「一石五鳥」を狙う──勉強会が集客・教育・発信を同時に解決する設計
先日のスタッフミーティングで、月1回の外部向け勉強会を「5つの役割を同時に持たせる場」として設計しようという話になりました。①スタッフの知識向上、②既存会員へのバリュー提供、③コミュニティ形成、④新規集客、⑤情報発信の素材。ひとつの施策にひとつの効果、ではなく、ひとつの施策に複数の役割を乗せる。これが今、自分たちが意識している設計の考え方です。
見附市は人口3万人ほどの街で、広告費をかけて不特定多数にリーチする戦い方がそもそも成立しにくい規模です。かといって人手も潤沢ではない。地方の小さな組織が生き残るには、ひとつの施策の効果を「単発」で終わらせず、掛け算で使い倒す発想が必要だと感じています。
施策を「割り算」で考えると消耗する
非トレーナー出身の自分は、現場の技術より先に「構造」で物事を見る癖があります。集客施策、教育施策、発信施策とカテゴリを分けて、それぞれに担当と予算をつける。これは組織が大きければ機能するやり方ですが、地方の小さなジムでこれをやると、ひとつひとつの施策が薄くなって、どれも中途半端に終わります。
自分たちの規模で「集客だけの施策」「教育だけの施策」を別々に走らせようとすると、担当者の工数が足りず、結局どれも後回しになる。これは何度も経験してきたことです。だから最近は、ひとつの施策を立てるときに「これは他に何の役割を果たせるか」を先に問うようにしています。割り算ではなく掛け算で施策を設計する、という意識です。
勉強会という「箱」に5つの役割を乗せる
月1回の勉強会は、もともとはスタッフの指導技術を底上げする目的で始めた社内の取り組みでした。骨格診断や腰痛改善、自律神経、美肌といったテーマで、担当スタッフが持ち回りで発表する形です。
この「箱」を外部にも開けば、既存会員にとっては通常のセッションでは得られない専門知識に触れる機会になり、参加者同士が顔を合わせることでコミュニティ形成にもつながります。さらにエステサロンなど協業先にゲスト登壇してもらえば、相互にお客さんを紹介し合う形になり、広告に頼らない新規集客の導線にもなる。そして勉強会そのものが、AIを使ったコンテンツ作成のネタになり、発信素材としても機能します。
ひとつの「箱」を用意するだけで、教育・バリュー提供・コミュニティ・集客・発信という5つの役割が同時に回る。これは狙って作ったというより、既存の取り組みを見直したときに「これ、他にも使えるじゃないか」と気づいた感覚のほうが近いです。
掛け算で考えると、優先順位が変わる
この考え方に切り替えてから、施策を評価する基準が変わりました。「この施策の効果は何か」ではなく「この施策は何個の役割を果たせるか」で見るようになったんです。
例えば試食会のような参加型のイベントも、単体で見れば「会員向けのちょっとしたイベント」でしかありません。ただ材料費程度の実費だけで開催できて、参加者同士の会話が生まれ、SNSでシェアしたくなる体験になり、次回の集客につながる可能性もある。ひとつのイベントに複数の役割を持たせられるかどうかで、同じ工数でも得られるリターンが変わってきます。
正直、すべての施策がこの掛け算に当てはまるわけではありません。単発で終わっていい施策もあります。ただ「これは他に何の役割を果たせるか」と一度立ち止まって考える習慣を持つだけで、限られた人手の中で回せる打ち手の数が確実に増えました。
まだ設計の途中です
勉強会も始まったばかりで、5つの役割がどのくらいのバランスで機能するかは、これから実際にやってみないと分からない部分が多いです。教育に寄りすぎて発信素材としては薄くなる回もあるでしょうし、逆にゲスト登壇の回は集客の色が強くなりすぎて、既存会員が置いてけぼりになる可能性もあります。
それでも、ひとつの施策に複数の役割を持たせるという発想自体は、地方の小さな組織が限られたリソースで戦うための、ひとつの型になり得ると感じています。この掛け算の設計を、他の施策にもどう応用できるか。今考えているところです。
