氷上メルルがノアやアンアンなどを押しのけて13人で最も確定申告が苦手と思われる理由【まのさば/氷上メルル考察】
ネタバレ注意!!
この記事は「魔法少女ノ魔女裁判」の特大ネタバレを含みます。
必ずクリア後に読んで下さい。
これは氷上メルル考察メモです。
初見の人はどうしても彼女を誤解しやすいところがありますが、あとになってから無限に味のする良いキャラです。
このメモを読めば、氷上メルルに確定申告が無理な理由と、
彼女の何が良くて何が悪かったのかがわかることでしょう。
氷上メルルというキャラの前提

公式プロフィールによると、氷上メルルはこのように書かれています。
心配性の塊で気になった人を付け回すストーカー体質
いつも他人を傷つけていないかを気にしている
自虐が激しく他人のことは常に尊敬している
公式プロフィールは信用ならない記述が多く、メルルの場合は正体が判明したときにギャップを演出するためのブラフともとれます……が、実は設定上の事実です。
ファミ通の開発者インタビューではこのように語られています。
一途で、彼女が見せてくれる愛情はどれも本物なんですが、だからこそ怖い。
誰にでもやさしいし他人のことを配慮している、という事実がこの状況だとどんな風に恐ろしく見えるか、というのは意識しました。
このことから、氷上メルルは本当に「優しいキャラ」として作られていることがわかります。
メルルの正体バレ以降、多くのプレイヤーはそのショックや反動から、今までの優しく見えた行動すべてに「裏があった」と解釈し、あれもこれもメルルの仕業に違いないとなってしまいがちです。
作中世界の魔女狩りもこのようにして起こったのかもしれません。
しかしメルルの実態はむしろ、本来、裏を持って行動すべきところをその優しさがゆえにやるべきことができていなかったと見るべきではないかと考えます。
紫藤アリサ役の石井未紗さんもこのように語っておられます。
2025年 紫藤アリサ誕生日記念🎂Q&A
Q.[印象に残ったディレクションは?]
▶︎メルルとのスチルシーン。
魔女化抑えてもらった時の。ここ、すでにスチルがほぼ出来てて見せていただいたんだよね。
「ここまで手が異形と化してるのに、メルルはその手を取ってくれて自分に向けてって言ってくれる。メルルにこの後殺されますが、この場面では心からアリサを思ってます。慈悲の思いには裏無いです。それを受け取ってください」って言われて、本気でメルルを信じる、自分が死ぬ決意を固める、に繋がりました。
作中で月代ユキはこう証言しています。
「人間たちは魔法を使う私達に劣る種族……だからそれを見守るのが私達の役割であると判断したからですね」

この教えをメルルは忠実に守っていたのかもしれません。
◆ 作中の言動(セリフから見える本音)
作中のメルルの言葉には嘘もありますが、ほとんどが本音で喋っていると思われます。
面白そうなセリフをピックアップします。
● ミリアを体を張ってかばう

「だ、だめですぅ……!」
「も、もうこれ以上、誰かにひどいことをするのはやめてくださいぃ……!」
ナノカに銃で狙われたミリアをかばうメルル。
「ひどいことをしないでほしい」などと、「どの口が~!」な発言。
魔女化前に死なれると困るという理由があるのかもしれませんが、このときのミリアの状況は、同室のレイアがミリアの持っていた証拠のせいで処刑され、さらに黒幕として疑われているどん底状態です。むしろ魔女化させる絶好の機会と言えます。
しかし、だからこそかばってしまったのかもしれません。
メルルは基本的に本音で語っています。なにかをごまかすときも、同時に自分自身をごまかしている。狂った状態にあります。だからこそ嘘に厳しいマーゴに正体を勘付かれずにいられました。
● ピクニックでの言葉
「血の繋がりがなくたって、家族は大切な存在です……。きっとシェリーさんのご家族はシェリーさんを心配しています……。胸が張り裂けそうなくらい、毎日シェリーさんを思っているはずです。私は……家族に会いたい。こんなところは、もう嫌です……会いたい、会いたいよぉ……うぅぅぅ~」

メルルにとっての家族とは大魔女様のことですね。もう完全に限界近い言葉です。「こんなところは、もう嫌」が本音出しすぎ。
メルルもイヤイヤでこの仕事をやっていることがわかります。
● 地の文さんから見たメルル
このときの地の文さん(月代ユキ)は、あとから見返すと自我を出しているようにみえます。

メルルは臆病だが、一方で自身の内面の弱さを他人に見せることがなかった。
そんなメルルがしゃくりあげながら、切々と心情を吐露した。
胸がえぐられる。
少女たち全員が、同じ気持ちを抱いていた。
ーー家族に会いたい。
よくユキちゃんは「どんな気持ちでメルルを見てたんだ」と言われますが、さすがのユキちゃんも目の前でこんなこと言われたらグサグサきていたのではないでしょうか。
もちろん、地の文はエマの視点を代弁しているので、このときはエマも同じ考えを抱いているはずですが、同じ感情だからこそ、どさくさに紛れて自我を出せたのだと思います。
この感情があったからこそ、魔女殺しが発動したときに、むしろ真っ先にエマを使ってメルルを処刑したのかもしれません。未練に対する決別と、不死の家族への介錯です。
● 「私が空を飛べれば、こんなことには……」
これもピクニックの花畑での言葉。
ここは、大魔女様と自分を比べているのだと思います。
● シェリハンの喧嘩
「な、仲良しなのを見せつけるって言ったじゃないですか……。喧嘩はよくないですよ……」
メルルの人間理解の足りなさを表している一言。
非常に表面的な部分で人間を理解している。
喧嘩ップルという言葉を誰か教えてやってくれ。
みんなで仲良く♪が理想のようです。黒幕に向いてなさすぎる……。
もし魔女化の条件がストレスではなく笑顔になることだったら、メルルは悪役にならずにお笑い芸人を目指していたかもしれません。
●少しでもみんなに、笑顔になってほしいんです

少しでもみんなに、笑顔になってほしいんです。
私にできることなんて、これくらいで……。
どの口が~~! しかし本音です。
本心から「みんなに笑顔でいて欲しい」と願っています。
そんな子が魔女因子を植え付けられた状態で何十年も人間屠殺場の管理人を続けたらどうなってしまうでしょうか。こうなります。
●心が痛んで、もうやめたいと何度も心が折れかけて

とても、辛い作業でした……
みなさんを嫌な目に遭わせるたびに、心が痛んで……
もうやめたいと何度も心が折れかけて……。
使命感40:罪悪感60だったらこんなことやめてるはず。「本当に罪悪感があるならこんなことしていない」というのが普通の意見でしょう。
しかしメルルの場合、彼女は普通の人間の枠組みを超えているため、本来合計100が人間の許容量であるのに対して、
使命感999:罪悪感100くらいの割合なのではないかと思います。
例えは悪いですがエロ漫画で媚薬でおかしくなってしまった聖女みたいなもんだと思えば理解できるかもしれません。
●け、怪我とかしてないですか……?

エマさーん、だ、大丈夫ですか……?
け、怪我とかしてないですか……?
これから殺す相手の怪我の心配をする女。
人外の価値観を感じさせる、かなり痺れるポイントです。ここ好き。
大魔女捜索という目的を達成するため、元々の優しい性格に上書きするように「殺人への忌避感に絞って強烈に蓋をした」結果、このような歪な倫理観になったのかもしれません。
● アリメル考察:メルルはアリサをどう思っていたか
「アリサさんは強がっていますが、本当は心優しくて……。誰かを傷つけてしまうのを、とても、とても怖がっています。私も同じなんです。きっと私達は、似ています」
「もう自分を傷つけないでください……。みんなアリサさんを必要としているんです。置いていかないで……どうか傍にいてください」

ここにメルルの大事な本音が詰まっています。
【人を傷つけるのが嫌】
【置いていかないで】
もう誰かに置いていかれるのは嫌。
でも、ここにいる囚人たちをいつかは必ず処刑しなければならないというジレンマを常に抱えていることがわかります。
なお、このときアリサの魔女化が収まっていますが、これはすべてがメルルの魔法のおかげというよりは、
「アリサを必要」と言う言葉によるトラウマの抑制効果が半分あるのだと思います。
アリサとの会話でメルルはアリサの炎を自分に向けるよう言います。
治癒の魔法があるとはいえ、全身黒焦げは相当キツイはずです。
……おそらくですが2周目のマーゴを看病するときもこのくらいのテンションで献身さをみせたのだと思います。出会ったばかりのメルルの度を超えた慈愛にマーゴはトラウマを刺激されたはずです。「こんな愛が現実にあっていいはずがない」と。しかもマーゴの嘘センサーにもひっかからない。
メルルの献身は普通の人間にとっても劇薬レベルなので、マーゴにはクリティカルでした。
●記憶シャッフル後の全員から見たメルルへの印象
ついでにアリサ殺害の件まで話題を広げます。
最後に手に入る証拠品「紫藤アリサ殺人事件」では、メルルの動機はこのように明言されています。

