【インド留学体験記】バラナシの名門大でソーシャルワークを学ぶ修士2年生
ナマステ!
インド留学サポーターの女子大生インターンです👩
今回はインドに正規で大学院(修士)留学している阿部宏成さんに留学体験記を書いていただきました!ありがとうございます\(^o^)/
留学生のプロフィール
阿部宏成さん。インド・ウッタルプラデシュ州バラナシにあるインドの名門大学Banaras Hindu UniversityのFaculty of Social Sciences, Department of Sociology, M.A. in Social Work(修士課程・社会福祉学部)に在籍中。現在2年生で留学期間は1年9ヶ月間を予定。
👨「留学を目指す方の参考になれば嬉しいです。」

インド留学を志したきっかけ
国際協力への関心
私が留学を志した背景には、国際協力への関心が根底にあります。小学生の頃から漠然と「国際協力の仕事に携わりたい」と考えていた私にとって、高校3年生の時に訪れたNGO団体で知った事実は衝撃的でした。そこでは、インド・コルカタの売春地帯ソナガチにおいて、自分よりも年齢の低い少女たちが田舎から騙されて売春を強いられている現状を知りました。この現実は、日本で平和に暮らしてきた私の価値観を大きく揺さぶり、彼女たちを支えるために何か行動したいという強い思いを抱かせました。
その後、日本の国際系大学に進学し、インドの政治・経済を学ぶとともにヒンディー語を習得する中で、現地で直接学ぶ必要性を強く感じるようになりました。特に、インドに根深く存在する女性問題を解決するには、インドの社会福祉の仕組みや現地の実情を深く理解する必要があると考え、留学を決意しました。
留学先選びと準備
バラナシのBanaras Hindu University(BHU)を選んだ理由
留学先の候補は複数ありましたが、以下の理由からBHUを選びました。
バラナシに滞在経験があったこと
学士時代に3週間ほどバラナシに滞在し、現地の環境を実際に知っていたため、生活への不安が少なかった。教授の推薦
通っていた日本の大学の教授がBHUに留学していたことも安心材料となった。出願プロセスのスムーズさ
出願した6校の中で、最も早く仮入学の通知が届いたため、手続きの面で有利だった。
インドはアメリカやイギリスのような一般的な留学先ではないため、情報が限られていました。そのため、インドの大学ランキングを参考にしながら6校に出願しました。

留学先BHUの特徴
BHU は1916年に設立されたインド有数の総合大学で、政府から「卓越機関(Institute of Eminence)」に指定されています。学生数は30,000人以上、そのうち約18,000人がキャンパス内に居住し、アジア最大の居住型大学です。
学生はインド国内からだけでなく、アフガニスタン、シリア、タジキスタン、ブータン、ナイジェリア、ボツワナなど、日本ではなかなか出会えないような国の留学生も集まってきています。

地図なしでは迷子になってしまうほどの広大なキャンパスには寺院や博物館があり、観光としても楽しめます。
バラナシはヒンドゥー教の聖地として知られ、巡礼者が多く訪れる歴史ある都市です。特に ガンジス川での沐浴や葬儀、約2,000の寺院が有名です。

留学前の準備
語学力の向上
インドの上位の大学院では、授業は主に 英語 で行われ、時折その地域の言語が使われることもあります。そのため、留学直前まで主に英語に力を入れ、英会話の練習を継続しました。
また、ヒンディー語はBHUが位置する ウッタルプラデシュ州の主要言語 であります。私は日本の大学で第二言語として学んでいましたが、留学時点では自己紹介ができる程度であり、ヒンディー語のみでの会話や授業の理解は困難な状態でした。出願手続き
私は留学エージェントを利用せず、すべて自分で出願手続きを行いました。まず、各大学の国際課のウェブサイトを調べ、メールで問い合わせをしました。一部の大学はメールを介さず、留学生専用の出願ページ から直接申し込む方式を採用していました。
インドの大学院では、留学生向けの入学試験がない 場合が多く、面接すら不要なこともあります。BHUもその一つで、願書を提出すると仮入学の証明書がメールで送られてきました。住居探しとFRRO登録
インドに180日以上滞在する外国人は、入国後14日以内に外国人地域登録局(FRRO)に登録 する必要があります。登録には「C Form」という居住証明書が必要で、これは滞在先のオーナーが発行します。
私は最初に泊まったゲストハウスを住居として登録しましたが、C Formを発行しない宿泊施設もあるため、事前に確認が必要 です。
最も簡単な住居の選択肢は 大学の学生寮 です。私は一時期 留学生寮 に滞在していましたが、シェアルーム だったため、共同生活に苦労しました。学生寮を希望する場合は、大学のウェブサイトで シングルかシェアか、設備は充分かを事前に確認 することをおすすめします。




インド留学のリアル
インド留学サポーター👩:
続いて、インド留学の実態についてです!お~さすがインド、、、!!!というようなお話をたくさん教えていただきました(笑)
学習面:自分以外インド人!?
ソーシャルワーク学部には52名(うち51名はインド人)が在籍し、授業は月曜日から土曜日まであります。月・水・金・土曜日は座学(1コマ60分)、火・木曜日はフィールドワークという構成になっています。

