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インドでアーユルヴェーダを学ぶという選択——インド9年目のMiyuさん

「インドで大学に通う」と聞くと、想像できる人はそれほど多くないかもしれません。ましてや、インドの伝統医学 アーユルヴェーダ を専門的に学ぶとなると、その道のりはさらに未知のものに感じられるでしょう。

今回ご紹介するのは、インドでアーユルヴェーダ医学を学び、現在も研究を続けている日本人学生 Miyuさん です。

言葉、文化、生活環境——すべてが異なる場所での学びは、決して簡単なものではありません。

それでも、未知の世界に飛び込み、試行錯誤を重ねながら進んできたMiyuさんの9年間の歩みには、海外で学ぶことのリアルと、その先にある成長の姿が詰まっています。

これからインド留学を考えている方、伝統医学に興味のある方、あるいは海外で学ぶという選択肢を探している方にとって、きっと参考になるストーリーです。


インドでアーユルヴェーダを学ぶ9年間の記録

みなさん、はじめまして。
Miyuといいます。

インドに来て9年目です。

インドのアーユルヴェーダの大学を卒業し、
現在は別の大学でPG Certificateコースに在籍しています。

知らない方もいらっしゃると思うのですが、
インドの伝統医学アーユルヴェーダを学ぶ大学に進学しました。

今回は主に、

・アーユルヴェーダ大学に進学するまでの事
・インドでの学校生活と日常
・インドで経験し、学んだこと
・現在とこれからについて

を書いていこうと思います。

私の経験が誰かの参考になれば嬉しいです。


アーユルヴェーダ大学に至るまで

私の大学の学士課程は、BAMS(Bachelor of Ayurveda Medicine and Surgery)
と呼ばれるもので、(トータル5.5年間)

インドでは伝統医学も医師として認められ、卒業後は修士や博士も学ぶこともできます。(どちらも3年間です)

インドの伝統医学は主にAYUSH省の管轄で
・アーユルヴェーダ
・ヨガ
・ユナニ
・シッダ
・ホメオパシー
等の大学や研究所があります。

さて、私がアーユルヴェーダの大学に行くにあたって、特に決定的な理由はありませんでした。

インターナショナルスクール出身でもなく、
むしろ英語は一番の苦手科目。

ある意味、自分の求める条件に合っていただけの、賭けのような選択でした。

大学では
・卒業後も人生を通して学び続けられること
・混沌とした世の中を生き延びるための知識が得られること

その条件の候補の中で、一難易度が高そうなものを先にやってしまおう!

と選んだ結果が、インドのアーユルヴェーダ大学でした。(そこに至るまでにも色々ありますが、それはまた別の機会に。)

アーユルヴェーダという存在を知ってから、実際にインドへ渡るまで、半年もなかったと思います。

親も、これからはインド!インド面白い!と乗り気で学校の手続きも特に問題なく、とんとん拍子にインド行きが進みました。

渡印前はインドの事もアーユルヴェーダのことも、正直ほとんど知りませんでした。

しかし、インドの偉人や仏教の教えはかなり面白いし、日本古典などの世界観や文化も好きだったので

そのルーツにありそうなインドはもっと深いのかも?とりあえず行ってみて、やばすぎたら逃げよう…

最悪のケースを想定しつつ飛び込んだのが
私のインド生活の始まりでした。


インドの学校生活と日常生活

まず学校の情報があまりなかったので
(とにかく田舎と聞いていたので)

・電気通ってないかもしれないしな〜
・木造建築で虫がたくさんいたらやだな〜

などの最悪を想定して、テントのような蚊帳や、生活便利グッズ等
避難しに行くような装備で行きました。

実際電気もあり、建物はコンクリートで助かりましたが…

ド派手な壊れ方で、期待は裏切られず…!
(住んでる間も永遠に何かしらが故障します。茶や白はカルキ)

1年目はエアコンのない部屋に住んでいて(ACのある部屋は満室)、暑すぎるし、毎晩犬の縄張り争いが大音量、大学の勉強も大変すぎて、燃え尽きました。

授業も英語と聞いていたのに、ほぼ現地語。とにかく自分で読んで覚えるしかないという教え方。教室100人に真夏にエアコンがなくて死ぬほど暑い。

シャワーも水道の水は安心ではないので(蛇口から虫)、ミネラルウォーターを使っていました。

シャワーといってもバケツを使うし、
お湯はケトルで沸かして温度調整。

現在は、授業は基本的に英語、
教室にエアコンがあって、授業用のスクリーンがあり、街もスーパーやカフェが増加、なによりZomato(デリバリーアプリ)などが利用できて、生活がかなり楽になったと思います。
(それでも外国人には大変なので慣れるまで皆辛そう)

