3/27 ブラッドオレンジがむけない
先週の楽しかった週末にもらったブラッドオレンジ。
大好きな宇和島の農家さんのもので、何度か食べたことはあるので美味しいことは分かっていて。
あの真紅や濃いオレンジの混ざったキラキラした果肉と、甘く濃い味はインプットされていて、むく前の実を見るだけでその味が再生される。
早く食べたい、いつ食べよう、そろそろ熟してきてるって言ってたな、ゆっくりと朝ごはんに食べたいな、なんて考えながらひとまずキッチンに置いた。
そして日常が始まると、そんな余裕なんてこれっぽっちも無かったことに気がつく。
皮をむく時間なんて到底無く、バタバタした朝を迎え最低限の準備をして飛び出る。
日がとっくに沈んだ頃に仕事が終わると、会社の人と飲みに行き、帰る頃には一刻も早く寝たいという気持ちでいっぱいになる。夜もなるべく睡眠時間を削らないよう最低限の行動に抑える。
そんな日常を繰り返していると、キッチンの隅っこで静かに佇むブラッドオレンジは置物のようになっていた。
朝起きてポットのお湯を沸かす時、夜帰って薄暗いキッチンを通る時、いつもブラッドオレンジが目に入って「ああ、今日もむけなかった」と申し訳なく思う。
日に日に皮目がシワシワになっていくような気がして、切なくて悲しくなる。
いつになったら食べられるんだろうか。
ブラッドオレンジがむけない。
そう書くと少し滑稽で、寂しい。