【氷上メルルは紫藤アリサの幸福を願い、殺害した】
ミリアによる「記憶シャッフル」後に得るものなので、おそらく氷上メルル視点での「悪意の無さ」が客観的事実として全員に共有された結果の証拠と考えられます。
この記事で考察されているようなこと……つまり「メルルの見せた優しさ自体は本物だった」ことを全員が理解したということですね。
幸福を願った殺害とは何か。
ここで一旦、魔女候補の結末パターンを整理します
1:魔女化前の死
2:魔女化後のトレデキムによる死
3:なれはて後の冷凍保存
4:なれはてて野良化→不死のまま永遠にさまよう
1、2はほぼ同じ。3の冷凍保存を望むかどうかは人によるでしょう。最悪なのは4です。ヒロのなれはて化BADのように死ねずに苦しみ続けます。
メルルは黒幕バレしたときに最初にこれらを説明するべきでした。議論は上手いんだけどこういうところふわっとしてるのがメルルちゃんですね。
牢屋敷の管理側から見れば、魔女候補は確定で未来がありません。
エンディング後は「殺した側」だけが生き残ったことから「殺された側」は殺され損と言われがちですが、これは結果論であり、殺され時の痛みはともかく、早めに死ねること自体はこの環境ではそれほど悪いことではありません。
これは人によって価値観が分かれるところですが、例えばシェリー真犯人のBADENDではエマは誰かに殺されます。メルルがやったと思っている人もいるようですが、普通にシェリーでしょう。ハンナの意を汲んで、全員を魔女化前に殺すことを決意したのだと考えられます。
愛の残滓ENDのヒロもその選択をしました。レイヒロBADも同様。ミリア視点BADでは野良なれはては死ぬためにミリアを騙して入れ替わりました。逃げたエマココマーゴをメルルは野良なれはてにさせない為に必死に探し回りました。
牢屋敷において死は救済なのです。
であれば、トレデキムによる安楽死(おそらく)によって、メルルはアリサに対してこの環境における最大の慈悲を示したと言えます。
まぁ、メルルの価値観からすれば冷凍保存するのも慈悲なのですが……それをせず、アリサの意思【完全魔女化前の死】を尊重しました。これはメルルの他のキャラへの対応からみてもかなり珍しいことです。メルルが最も特別扱いしたのはエマではなくアリサなのかもしれません。
「置いていかないで下さい」とまで言っていたので、アリサを死なせることはメルル的にも辛かったことでしょう。「アリサさんは勝手に死んだだけです」という言い方に置いていかれた恨めしさを感じてしまいます(要審議)
しかも大魔女様につながる最大の目的「魔女化の確認」もせずとは異例です……これはアリサが暴走しかけた時点でそこの判別はついたということなのかもしれませんが……メルルに対してこのような合理的価値判断は基本的に無駄です。
結局のところ、この牢屋敷ではどう転んでも少女達に未来はないため、対人関係において重要なのは「相手の意思を尊重するかどうか」です。シェリーが仲間たちを巻き添えにしかねないリスクを侵してハンナを介錯した件が許されているのもそのためです。
自分には、メルルはアリサに対してだけは本当に人間らしい対応をしたように思えます。
最後の裁判ではこの事実が全員に共有されました。

「君(月代ユキ)にとって、メルルやエマはこれまで見てきた人類の負の側面とは正反対のものだったんじゃないかな。」
エマはメルルと同じくらい「無垢で綺麗な」人間だった。
そして、禁忌を刺激された二人は同じくらい「邪悪になる」素質があった。
これが魔法少女ノ魔女裁判のすべての始まりであり、核と言えます。
ヒロはメルルの人間性をほとんど知らないはずですが、記憶共有によってその溝は埋まりました。
あのとき、全員が互いの想いを把握していたとして、メルルに対する誤解(誤解じゃない部分も多いが)もある程度解けていたのだとすると、ちょっと見方が変わってきますね。
ただユキとの裁判中にメルルに頼ろうとしたらニコニコ笑顔で「大魔女様に殺されるのはいかがでしょう」とクソボケ言いはじめるのでアンアンに駄目だしされてしまうわけですが……
それでもなんでか知らんけどメルルも仲間扱いされていたのは記憶共有があったおかげではないかと思います。

このように、メルルの献身と慈愛は通常の人間をはるかに超えて高いのですが、それをさらに大きく飛び越えて大魔女様への愛が強い。そんな博愛と一途を両立させながら伸ばしきった情緒のバランスを取るように人間への共感に致命的に欠けた部分がある。
共感能力に意識的に蓋をしている――この生きていくのが大変そうな要素がメルルというキャラクターの異常性を生み出しています。後述しますがメルルの精神性は月代ユキを超えて化け物だと思います。
●エマメル考察:お茶会エマハブ問題

「で、ですが……アリサさんが早く見つかって処置できていれば助けられたかもしれません……」
嘘だよな? メルル……。
裁判でメルルがエマに手のひらを返すシーン。ここでメルルはエマを本格的に吊ろうとします(ただし天然で客観的事実を述べただけの可能性もあり)
メルル視点からすれば、
気に入った人間をなれはて化させれば、生きたまま(?)冷凍保存できる
看守として使うこともできる
ので、過去の牢屋敷でもメルルは気に入った人間を殺人犯に仕立てあげてきてた可能性があります。エマメルはある。実際、看守さんが殺されたときは珍しく怒っていました。
さらに言えば、エマが大魔女の生まれ変わりであることを期待していたのも大きいでしょう。
なにせこのままではナノカ、ココ、マーゴの誰かが必ずエマを殺してしまうからです。エマが魔女化してもその攻撃性はエマ自身に向かうことはBADENDからも明らかです。メルルがなぜエマを放置してココとマーゴをお茶会に誘ったかの理由はここにあると思います。エマ以外の人間を魔女化させたくなかったからです※
その後、裁判でマーゴがアリサ殺しの疑惑をエマに向けたとき、メルルはエマに手のひらを返します。殺害側になれない優しいエマを処刑して大魔女様かどうかを確かめるには、メルル的にはあのタイミングしか無かったので
す。※
◆捕捉
※だいぶ考察にエマメル派の思想が入ってしまいました…すみません。
アンアンにエマへの殺人教唆した件を考えるとこの説は微妙な気がしますが、それはまだ絆が芽生え始めた頃だったからと解釈しています。
※また、お茶会については単純にみんな仲良く♪の思想に基づいて行動した可能性のほうが大きいかもしれません
「みなさんが暗い気持ちになってしまいました…😔 そうだ!お茶会を開きましょう☺️ エマさんどこにいるんでしょう…😦 となった可能性はかなり高いです。本人がそう言ってるにも関わらずこの解釈を無意識に除外してしまうのも冒頭で述べた魔女狩り問題です。まさか黒幕の言葉がそのまま本音だとは思わないでしょう。しかしこれこそがメルルの面白さです。
「なぜエマを殺したのか?」という矛盾
この説には無理のある矛盾がもう一つあります。
その後の殺戮で普通にエマを殺した件です。
エマの言うようにメルルの行動は「めちゃくちゃ」で、合理的に説明できるものではありません。メルルは頭がおかしい。
しかし一応の理屈はあります
●理由1 物理的な制限
魔女化したココも普通に殺してたのを見るに他の魔女候補を牽制しつつ暴れる魔女を拘束して処刑台に送るのが物理的に難しいからかもしれません。
(エマをおびき寄せる意図もあったかと思われるが、メルルにそこまでの悪知恵が働くか怪しい)
処刑台が降りなければ地下室への扉が開かないようになっている仕組みなど見るに、一連の流れは看守に負担がいかないよう特別に効率化されているようです。
●理由2 臆病だから
もう一つは、メルル自身が臆病な性格で自身に危害が及ぶのを恐れているというのがあるでしょう。メルルのいない二周目では最後の三人になっても処分は起きません。管理者がゴクチョーのみなら黒幕バレの危険はそもそも無いからです。
いずれにせよ、メルルの大魔女探しの行動はかなりざっくりしていて、性格的に確定申告とか苦手そうです。絶対どんぶり勘定するタイプです。
本来なら緻密に全員を魔女化させて大魔女様かどうか調べるべきところを、
あえて犠牲者が出るシステムにしている時点でおおざっぱすぎます。
おそらく、
魔女因子は転生するから問題ない
簡単に死ぬような候補は大魔女じゃない
そもそも魔女候補達はメルルが関わらなくとも魔女因子が発現した時点で死を待つ運命である
という理屈なのでしょうが、魔女も普通の人間と同じような方法で死ぬことは月代ユキが裁判で証言していますので、間違って大魔女様を死なせている可能性も十分ありえます。
なのでとにかく時間がかかるやり方をあえて採用していることになります。
……ただ、これも、もしかしたら、最後の証拠品「怯える天使」にあるように、

