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「普通の日本人」が外国人に体験を売って月100万円稼いでいる、という現実

訪日外国人が2024年以降、過去最高を更新しつづけている。

それ自体はニュースでも見たことがあるかもしれない。でも、こんな話を聞いたことはあるだろうか。

居酒屋のはしご酒を外国人に案内するだけで、1回2万円以上を受け取る人たちがいる。

料理好きの主婦が自宅で寿司を教えるだけで、AirbnbのExperiencesに掲載された瞬間から予約が埋まっていく。海女の仕事をしている女性が、「体験コンテンツ」として商品化したことで、地元の漁村が週末ごとに外国人で賑わうようになった——。

これは、大手旅行会社やホテルの話ではない。個人や地方の小さな事業者が、いま静かにやっている話だ。


なぜ「体験」に外国人はお金を払うのか


外国人観光客が日本に何を求めているか、知っているだろうか。

以前は「桜・富士山・寿司」だった。でも、もうその時代は終わりに近い。Instagram でも YouTube でも、見るだけなら無限にコンテンツがある。彼らが旅行に来て本当に欲しいのは、「日本人と直接つながる、本物の体験」だ。

Viator や GetYourGuide、Airbnb Experiences といった OTA(オンライン旅行代理店)プラットフォームでは、日本の体験コンテンツに対するレビューが何百件も積み上がっている。その中で、外国人が絶賛しているのは決まってこういうものだ。

  • 「地元のガイドが連れて行ってくれた裏路地の居酒屋」

  • 「家に招かれて、一緒に出汁をとった料理教室」

  • 「英語が完璧じゃないおばあちゃんに習った茶道」

逆説的だが、「プロっぽすぎない」ことが価値になる。大手ツアー会社の洗練されたガイドより、地元の人が自分の日常を見せてくれることのほうが、彼らにとってはるかに価値がある。


実際に「売れている」体験の事例

これは机上の話ではない。実在する事業者を紹介しよう。

居酒屋はしご酒ツアー(東京・新宿)

MagicalTrip(マジカルトリップ)は、新宿の「思い出横丁」「ゴールデン街」を少人数で巡る居酒屋ツアーを提供している。Viator・GetYourGuide・自社サイトで販売し、訪日客向け居酒屋ツアーの代表格として広く認知されるまでに成長した。

核にあるのはシンプルな価値提供だ。「地元民だから知っている名店を、英語で案内する」——それだけ。在庫も仕入れも要らない。ガイドと、英語と、地元への愛情があれば始められる。

英語で教える料理教室(東京・京都)

Cooking Sun や Buddha Bellies Cooking School Tokyo は、英語で和食を教える料理教室として、Airbnb Experiences を中心に高評価を集めてきた。寿司・出汁・弁当づくりなど、外国人が「日本に来たらやってみたい」と思うメニューを、小さなキッチンで教えているだけだ。

プロの料理人でなくてもいい。「日本の家庭料理を英語で教えられる」それだけで商品になる。

海女との交流体験(三重県鳥羽市)

三重県の相差(おうさつ)地区では、現役・元海女が焼いた地元の魚介をその場で提供し、海女文化を語る「海女小屋体験」が観光コンテンツになっている。もともとは地元の生活そのものだった。それが「商品」になったのは、外国人が求める「本物の日本の原風景」にぴったり重なったからだ。

地域の観光協会経由で予約でき、訪日外国人にも人気の体験として知られている。


「でも自分には特別なものがない」という思い込み

ここまで読んで、こう感じた人もいるかもしれない。

「英語も話せないし、特別なスキルもない。自分には関係ない話だ」

本当にそうだろうか。

上で紹介した事例をよく見てほしい。彼らが持っていたのは、「英語がペラペラなこと」でも「観光業のキャリア」でもない。地元の居酒屋を知っていること、家庭料理が作れること、海で働いてきた経験——それだけだ。

外国人の目線で考えると、これらはすべて「希少価値のある体験」になる。

  • 東京のサラリーマン文化を知っている → 「日本のオフィス飲み会文化ツアー」

  • 地方に住んでいて農業をしている → 「農家の朝を体験するツアー」

  • 書道や華道を習っている → 「外国人向けワークショップ」

  • 地元の商店街に詳しい → 「地元民しか知らない食べ歩きツアー」

要は、「自分にとっての日常が、外国人には非日常」という視点の転換だ。


成功している体験コンテンツの共通点

事例をよく分析すると、売れる体験には共通パターンがある。

① 少人数・アットホーム 大人数のバス観光ではなく、2〜8人程度。ガイドと会話できる距離感。

② 「地元民目線」が売り 観光スポットではなく、地元の人が実際に使っている場所や文化。

③ 英語対応(完璧でなくていい) 流暢な英語より「一緒に楽しもうとする姿勢」が評価される。

④ 写真映えと物語性 体験後に「こんなことをした」と話せるストーリーがある。

⑤ 予約が簡単・即確定 Viator や Airbnb のような OTA に掲載すると、世界中から予約が入る仕組みが整っている。


「やってみたい」と思ったなら、次にすべきこと

この記事を読んで「面白そう」「自分にもできるかもしれない」と感じたなら、その感覚は正しい。

ただ、始めるには知っておくべきことがある。OTA への掲載方法、価格設定、英語でのコミュニケーション、リピーターを生む体験設計——それぞれに現場で使えるノウハウがある。

インバウンド体験コンテンツに特化した学びの場として、「インバウンドの学校を準備中だ。実際に体験を商品化して成功した事業者のケーススタディや、プラットフォームへの掲載実践など、現場で使える内容を学べる場だ。

「何か始めてみたい」「副業の選択肢を広げたい」と思っているなら、今後に期待してほしい。


いまこの瞬間も、世界中の旅行者が「本物の日本体験」を探している。そのニーズに応えられるのは、大手旅行会社ではなく、あなたのような「普通の日本人」かもしれない。


参考:本記事の事例は、MagicalTrip、byFood、Arigato Japan Food Tours、Cooking Sun、Buddha Bellies、三重県鳥羽市の海女小屋体験など、インバウンド体験分野で広く知られる事業者・サービスをもとにしています。各種数値・レビュー等は各プラットフォームにてご確認ください。