も参入してきていること(拡大する市場)
自治体(富山県上市町)×企業(セガサミー)×ポーカーコミュニティ( M☆S poker circle)とのコラボで、ふるさと納税を活用した大会が開催されたこと
北海道の大会では、黒毛和牛一頭というとんでもないインパクトのあるプライズが設定されている / 地域の企業や特産品のPRにつながること
大会を誘致するほどのコミュニティが作れたら、県外から人を呼び込むことができること
知的ゲームであるため高齢者の認知症予防などの福祉にも展開ができること
社会との接点が少なくなった方々にも、新たに人と繋がれる機会になり得ること
などなど、可能性として無数にある。
日置市のポーカーコミュニティとして立ち上げた「ポカのば」は、同じ副業型の地域おこし協力隊である入木田くんに担ってもらうことになった。(僕自身が複数のコミュニティ運営を行うことに無理があったのと、彼自身が福祉や映像編集のバックグラウンドがあり、これからのポーカーコミュニティの展開を見越した時に、親和性が高いと感じているからだ。)
「地域」×「イマーシブ(謎解き、演劇)」
僕は今「『フィクション』を『現実』に実装する。」というビジョンを掲げている。その代表的なプロジェクトとして、イマーシブプロジェクトを準備中だ。これは今、かなり企画が具体化できている。きっと来年の1~2月にはみなさんに告知できるはず。今はそこまで語らないが、これからの展開に期待してほしい。
中間の存在だからできること
僕は今、中間の存在になれていると感じている。
「行政」と「民間」:民間で生まれた熱量を、行政のつながりや資源を活用して街に還元する。
「東京」と「地域」:地域の素材・可能性を東京のビジネスへと広げる。東京で得たスキルを地域で活かす。
「クリエイティブ」と「ビジネス」:クリエイティブへの憧れやノウハウを持ちつつ、地域のプロデューサーとしてビジネスに繋げる。
離れている要素を、行ったり来たりしているからこそできることがあるはず。
来年一年、みんなをわっと驚かせるようなものを作る。楽しさ起点で。でもちゃんとそれを社会的価値と経済的価値を両立させていくような、そんな「街の企画屋」でありたい。
「あいつと一緒に仕事したら、とんでもなく楽しくて、価値のある企画を生み出せるよ」と、そんなふうに思われるような一年にしていこうと思う。
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このnoteでは、「ほぼ」毎週1つ、日々の活動内容や感じたことを発信していきます。もしよろしければフォローいただき、今後もお付き合いいただけると嬉しいです。
こんな長い記事を見てくれてありがとうございます。ここまで読んでくれたあなたに素敵な一年が訪れますように。少し気が早いですが、良いお年を。