「大魔女に捨てられたのでは?」
という真実と向き合うのが怖かったからなのかもしれません。
「臆病で泣き虫で自分が大嫌い」とはどういう意味か
● ナノカ検死のシーン
ナノカを検死するエマとの会話。
「お礼なんて言わないでください……。私は臆病で、泣き虫で、だから……。自分のことが大嫌いです……」

大魔女様最高!からの上位者マウントのせいで誤解されがちですが、
メルルは自分単体での自己評価はかなり低いです。
ので、おそらく本音だと思います。
このシーンの解釈は難しいと言うか、そもそもスルーしてしまっている人も多いかと思いますが、実は国語的な読解が可能です。
その後、黒幕カミングアウトのシーンで、メルルは同じ言葉をつかっています。

ですからここでの言葉は、
「(黒幕としてちゃんとしなきゃいけないのに)
私は臆病で、泣き虫で、だから……。自分のことが大嫌いです……。本当にごめんなさい……」
という意味のようです。
よってナノカ検死のシーンでの言葉は、
黒幕として潜伏しなければいけないのに、
アリサのことが可哀想で完全な魔女化前に殺してしまった
友人として頑張っているエマを手伝いたくなってしまった
そんな弱い自分が嫌いだ→本当にごめんなさい
という意味にとれます。
あと「ストレス溜めさせなきゃいけないのに一緒にピクニックしたり夜遊びしたりお茶会しちゃってごめんなさい」も含まれてそう。
「ごめんなさい」はおそらく大部分が大魔女様へ向けてのものでしょう。
しかし、魔女候補達に向けた部分も多少はあるかと考えます。
彼女はずっと、大魔女様とその復讐相手である人間たちに板挟みにされた立場にいました。そのうえで、目的を諦めませんでした。
メルルの精神性は超人の域にいます。
強くなりたい。
黒部ナノカは、姉を助けるためにすすんで魔女の島に連れて行かれました。それこそ、必要ならば「殺人も辞さない」強い覚悟で来たはずです。
しかし、優しい彼女は魔女化してもなお最終的に自白してしまうくらいまともでした。
黒部ナノカはメルルを許さないでしょうが、当初、彼女の目指した弱いなのちゃんを捨てたIFの姿が氷上メルルなのかもしれません。
● 「臆病さ」と仕事への向き合い方
メルルはひたすら臆病で優しい性格なので、魔女たちを苦しめて処刑する仕事は文字通り「頑張って」なんとかしているようです。
ナノカの死体が出現したときに他のみんなと同じように悲鳴を上げていたのも、演技ではなく本気で驚いていたのだと思います。
だって、たくさんある処刑台のなかからナノカのいる処刑台が選ばれちゃうとはおもわないもんね……仕方ないね!
このように、
誰よりも献身的だが、誰よりも臆病。それゆえに行動の随所に自己保身が見られる。ある意味誰よりも人間らしいその性質が、牢屋敷のクソシステムを生んでいます。
管理業務には向いていません。ゴクチョーがいなければ早々に破綻していることでしょう。
氷上メルルというキャラクターの根幹

メルルは大魔女から【魔女殺し】を授かったと証言しています。
しかし、そのすぐあとにココにトレデキムをつかっています。自分でそう思い込もうとしているにも関わらず、です。心が何重にも重なり蓋をしていなければこうはなりません。
大魔女との唯一のつながりである魔女という種族に固執しているが、「実は人間である」
大魔女から魔女殺しを期待されていたが、期待に答えられなかった。ゆえに大魔女に「見捨てられた」
――これらの禁忌から目を背け、自分自身に嘘を重ねている。メルルのおかしなところは結局、他の魔女候補と同様、禁忌が原因と言えます。
最後の証拠品「怯える天使」にあるように、ひたすら自分をごまかし、真実から目をふさぐ。これがメルルというキャラクターの根幹です。後述しますがエマの名前を忘れた件もそれに該当するでしょう。メルルの行動の不可解な点の多くはこの性質を考慮することで理解が可能です。
氷上メルルという名も、月代ユキが「水精の大魔女」の妹分であることから、「氷精の大魔女」であると仮定すると、氷を上(カミ)に抱く、ユキの家族であることを強調する名字「氷上」。
そして「メルル」は、常に目をうるうるさせる涙目。真実から目を背け続けているという意味合いを持っているかと思います。
※メルルの名の由来については諸説あり、あくまで一考察です。

ゆえに、真実と向き合い、
魔女化した際の彼女は額に第三の眼が開眼します。
そのときの彼女はもう涙を流していません。
「人間なんか」発言と自己認識のズレ
大魔女様が「人間なんか」と友達になるわけがない。
大魔女がエマと友達だという話を否定するときの言葉。
ここだけ切り取ると人間蔑視ともとれる発言だし、実際そういう面もあるでしょうが、それだけではありません。
これはメルル視点で見れば当然の話で、メルルは長いことユキから人間への憎悪を聞かされているはずなのです。
それが「人間なんか」と仲良くなっているというのは信じられない話です。
これに関してはユキちゃんがおかしいよ……。
ただ、このおかしさはメルルが実は人間であることを考慮すれば理解できます。ユキはただメルルに代わる人間を探しているだけでした。
しかし、メルルは自分を人間ではないと信じようとしている。
なぜなら彼女は、自分が大魔女様の憎む「人間」と同じ種なのだという真実と、大魔女に「捨てられたかもしれない」という禁忌に常に苛まれ生きているから。だからこそ大魔女の家族である自分は「人間たちとは違うのだ」という主張をするのです。
メルルの過剰な「上位種アピール」は禁忌が由来なのです。
この時点でプレイヤーはそのことを考察する材料がないため、
ただ単純に人間差別をしているように見えるようにできています。
サバトを知らなかった理由
「わぁあ……!ありがとうございます!」
まるで子供のように、大切そうに本を抱きしめる。