インドの生活は慣れるまで、
すごく、すごーく、先輩達に助けられたので
自分も後輩達を絶対サポートしようと決めました

また、閉塞的な生活と勉強のストレスで
脱落していく外国人生徒も多い中、
私の精神安定を助けてくれたのは日本の友人達でした。

まじでありがとう。感謝、感謝。

SNSがない時代だったら
多分卒業できてないと思います…

さて、大学では1年ごとに進級試験+学期末テスト、のようなものがあり、その年の全教科を受けます。

インドの大学に行けば誰もが経験するであろう...
このインド式テストが、日本人にはとても大変でした…

試験時間は1教科につき3時間で、ゆっくりしていたら絶対に終わらない。

皆速記で、書き続けます…それを大体9日間程続けます。

穴埋めやマークシートに慣れている日本人からすると、A4用紙に1問に対して(点数によりますが)2〜3ページ、

1科目で35枚以上の回答を書くようなインド式のテストは、とても大変でした。

アーユルヴェーダの勉強は

・西洋医学の基本と、アーユルヴェーダの理論
・内科
・外科
・産婦人科
・小児科
・耳鼻咽喉科
・植物学
・鉱物学
・毒物学
・解剖学
・生理学

等々、分野がとても広いです。

(私も大学入学するまで知らなかったのですが)

伝統医学ってハーブやマッサージのイメージですが、むしろマッサージを習いませんでした。


インドで経験・学んだこと

周囲がカオスだからこそ、自分自身への理解が深まりました。

そして、自分の人生に対する揺るがない価値観や軸を、以前よりもはっきりと持てるようになりました。

きっと、どこでも生きられそうな自信もつきました。

気づけば、かなりのサバイバルスキルが身についたように思います。

インドでは、意見を伝えたり問題を追及したりする場面で、相手に動いてもらうには、はっきりと強く主張しなければなりません。

最初は、失礼かもしれないと遠慮していましたが、今では現地の人に負けない勢いで対応できるようになりました。

この8年の間に、インドのほとんどの州を訪れる機会にも恵まれました。その中でも印象的だったのが、G20(Y20)という大きな国際行事への参加です。

普段学んでいる分野とは異なる学生たちと出会うことができ、とても貴重な経験となりました。

アッサムにて
カシミールにて
ゴアにて

大学の最後の試験は別名ドクター試験と呼ばれ、その試験合格後は仮免許の様な状態で、ドクターと名乗ってよいという様な紙をもらいます。

そして、1年間のインターンが始まります。

私はインターンを始める前とインターン中に、たくさん休みを取ったので結果的に全てを終わらせるのに、通常の倍くらい時間がかかりました。

しかし休みの間は、ラダック・レー、マナリ、ダラムサラ、ケララ州、タミルナードゥ州など様々な地域に行くことができました。


現在と今後

現在、シッダ医学の「ヴァルマ」を学ぶ大学院修了コースに在籍しています。

東洋医学でいうツボのような重要なポイントです。

今後の具体的な予定はまだ決めていませんが、
オンラインでもう少し積極的に知識を発信したり、インドや伝統医学の魅力を現地で体感してもらえるような、企画ができたら面白いのではないか、と考えています。

また、世界一周の船に中医学(中国の伝統医学体系(Traditional Chinese Medicine:TCM))の方が乗る事がある様なので、アーユルヴェーダもスタッフとして乗れたら、それも面白いキャリアかもしれないです。

自分にできる形で、少しでも世の中にいい影響を与えられる行動を実践していくことが今後の目標です。

最後に、あなたがインドに来る際は、自分の感想を大事にして欲しいと思います。

きっとユニークな体験ができるはずです。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

Miyuさんは、Instagramでアーユルヴェーダやインドでの生活について発信しています🌷


編集後記👩

海外で学ぶという選択には、必ずしも「正解のルート」があるわけではありません。特にインドのように文化も生活環境も大きく異なる国では、想像以上の困難や戸惑いに直面することも少なくないでしょう。

それでもMiyuさんの体験から感じられるのは、困難な環境だからこそ得られる成長と、そこで培われる強さです。

語学力や専門知識だけでなく、柔軟性や問題解決力、そして自分の価値観を見つめ直す力—それらはどこにいても生きる大きな財産になります。

インドという国は、人によって印象が大きく分かれる場所でもあります。
だからこそ最後に書かれているように、「自分自身の感想を大事にすること」が何より重要なのかもしれません。

海外で学ぶことやインド留学を考える誰かの背中を、そっと押すきっかけになれば嬉しく思います。

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