「エナちゃんBADEND」にて。
看守から本を受け取ったときのセリフ。無邪気でかわいいですね。なんか素のメルちゃんってかなりバブちゃんじゃないですか?
「探せばあるものですね」とゴクチョーが言っているので、図書室を全ては把握していないことがわかります。
このことから、よく、「なぜメルルはサバトを知らなかったのか」「メルルはもっと本読め」というツッコミが上がりますが、公式プロフィールを見ればわかるようにメルルの趣味は読書です。
ですからこれは、
魔女の本がものすごくわかりにくい場所に隠されていた
見つけたマーゴの直感が有能すぎた
魔女屋敷の図書室が異常に広い
図書室の魔法トラップが危険すぎる
メルルの読書スピードが異常に遅い
これらが要因であると考えられます。
個人的にはマーゴが凄かったが一番あるのではないかと思います。
彼女は15歳にして大人と渡り合う詐欺師であり魔女語をわずか数日で解読する頭脳(ただしこれはメルルが協力した可能性が高い)と嘘を見抜く能力があり、有能さでは二階堂ヒロと並んでトップクラスです。成人すれば個人事業主として確定申告も一瞬でできるようになるでしょう。
※ゴクチョーについて
今後次回作などで設定追加される可能性が高いので確かな考察は難しいですが、ゴクチョーはラストに「魔女の駆逐」という目的を示唆していることから、大魔女の召喚方法を知っていてわざとメルルに伏せていたかもしれません。
ただし月代ユキが死んだのはここ1、2年前なので、そもそもそれ以前にサバトをしてもユキは呼び出せないし、万年筆も無い。それにメルルはユキが生きていることを前提に魔女裁判を続けているのでサバトを知ってもやらなそうです。
また、ヒロは「魔女候補が13人なのはメルルがサバトのことを知っていたからだろう」と推測していました。これが事実だとしても、やはり、以上の理由からメルルが儀式を行うことは不可能です。
2周目世界:ヒロから見たメルル
2周目メルルはエマ達とはつるまずに、食堂でアンアンと一緒にいます。
気になった子をストーカーしてしまうクセがあるらしいので、1周目では怪我をしてヒロを亡くしたエマを心配してストーカーしていたが、その対象が変わったということでしょう。アンアンは生活力皆無なので、ユキをお世話していたときみたいに世話していたと思われます。このあと何もなければアンアンやマーゴに対し殺人教唆をしていたはずですが、そうはならすに自分が殺されてしまいました。そのときの死因は皮肉にもメルルの「優しさ」にありました。
また、この頃、「魔女の本」にみんなで書いていた寄せ書きに堂々と
【大魔女様に会いたい】
と書いてしまっています。さすがに怪しまれるだろうと思うのですが、
精神の限界が近かったということなのでしょうか……。
この周回のメルルはエマ達と友人になることなく逝ってしまったので、そこはちょっとだけかわいそうです。
● 治癒の魔法と「本気で治さない」問題
メルルの目的が暴露されたあとでは、彼女が誰かを心配する様子を見ても
「本気で治す気がない」=「本気で心配していない」
と解釈されがちですが、
上述の通り、彼女は本心から他人を心配する性格です。
そのうえで本気で魔法を使わずにいます。
普通の人間の感覚では、完全に矛盾した感情を同時に持っていられることは不可能なので、どうしても腹黒いだけの女に思われがちですが、
氷上メルルの場合、それが可能になっているライナー・ブラウンみたいな状態なのだと思われます。(理解しやすいからそう書いているだけで全く同じというわけではありません)

アリサやココに渡した睡眠薬も、「全然効き目がない」と言われていることから普段からトレデキムを盛っていると思われがちですが、トレデキムは少量で死に至ってしまうので、睡眠薬の効果を薄めてストレスを与えているか、単純に魔女化の影響で効きづらくなっている可能性の方が高いでしょう。
一般的な解釈での氷上メルルは:
「なんてひどい怪我を……嫌ですダメです絶対に死なせません……
(まぁ本気で治してはあげないんですけどね♪適度に苦しんでストレス溜めてください♪♪)」
――と考えていると誤解されていますが、そうではなく、
(ごめんなさい、大魔女様を探すために本気で治すわけにはいかないんです……ごめんなさい……ごめんなさい;;)
――と、こんな感じの思考をしているのだと予想します。
ほぼ似たようなもんじゃんと言われればそうかもしれません。
ココに偽善者だのキモイキモイ言われるのは仕方ないことですね。
ただ、ほとんど氷上メルルの立ち絵が常に泣いていることからも、
メルルは囚人生活中常にこの罪悪感に苛まれているのではないでしょうか。
「エナちゃんBADEND」にて、ゴクチョーと会話するメルルの様子はいつもより明るく、立ち絵もでません。
これは演出上の都合かもしれませんが、もしかしたら普段の泣いてばかりの立ち絵は、魔女候補たちがいる状況でしか使えないのかもしれません。
ちなみに重症を負ったマーゴが数日でヒロを踏み台にメルルを刺し殺せるくらいには回復しているあたり、治療自体はちゃんとやっているようです。それこそココの暴露配信に気づかずいるくらい、熱心に。
●氷上メルルは「反省」できるのか
ファンの間で話題になっていることが多いので取り上げてみます。
氷上メルル生存ルートがあるとしたら、メルルが「反省」して改めてみんなの仲間になることができるのか?みたいな話題ですね。
結論からいうと、氷上メルルが「反省」することはないでしょう。
これは「反省」という言葉の定義にもよります。
「反省」を「申し訳なさ」とするならば、そもそもメルルはずっと申し訳ないと思い続けながら牢屋敷の管理人をやっていたので、改めて反省しろと言われたら「はいぃ……そう、ですね。わかり……ましたぁ……」となるかもしれません。
しかし「反省」を「後悔」とするならば、メルルが後悔することはありえません。
彼女の動機は、人間の価値観に置き換えてみればわかります。
例えば「定期的にやってくる少女達を毎年数十人犠牲にしないと世界が滅びる」といわれて、世界を救うため強い覚悟を持って行動している人がいて、その人に「反省」しろと言っても意味がないでしょう。
メルルにとって大魔女様はこの世のすべてに優先することなのですから。
もしも、メルルに改めて「反省」させたいのであれば、彼女の行動面における「愚かさ」や「間違った方向性に突っ走った件」を非難するべきです。ただ、結果論としてメルルは月代ユキに会えてしまったので、そこもどう論理的に責めても納得してもらうのは難しいかもしれません。
● 「エナちゃん♪」事件
「エナちゃんBADEND」にて。
シェリーの手紙を焼き捨て、エマの名前を簡単に忘れてしまった件。


描写が露悪的すぎるので勘違いされがちですが、「数年」ではなく「数日」で忘れています。
これはただの無関心で片付くレベルを超えており、ボケているか頭がおかしい以外ありえません。
というわけで単純に
人間に興味がないサイコパスだから
+心が壊れているから
+おばあちゃんだから
という理由はかなり強いでしょう。以下に掘り下げます。
●人間に興味がないサイコパスだから
エマメル推しとしてはあまり認めたくありませんが、ある話です。
メルルのなかでは「大魔女様」と「それ以外」で明確に分けられています。
少なくとも、大魔女様以外の人間には大魔女様ほどの興味は無いのでしょう。
●「心が壊れている」可能性
メルルの忘却は桜羽エマが月代ユキを忘れてしまったことと酷似しています。エマとメルルの精神構造が近いことは、ユキに気に入られた事実や、エマメルENDでのエマの精神が摩耗していく過程からも明らかです。

(そういえば、最近何も感じない……)
見知らぬ誰かを傷つける計画を立てているというのに、
エマの心は少しの痛みも罪悪感も感じない。
メルルのそれは、エマと同じく心優しい少女が自分の精神を守るために無自覚に身につけた忘却術なのだと考えることができます。
二階堂ヒロは、死んだ月代ユキのことなど素知らぬ顔でヒロを迎え入れたエマに対して激怒しましたが、実際はユキのことを記憶から消していたことが後にわかります。「エナちゃん」事件で嫌な気持ちにさせられたプレイヤーと似たところがあります。
メルルは500人以上の囚人を処刑してきたベテランです。その間、彼女が魔女化せずいられたのは心が強いからではないかというヒロに言及されていますが、果たして心の強さだけでここまで保つでしょうか。
彼女が自らの異常さに気づくことなく何人もの囚人を処刑してる時点で半魔女化の殺人衝動と近く、忘却術のおかげでギリギリ自己を保っていたと考えられます。
●「半魔女化」の魔法強化によるもの
魔女化したメルルは魔女化による精神汚染すら除去できていました。
実は、魔女化前からメルルの魔法は魔女化に効く(心が安らぐなど)のではないかという伏線?めいたシーンはありました。
・アンアンの洗脳魔法がメルルにだけ効かない
・アリサの心を落ち着かせる
他にも、精神の安定化による魔女化の解消という伏線はありました。
・ノア処刑時にヒロのおかげでなれはてにならずに消える
・ハンナ処刑時にシェリーのおかげで人間に戻る
・さらにはエマ達の殺戮後、メソメソ泣いていたメルルは数秒後には「……さて!」とメンタルを切り替えています。

この異常性は露悪に見せかけた魔法強化の伏線だったのかもしれません。
ストレス→半魔女化→精神洗浄→リセット→魔女化が収まるのループ
メルルは無自覚に自身の精神を洗浄していたのかもしれません。
作中に証拠となる要素がいくつもあることから、この説が一番ありえるのではないかと考えます。
……だとするとエマメルENDのエマもその影響を受けているのかもしれませんね。
●「おばあちゃん」説
終盤明らかになるように、メルルは元人間です。
いくら魔女化の改造がされていたとはいえ、治癒の魔法があったとはいえ、本当に見た目通りの15歳の意識のままでいる確証はありません。
ガチの痴呆である可能性は否定できないでしょう。
●改造人間だから説
メルルは大魔女によって改造された人間です。大量に人間を殺しても大丈夫なように頭が作り変えられている可能性があります。
また、本来なら時間経過に応じて精神年齢も上がるべきところを、不老不死の改造のせいで歪みが生じた結果、精神構造がおかしくなっている可能性も十分考えられます。精神性が15歳のままなのに記憶は正しく蓄積するのって無理じゃね?
……最後に、メタ的に見れば、メルルはトゥルーエンドにおいて大魔女様と心中することが確定しているキャラです。演出的には
【どれだけエマ達を大切と言っても、あくまでも一番は大魔女】
ということを強調するための描写なのだと思います。
※詳細は伏せますが、
公式の朗読劇『魔法少女ノ魔女裁判 ~the next page~』にて、
メルルのエマ達への想いは「本物」であることが確定しました。
なぜ忘れてしまったのか&なぜシェリーの手紙を焼き捨てたのか の理由はわかりませんが、少なくとも「忘れる=無関心」という凡夫の感覚はメルルには通用しないことがわかります。
● メルルの置かれた環境
心の優しい少女が、
仲間達を人間に殺され (ユキの「メルルにだけ本音を話せた」との証言から、他の魔女が生きていた頃にメルルと出会っていると考えられる)
不老不死の肉体に改造され
唯一残った家族と思ってきた大魔女様(不老の仲間)に島に置き去りにされ
やがて大魔女様を探すために人間達と協力することを決める。
――この時点でメルルは大きな喪失を二度経験し
魔女を殺した種族である人間と協力するという矛盾を抱えています。
家族の殺害、無力感、置き去り、孤独、自己矛盾、罪悪感、など、他の魔女候補達のトラウマを想起させるような経験をしています。もしかしたら全員と同じだけのトラウマを一人で背負っているのかもしれません。この感じだと島で大魔女様に拾われる以前もかなりひどい目にあっていることが予想されます。
そこからさらに、
「人を傷つけることが大の苦手」な少女が
「可能な限りのストレスを囚人に与える」という最も向いていない作業を(おそらく50年以上)続けることになる。
気が狂うのは当然と言えます。
心に棚を作らないとやっていけません。
終盤、メルルはこのように証言しています。
「魔女となり、なれはてとして朽ちるまで この牢屋敷から出られないんです…… 私を含め……昔から今まで……ずっとずっと」

ここでメルルは、「メルル自身」も牢屋敷に囚われているように語っています。
事実、魔女の島は魔法でも壊せない高い壁で囲まれています。魔女が人間を阻むために作った壁ですが、今ではメルルを幽閉する牢壁となっています。これでは浜辺に出ることすらできません。
確定申告どころか税金の仕組みも知らないでしょう。お祭りも花火も見たことない。スタバもねぇ。カラオケもねぇ。あるのは図書室の本と野草とキノコだけです。
仲間もいない不老不死の身で数十年、数百年。
ユキとしてはメルルを守る意味で島に置いたのかもしれませんが、かなり残酷な仕打ちです。
その責任感もあってかユキは魔女化したエマに早速メルルを介錯させています。身も心も砕くような殺し方でしたが、これは3周目で「メルルは例外です……」の意外性を演出するためのブラフでした。
ユキ的にはメルルをいじめるのは本心ではなかったかも?(ただしユキの性癖を考えると何とも言えませんが……)。
唯一の脱出方法はヘリを使うことですが、人間からすれば、メルルは危険な大魔女の実験体。連れ出してあげる理由がありません。仮にメルルが島を出て自由になろうとしたら、殺処分の対象になっていたことでしょう。それは本編におけるユキとメルルの最期を見れば確信が持てます。
●ユキが島を去る前にメルルにかけた言葉とは
また、ユキに島に置き去りにされた理由も、メルルの性質を理解すれば予想がつきます。
ユキはエマに「優しいあなたがたくさん人を殺すところを見たかった」と語っています。心優しい人間による大虐殺こそ人類への最大の復讐であると考えたためです。
おそらくメルルに魔女因子を植え付けたときの動機も同じだったはずです。
しかし、月日と共にするうちに、メルルに情が移り、「例外」になってしまった。
もちろんメルルは実験体として失敗作なので、そもそも魔女殺しの力はありません。それでも、メルルを一緒に連れて島を出ることは可能なはずです。だが、そうしなかった。なぜか。
「実験体にしたこと」への気まずさもあるでしょう。しかしそれだけではありません。

大魔女様さえ見つけられたら、みなさんにとっても、きっと救済になるはす
一周目はただの狂信者の戯言にしか見えないためスルーされがちですが、見返すとちゃんと結末に繋がる意味のあることを言っています。
メルルはもしかしたら、
大魔女なら犠牲になった少女達を救えると思っていた。あるいは、
人間への復讐をやめるようお願いするつもりだったのではないか。
最後の裁判では大魔女に完全に従う姿勢を見せていたメルルですが、あのときもし勇気を出してちょっとでも意見を言っていたら、ユキにとっての効果が絶大すぎてヒロ達の活躍の場が無くなっていたかもしれません。そのような理由から、ゲームとしてのシナリオの都合上ほぼ喋らずにいたのではないでしょうか。
ユキにとってメルルは「例外」であり「家族」です。
そしておそらく「禁忌」です。自らの罪の象徴でした。
メルルに懇願されたら、断ることができないと、ユキは自分でわかっていた。だから復活後もほとんどメルルに話しかけなかったと予想します。
よって――
優しいメルルに人殺しの加担をさせたら簡単に壊れてしまう
メルルと一緒にいたら復讐の気持ちが萎えてしまう
魔女も人間も死滅した世界でメルルを生かし続けるわけにもいかないが、自らの手で殺したくない→だからエマに殺らせた(後述)
そういう気持ちから、
メルルを置き去りにして、「代わり」の優しい人間を探していた。
ユキが去り際にメルルにかけた言葉について、
裁判でヒロが言及していましたが、具体的には明かされていません。
仮定の話ですが、もしもユキが去り際に
「あなたは共犯者にはなれない」
(臆病で優しすぎるあなたは復讐に向いていない)
的なことを語っていたのだとしたら、メルルがなぜ
「泣き虫で臆病な自分」が大嫌いなのか、
その意味もわかるような気がします。

◆ メルルの精神は化物である
先程の臆病さの話と矛盾するようですが、メルルは周囲の環境の影響をほとんど受けずにいられる化物じみた精神力の持ち主です。
メルルのユキへの執着は、月代ユキに育てられたゆえの
依存・ストックホルム症候群的なものと思われがちです。実際その面もあるでしょうが、そうであるならばもっと月代ユキの思想の影響を受けていてもおかしくないはずですが、そうなっていません。
大魔女の意向なら全滅も厭わないという意志を示していますが、あくまでも大魔女様の意志なら何でも従うというだけです。

しかし、その後ほとんど喋らないことから、「向き合った真実」に対する「ユキの本心」をはかりかねている、メルルの人生史上最もシリアスな状態だと思われる
メルルのこれまでの人生は
過去に人間に魔女の仲間を殺されている
ユキという「悪辣な愉悦性癖持ちの変態」から人間への復讐心を聞かされ育っている
……というひどいものです。にもかかわらず、メルルは人間と協力して大魔女を探し出そうとしています。
牢屋敷でも人間への差別的な発言はあれど、人間への復讐心のようなものは見られません。これは、大魔女を信奉する彼女が最後まで手放さなかった善性のカケラと言えるでしょう。
※これにはメルルに手紙を残した水精の大魔女の影響が大きいのかもしれません。水精の大魔女は手紙を読む限り心優しい人格者のようです。
メルル自身が自らの意志を強固に貫く人間だからこそ、
ユキという家族は追うが、それはそれとして
そのために人間の協力を得るし、
人間への恨み心は持たない(ていうか興味がない)
という選択を取れたのではないでしょうか。
ゲーム終盤では、ヒロからメルルに
「大魔女に愛されていないんじゃないか?」
「大魔女は死んでいるんじゃないか?」
と……まるで旧約聖書の蛇のようにささやかれ、挙句の果てにミリアの暴走した魔法で「大魔女inエマに釜茹でにされた記憶」を取り戻しますが、
それらを意に介さず、自らの意志を貫きました。

もちろんこれは治癒魔法による精神洗浄の効果が大きいですが、
彼女自身も「強い精神力があるからこそここまで魔女化せずにいられたのではないか」という評価をヒロから得ています。
結果だけを見るならば、
メルルが「復讐にこだわらない人間に協力的な人物」だからこそ、
強力な精神治癒によりサバトをサポートし
「かわいそうだから」という理由で冷凍保存した少女達の命は助かり
「大魔女を探し出して人類抹殺を防ぐ」という政府の目的は果たされ
その実行犯として使われたメルルの化物じみた執着心は、月代ユキの復讐心を凌駕した
エマヒロに隠れたダークヒーローと言えます。
●ユキはなぜメルルを殺したのか
1周目でメルルは大魔女化エマに釜茹でにされます。
そのときのエマの言動はなかなかエグいもので、ブチギレたエマ自身から発せられているとも読み取れますが、多くのプレイヤーは月代ユキの代弁であると読み取ります。
というより、そういう風に読み取るように誘導されています。
「大魔女にも嫌われてるじゃんwwザマァww」と思わせることで、3周目の最終裁判で「ユキのメルルへの想いがユキを破る決定打になること」に思い至らせないようにしているわけです。
ではなぜ、ユキはメルルを殺したのか。これまで何度か論じて来ましたが、可能性を挙げます。
・そもそも全人類殺すつもりだった(だからメルルも殺した)
・メルルを不老不死にしてしまった責任をとった
・メルルがこのままではどうあっても幸せになれないとわかったから殺した
・自らの「罪」を直視できず目を背けた
・メルルにだけは「魔女殺し」の魔法が通用しない(だから熱で溶かした)
・単純にキュートアグレッション的な性癖
そしてもう一つ。
そもそもメルル自身がそれを望んでいたという点も大きいでしょう。



「家族に会いたい」
そして、自分が本当に愛されていたのかを確かめたい。それがメルルの真の目的でした。
もし、そうでないのなら。ただの失敗作である自分が、いらない子として捨てられただけったのなら、せめて大魔女自身の手で自らに【終止符】を打って欲しい。
それがメルルの本心でした。
●メルルはシェリーに何を囁いたのか
黒幕バレにて、メルルはこれまでの罪を告白します。
レイア、アンアンに殺人教唆をしていたのはメルルでした。たくさんやってるように見えて実は二人にしかできていません。
ではシェリーには何を言ったのか?言う間際にエマに「もうやめて!」と遮られてしまいまい、わからずじまいでした。
メルルがどんなエグいことを言ったのかは、たくさんの方々が考察されていますので、この記事では記事のテーマに沿った考察をしていきたいと思います。
まずシェリーがレイア・アンアンと違うのは、罪の告白のときに
「誰かが~~と囁いた」という記述が無かったことです。
よって、「魔女化していないから効果が無かった」「シェリーがメルルをかばった」あるいは「囁き自体が無かった」のどれかだと考えます。
●効果が無かった説
シェリーにとって、ハンナ殺しは友情の証です。メルルの囁きの件を持ち出された所で「私の罪は私のもの。私の動機は私とハンナさんだけのものです。誰にも奪われたくありません」とか言い出しそうです。
●かばった説
上に同じく。友情の証であるならば仮にメルルが関わっていてもそれは友人なら当然のこと。今後のことを考えてシェリーはそのことを隠すでしょう。エマだけ仲間外れってことになっちゃうのも良くないし。
※ただし、禁忌の告白はおそらく内なる独白なので隠すも何もないのかもしれませんが。
●囁き自体が無かった説
本題になります。
ここまでの記事で、メルルは芯がしっかりしているように見えて実はブレブレであることがわかっています。ついつい魔女候補に優しくしてしまう「そんな自分が大嫌い」なのがメルルです。
作中では、1周目終盤はメルルの悪役度合いを際立たせるためにあえて露悪的な描写だけが開示され、同情できる要素は排除されています。
このことから、メルルはシェリーにだけは囁こうとしたけど「できなかった」のでは無いかと予想します。だって友達ですから。
「シェリーさんには……言おうとしたけど、できませんでした。……シェリーさんは、大事なお友達……ですから」
これはこれでプレイヤーの感情を逆撫でできる言葉でありますが、同情の余地を残しかねない。
だからメタ的に「もうやめて!」されたのかもしれません。
◆ メルルの傲慢さについて
ここまではメルルの良いところについて書きましたが、もちろんそんな良いところだけではありません。
彼女は某美鈴くらい、かなり傲慢な性格です。
● エマメルENDでの脅し文句
エマメルENDでは、メルルはこう言います。
「もちろん悩む気持ちもわかります。みなさんを裏切るようで辛いんですよね。でも大丈夫です!みんな死んじゃいました。不幸中の幸いです……!裏切っても責める人はいません。だからあなたは悪い人にはなりません。エマさんにとって、私を慰めてくれることが、優しい人でいられる唯一の方法なんです」
あまりにも自分本位すぎる意味のわからない言葉でエマを脅迫しました。
かなりいい性格してます。ていうか、正体バレ以前までの聖女な性格との乖離があります。これをもってメルルに「本性を表したな」と感じる人も多いでしょう。ここはメルル学会でも意見の別れるところです。
以下に解釈を述べます。
解釈1:自己の残虐さから目を背けて狂っている
メルルの根幹は「目を背けること」にあります。
自己の黒幕としての残虐さを自覚しなければならないときに限り、支離滅裂になるのかもしれません。おそらくナノカを撃ったときもナノカに対して意味のわからないことをのたまいながら謝ったと想像します。
解釈2:バブちゃんだから
念写を見るに、メルルとユキの関係は、メルルがユキを物理的にお世話し、ユキがメルルを精神的に甘やかす関係だったと想像できます。
正体を明かしたあとのメルルの言動は幼い駄々っ子のようなものが多く、ヒロにちょっと大魔女様のことを告げられただけでふらふら近づいてしまったりと、大魔女様関連では簡単に騙されそうです。
聖母のように他人を甘やかすのが好きではあるが、実はかなりバブちゃんなのかもしれません。
解釈3:魔女化の影響
メルルの身勝手な理屈付けは既視感があります。
二階堂ヒロや他の魔女候補たちが半魔女化の殺人衝動を抱えたときの精神構造です。まともな面を残しながら、自らのトラウマに関わる部分では急激に頭が悪くなり、自らの狂気に気づけなくなる異常性。
氷上メルルが他の魔女候補達と同じ魔女因子を植え付けられたただの人間であるなら、長い事半魔女化の影響下にあった可能性も考えられますが、真実はわかりません。
このときのメルルはおそらく自分では脅したと思っておらず、そのことを指摘されたら
「わ、私にはそんなつもりは……ひどい……」
と逆に被害者ぶるであろうところが非常にめんどくさい女です。
でもそんなエマメルエンドが私は好きです。
● 「不幸中の幸い」ロジック
メルルがこのような発想をしてしまうのも、メルルの生き様がまさにこの「不幸中の幸い」で成り立っているからだと思います。
終盤、メルルは、なれはてを
「魔法も使えない、ただのお人形……」
と称しました。可哀想に思っているのはわかりますが、言い方が残酷です。
人形だと思っているからこそ、洗脳という邪悪な手段で看守として抜け殻になるまでこき使えているのでしょう。シェリーの手紙を平然と焼き捨てた件もそれにあたります。
メルルが時折見せる、死んでしまったものへのドライさ。
「みんな死んでしまえば、裏切っても自分を責める人はいない」
これがメルルが自己を保つために信じ込んだ論理なのではないでしょうか。
◆ 牢屋敷の功罪
ここからは、メルルの犯した罪と牢屋敷システムについて。
メルルの行いが悪であるのは確かですが、漠然と印象で「悪」と断じている人が多いようです。
ここで一度、牢屋敷の目的について推測を混じえて整理したいと思います。
● 仮定:なれはてしか冷凍保存できない世界
まずいきなりですが仮定の話から始めます。
【あの世界で人間を安全に冷凍保存するには「なれはて」でなければならない】
という仮定です。
なぜなら、人を人のまま冷凍保存できるなら、政府が魔女候補達を冷凍保存しているはずだからです。まぁ、トレデキムを作っているあたり実験体のサンプルは人間界にもありそうですが。しかし、
魔女因子がなくなった途端、少女達の安全を確保してくれるようなあの世界の政府は基本的に善性があると言える
ゆえに本来なら少女の処分などしたくなかった
魔女因子の検査結果は作中だと100%だが、シェリーのような例外もあり、実際に魔女化させないと魔女かどうかはわからない
この仮定をいれることで政府の方針がよりはっきりします。
※無くても「大魔女の捜索」という大目的は変わらないのですが、補強として意味を持ちます。
◆政府の目的
大魔女の捜索
魔女候補の排除
魔女化となれはての保存(主にメルルの意向)
1は最優先事項。
2も当然。クマより数百倍危険な時限爆弾です。
「魔女化による大殺戮」はBADENDでしか見られないので認知が歪みがちですが、魔女候補を人間社会に置くことは普通に考えて無理です。そこがわからないとこの物語で何が起きていたかを理解するのは難しいでしょう。
3、現代科学では冷凍睡眠は完全な技術ではないが、「なれはて」は肉体が強靭なので人間と違って冷凍に耐えることができる。だから魔女化させて魔女であることを確定させ、なれはて化させて冷凍保存したい。
※作中台詞を読む限り、「危険な魔女因子持ちは処分するよう機関から言われていた」そうなので、冷凍保存はメルルの意向っぽいですが、少なくとも政府から冷凍技術の提供はあったと思われます。
しかし、一人の人間の魔女化を待つには、人間社会でそれをするにはリスクが大きすぎる。そんななか、比較的安全に人間をなれはて化させるのに適した特別な場所があります。
それが魔女の島です。
【絶海の孤島・監視フクロウ・魔法で壊れない巨大な壁・治癒魔法を使える不死の女】
魔女候補を預けるには最適の場所といえます。
しかも相手は大魔女のことをよく知る人物。
だから政府はメルルと協力関係を結ぶことにした……とはいえどのような経緯でそうなったのかは不明です。立場的にメルル側から働きかけるのは難しそうですので、人間界で大魔女を捜索していたゴクチョーづてに人間からメルルに働きかけて~とかでしょうか。
家族を求めていたメルルはその案に飛びついたことでしょう。
大魔女様に会えるのならどんなことでもします!と。
しかし蓋を開けてみればそれは少女達をひたすらいじめ抜くというメルルには最も合わない仕事。
以下の漫画は妄想二次創作ですが、ド天然のメルルは最初よくわからなずに島に少女達を歓迎したことでしょう。だって大魔女様かもしれない少女達ですから。しかし魔女因子がある限り必ず悲劇は起こる。最初の犠牲者がでた時点から、メルルにはもう引き返す道は無かったのです。


このように人間側には【魔女因子問題の根本的解決】という人類の存亡を賭けた大きな課題があります。おそらく様々なルートで策を講じており、牢屋敷はその一つにすぎなかったのでしょう。
メルルに全くの罪・責任が無いとは言いません、というか普通の人間より長生きしているなら責任能力はあってしかるべきです。が、魔女という危険存在とはいえ、政府はメルルを島から連れ出し、平和に暮らさせたり魔女因子の研究に協力させることもできたはずが、しませんでした。不老不死の身で島に半幽閉状態にあったメルルが仲間を求めるのはごく自然なことです。政府はそんな彼女の気持ちを利用し、魔女候補の流刑地管理人としたとも言えます。
納税義務も国籍も常識も無い魔女を名乗る女に少女達の命を預けるのは正気の沙汰ではありません。
メルルの仕事は死刑囚の電気椅子のボタンを押す係のように「誰かがやらなければいけないこと」をやっていただけと捉えることもできます。
しかし、メルル本人にそういった使命感やら自覚は無く、自らが望んでやっているように語り、それ以外の言い訳を一切しないので、黒幕のサイコパスさ加減にドン引きしているエマやプレイヤーはなかなかその発想に至りません。
● 強制的に共犯者を作り出す魔女裁判システムの設計
島は逃げ場が無く、一人が魔女化するだけで全滅する恐れがある。
安全になれはてを冷凍保存するには、本来なら魔女候補を一人ずつ送るのが最も安全なはず。
しかし、それでは魔女因子が発現しかかっている少女達を別の場所に放置することになり、リスクが高い。
魔女因子がある限り、メルルの囁きがなくとも大惨事が起きることは2周目の牢屋敷を見れば明らかです。
よって一度に12人を送っていると考えられる。
これには人間関係のトラウマを刺激して魔女化させる意図もあるでしょう。
少女達を魔女化させる手っ取り早い方法は、
強制的に拘束し、薬物などを使ってトラウマを聞き出す
長期の物理的・精神的な拷問をする
などが考えられるが、そんなことはメルルにはできない。メルルの魔法って拷問向きなんですけどね……。そこでメルルは魔女裁判の仕組みを考えた。
大魔女探しの共犯を魔女候補本人にやってもらおうという仕組みです。
看守という抑止力を使い魔女候補を牽制しながら、
魔女化を隠している少女を裁判で探し出し、なれはて化させる。
すでに魔女化の進行している少女なら処刑拷問も短時間で済む ←これが最大のメリット
効率的(?)な仕組みだが、この仕組みの最大の欠点は、
魔女化していない他の魔女候補が犠牲になることにあります。
そしてナノカが犠牲になったように、ときには黒幕自身が身を守るために人を殺すことがある。
さらに、長く過ごした仲間たちには絆が芽生え、その仲間に裏切られるトラウマも植え付けられる。
● メルルの罪
よって、メルルに罪があるとするなら、その最大の罪はメルルの「甘さ」にあるといえます。
メルルが人の傷つくのを見ていられない怖がりで優柔不断な性格であったために、直接的に魔女化を促す拷問のような手段をとることができなかった。少女達の死から目を背け、忘れようとした。
メルルの天然で仕事熱心な性格のせいで、黒幕として仲良くなった少女達を裏切り、トラウマを植え付けることになった。
少女達の殺し合いという「悪」を誘導し、少女達に互いを糾弾させ、処刑ボタンを押させ、デスゲームの「共犯者」にし、自身を完全な「悪」には持っていこうとしなかった。――自分一人で完全な罪の十字架を背負う覚悟がなかった。
上記でも引用しましたが、メルルがエマ、ココ、マーゴに対しナノカ殺しの罪を告白するときに語っていた
「ちゃんとやらなきゃいけないのに、怖がりで泣き虫でこんな自分が大嫌いです」
という言葉はまさにその通りで、牢屋敷での悲劇は
メルルがあまりにもここの管理者に向いていない性格だったために起きたのだと言えます。
また、
桜羽エマが月代ユキへのいじめを傍観した件も似たようなものでしょう。
二人が似ているのは前述のとおりです。
作中で「偽善者」という言葉が使われたのは、
ユキ → エマ
ココ → メルル
の2通りだけです。
ユキへのいじめはユキ自身が先導している面があるため、中学生にそれを解決するのはハードモードすぎますが、
メルル視点からみた牢屋敷のどうしようもなさと近いものがあります。
だからこそユキはメルルの代替としてエマを選んだのだと思われます。
これらに本気で向き合えるのは俺達のヒーロー、二階堂ヒロくらいかも。
愛の残滓ENDを見るに、二階堂ヒロのほうが牢屋敷の管理人に向いてるかもと思えてきます。思想的な信条はともかく、メンタル的にも能力的にも多くの点でメルルを超えているヒロなら、ゴクチョーを酷使しなくとも細かいお金の計算もしてくれるでしょう。
事実、最後の裁判でヒロはものの数時間で半分以上を魔女化させています。もちろん事前に相手をよく知っていたアドバンテージはありますが、ヒロの人間理解力なら手段を選ばなければそれほど時間はかからないはず。
大魔女の捜索は人類としても必要なのですから、ヒロのようにできるだけ時間をかけずに効率的に処理するべきなのです。
メルルは本人も言ってるとおり人間理解に乏しいことが本当に管理人に向いていませんでした。……本当に、なんでこの子に任せちゃったの?
以上が妄想含めたメルル功罪の考察です。
◆ メルルの甘さについて(更新途中)
牢屋敷でのメルルのスキルは、
「治癒による立場の確保」
「潜伏からの囁き教唆」
裁判で本気出したときの「議論バトル」
ナノカを殺ったときの「エイム」
この4つはさすが歴戦の猛者ですが、
それ以外においてメルルはデスゲーム主催者として向いていません。
多くの雑務、政府とのやりとりもゴクチョーに任せていたと予想されます。
● 懲罰の内容が「定規ペチペチ」か「殺処分」の両極端
……これはメルルが無意識に
「死は救済」と考えているゆえではないかと思います。
とにかくあからさまな拷問みたいなことをするのは苦手のようです。
基本的に牢屋敷の魔女化システムの非効率さは「黒幕がメルルだから」で説明がつきます。
● まずい食べ物・ホラー映画=ストレスだと思っている
実際まずい飯は一番のストレスでしょう。自分も一緒にまずい飯を食っているところが無駄に覚悟が決まっています。コミカライズだと虚無の顔になっていたのも味わい深いです。本当に嫌なんだろうと思います。
● 何度か処刑されたことがある
甘さとは違うかもしれませんがこれも無駄に覚悟が決まっています。
「やるからには私もみなさんの苦しみを知っておかなければ……」みたいな気持ちでやってそうです。
また、魔女候補が多く残っている状況で犯人として吊られた場合に黒幕開示してすべてをリセットにはできず、処刑され死んだふりをして潜伏するプランもあるのでしょう。
アリサの炎を「私に向けて下さい」と言ったり、臆病だけど意外と痛みには慣れているのか……献身と責任感の気持ちが勝ったときは逃げずに我慢できるのかもしれません。やはり化け物メンタル。
● 医務室への宿泊制度
許可が降りれば医務室への宿泊が認められている
……これはメルルが自分の立場を確保して信頼を得るのに使われている制度。と思わせて、ただメルルが他人が傷つくのを見ていられないから……というのが本音じゃないかな。
● 牢屋敷が荒れ放題、広間が臭い
メルルの魔法を使えばもとに戻せるのに、それをしていない。
真綿で首をしめるようなじわじわとしたストレスを与えています。とにかくダルいやり方です。
ただこの手法は一定の効果があると考えられます。全員に一気にストレスを与えるやり方だと、一斉に魔女化が進み、一人しかいない看守では対応しきれないおそれがあるからです。じわじわと魔女化させ、メルルの囁きなどで一人ずつ確実に魔女化させることで、ある程度魔女化をコントロールすることができます。
● 1周目の夜遊びがなんか見逃されている
……たぶん友達と夜遊びするのが楽しくなっちゃったんだと思う。
● 「メルル」の名前の書かれたトレデキムをアリサに渡している
アリサ関連はほとんど善意で動いているとはいえ、ド天然すぎる。
「最初から、計画していた通りなので……」とエマに語ってましたが、嘘だね。メルルちゃんに計画性なんてないよ!
●殺人教唆ASMRに効果なんてないよ!
「メルルさえいなければ…」「レイアはメルルがいなければ平和だな」
よく配信のコメントなどで2周目の空気が良いのはメルルがいないからと言われますが、自分はその影響は薄いと考えます。メルルちゃんにそんな能力は無いんじゃ……ないかな。どちらかというとヒロレイアの生存によるまとめ役の存在と分断が起こらなかった件が大きいと思います。
本人は殺人教唆をあたかも有効な戦略かのように語っていましたが、メルルがいなくとも2周目はヒロの火かき棒「全滅END」やハンナによる夢の「連続2キル」が達成されていることからも、放っておいても地獄が生まれることがはっきりしています。
つまり長い目で見ると大して効果は無いわけです。そりゃそうでしょう。そもそも魔女候補は社会的にヤバい存在だからここに来られたわけですから。
しかし、多くの人はどういうわけかそのことに気がつくことができません。
囁きの内容についてもメルルは「◯◯しないと◯◯しちゃうよ?」のようにタメ口で子供に語りかけるような口調で誘ったと説明しています。メルルの普段の口調と違います。これは実際にその言葉を言ったのではなく、そういう風に誘導したという意訳かもしれません。
黒幕バレしてからはすべての行動に裏があると思われがちなメルルですが、実際は看病のときに患者が誰かを愚痴ったときそれを肯定することをまるで計画のように語っているだけではないでしょうか。
しかし、プレイヤーはメルルの供述をそのまま信じ込んでしまいます。
なぜか。
おそらくその時点での黒幕バレの悪役的立ち位置をはっきりさせたいというゲーム的な理由による演出。
そして自信満々(?)に語るメルルの様子を見てのことでしょう。
それに、この囁きの効果が大したことなかったら、じゃあ黒幕としての仕事ほとんどできてないじゃないかということになってしまう懸念もあるでしょう。まさか、いくら天然とはいえ、そんな馬鹿な。
しかしよく考えてみて下さい。
彼女は魔女殺しの魔法を使えると自信満々に言ったそのすぐ後で、トレデキムを使うような女です。そういう女なのです。
メルルの最大の能力は殺人教唆などではなく、裁判の議論と、ナノカを撃ったときのエイムと死体解体の「無駄に決まった覚悟」なのだと思います。
● 部屋割り問題
部屋割りもメルルが悪意をもって仕込んだと考察されがちです。
一番ヤバいのは二階堂ヒロと桜羽エマの組み合わせですが、これはたぶん天然のメルル的には
「幼馴染同士なら一緒がいいですよね♪」
という天然の発想からでたものだと思います。
なぜなら他の組み合わせは良くはなくとも最悪というほどではないからです。どちらかというと、各自のトラウマの種類に合わせた部屋割りでしょう。
レイア&ミリア → 人の目が気になる
アリサ&シェリー → 魔法による殺人
アンアン&ノア → 魔法による人生の崩壊
エマ&ヒロ → ユキの自殺
ナノカ&マーゴ → 守られる・愛される
ハンナ&ココ → いなくなる・探される
人間理解に乏しいメルルがこれらのトラウマを最初から把握していたかは怪しいです。
メタ的に偶然そうなったと見るべきかも。
◆妄想
※ 注意
ここからは考察と関係ない二次創作的な妄想になります。
メルル好きとして、こうしてほしかったという妄想です。
自分で二次創作漫画として描くのも傲慢なので、ここに沈めます。
noteに書くのは障りがあるのでふせったーに書きました↓
まのさば妄想(note用)
※追記
メルルの優しさが本物である件が本編で証明されることはありませんでしたが、「禁忌」の無い状態のメルルがどんな人物であるかは、公式の朗読劇『魔法少女ノ魔女裁判 ~the next page~』にて、はっきり描かれることになりました。
詳しくは語れませんので、クリア済みの方はぜひ聴いてみて下さい。いずれきっとCD化されるはずです。
◆おわり
確定申告をネタにしたのはタイトルでネタバレしないためのものでした。思ってたんと違う!という方ごめんなさい。
以上が氷上メルルについての考察まとめです。 初見の印象では計算高い腹黒女に見てしまうプレイヤーも多いメルルちゃん。その実態は常識知らずの天然サイコふわふわおばあちゃん。確定申告が無理な理由がおわかり頂けたかと思います。
極論、 メルルのやったことは
【放置したら必ず無差別に殺し合いを始めるような存在を集めた場所で、1対1の殺人が順番に起きるように誘導すること】でした。
正直、それ自体に、それほど罪があるとは思えないのですが……まぁナノカ殺害、看守洗脳、拷問処刑と一言で言えないいろんな要素が絡んでいるのがこの問題の難しいところです。
プレイヤーによっては、今回の記事を読まずとも、クリア後に自然に「メルルは素は優しい子」だと解釈できる人がいます。しかしそう思えないままの人も数多くいます。自分としてはその「差」が面白く、どうしてここまで差ができてしまうんだろうと、今でも少し不思議です。「自分はこうだった」
という感想などありましたらコメントに下さい。
随時更新を続けておりますので、
たまに覗いたら増えているかもしれません。
ちなみに私もフリーのイラストレーターですが会計はすべて会計ソフトにまかせているので確定申告についてはなにもわかっていません。
Xでまのさばのイラストを描いているのでそちらも覗いてみて下さい。https://x.com/Inamori_Ryusa_C

最後に好きなセリフを引用します。

人間にも……事件にも……そしてもちろんユキちゃん自身も、いろいろな側面があって……。
物事は見方によってはぜんぜん違う姿を見せるんだと思う。
でもそれはとっても複雑で…だからこそ、単純に理解しちゃいけないんだ。
「これが◯◯の本性だ」
このような断定をしてしまうことの恐ろしさを、我々はこのゲームを通して知りました。それは、コインの裏表を見てどちらが本物かを考えるようなものなのかもしれません。
全体的に「氷上メルルは誤解されている!」という趣旨の記事でしたが、もしかしたら、制作側があえて露悪的に書いているようなところは、本当は素直にそのまま【悪】として受け取ったほうがいいのかもしれません。純粋に性格悪いメルルが大好き!という人も多いですからね。
いずれにせよ、このメモを読んで氷上メルルへの好感度が少しでも上がったのなら、それが一番の望みです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