座学では、社会政策、心理学、医療社会福祉、統計学、方法論、NGOマネジメントなど幅広い分野を学びます。授業中は生徒が教授に自由に質問し、議論が展開されます。生徒の素晴らしい意見には拍手が起こります。インド人の授業の積極性には目を見張るものがあります。
しかし、スケジュール通りに授業(座学)が行われることは非常に稀です。ある科目では、教授が別の仕事で忙しく一学期を通して授業が一度しかなかったということがありました。
そして、週に2回、座学で学んだことを実践する場としてフィールドワークが設けられています。生徒は大学から割り振られたエージェント、もしくは自ら選んだエージェントでフィールドワークを行い、1年目と2年目で異なる機関での経験を積むことになります。

フィールドワークの経験
1年目は、身体に障害を抱える人々を支援する団体で活動しました。具体的には、障害を持つ方々へのインタビューや、義肢装具士として働く方々との交流、プロジェクトマネジメントを通じて、ソーシャルワーカーとしての基礎を学びました。
2年目は、「Make-A-Wish」という、難病と闘う子どもたちの夢を叶える活動を行う団体でフィールドワークをしています。たとえば、「ディズニーランドに行きたい」「有名スポーツ選手に会いたい」「特別なものを作ってもらいたい」といった子どもたちの願いに応じたサポートを行っています。
試験・評価について
課題は特になく、中間試験としてレポート提出、小テスト、グループまたは個人のプレゼンテーションのいずれかが課されます。
期末試験は各教科3時間のライティング試験で、英語またはヒンディー語で回答可能です。
試験はSection A, B, Cに分かれており、
• A(5問、各50字以内)
• B(6問から3問を選択し、各250字以内で回答)
• C(4問から2問を選択し、各500字以内で回答)
評価は中間試験30点(出席点も含まれる)、期末試験70点の合計100点満点で、40点未満が不合格(追試対象)となります。なお、全科目の単位を取得しなければ学位は授与されません。
生活面
三つのタイプの住居で暮らして
これまでにゲストハウス、学生寮、賃貸の部屋で暮らしてきました。
• ゲストハウス:比較的高額ですが、24時間水が使用可能で、スタッフもいるため安心感があります。
• 学生寮:非常に安価なのが魅力です。私の住んでいた寮は比較的新しく、部屋も広く、お湯も使えるため設備面では申し分ありませんでした。ただし、一部屋を別のの留学生とシェアしており、生活リズムの違いからストレスが溜まり、2ヶ月で退寮しました。
• 賃貸の部屋(現在):キッチンやシンクがなく、床で調理、シャワールームで皿洗いをしています。また、水を使うためには共用のモータースイッチを押して電動ポンプを稼働させる必要があり、誰かがスイッチを押さなければ水は出ません。スイッチの切り忘れによる水の溢れにも注意が必要です。
食生活
自炊はあまりせず、露店や食堂で食事を済ませることが多いです。
特に週4回ほど通うのが、大学の正門近くにあるネパール人経営のモモ屋です。
ただし、インドの食事はスパイスが強く、油っこいため、日本食が恋しくなることもあります。しかし、日本の調味料は手に入りにくく、和食を作るのは難しいです。

文化面
食文化
インドは世界で最もベジタリアンが多い国であり、人口の26.5%が菜食主義者です。特にヒンドゥー教の聖地であるバラナシではベジタリアン向けのレストランが多く、肉料理への規制も強化されています。
鶏肉や羊肉は手に入りますが、牛肉や豚肉はほぼ入手不可能です。


時間の感覚
インド人の時間感覚は日本とは大きく異なります。
友人との約束は時間どおりに始まらない
授業や大学のイベントも遅れて始まる
期末試験の日程が試験が始まる3日前に知らされる
授業の休講が、開始時間を過ぎてから伝えられることもある
交通事情
インドの交通は非常に混雑しており、特に通勤・通学時間帯は大渋滞になります。
また、
バイクやスクーターが歩道を走る
クラクションが鳴り止まない
といった状況に、最初は大きなストレスを感じました。
街の環境
私の住む地域は、ポイ捨て、唾吐きが日常的で、匂いもかなり強烈です。日本の清潔な環境とは大きな違いがあります。
留学生活で直面した困難とその克服方法
文化の違い
はじめは食事、交通、環境の違いに強いストレスを感じました。しかし、「嫌だ」と思えば思うほどインドが嫌いになってしまうため、「せっかくの経験だから楽しもう」と考えるようにしました。その結果、もともと悲観的だった考え方が、次第に楽観的になっていったと感じます。

人見知りの克服
もともと私は極度の人見知りで、日本人相手でも打ち解けるのに時間がかかるタイプでした。留学当初はクラスメイトに自分から話しかけることができず、孤立してしまうこともありました。しかし、「人見知りで孤立するなら、何のために留学したのか?」と考え、勇気を出して話しかけるようにしました。
ヒンディー語を教えてもらう
ノートを見せてもらう
放課後に一緒に出かける
こうした行動を通じて、少しずつ人見知りを克服することができました。
インド留学を考えている方へ
インド留学は決して簡単ではありませんが、その分、多くの学びや経験を得ることができます。私自身の体験をもとに、「留学前に準備すべきこと」「留学中に気をつけること」「意識してほしいポイント」 の3つに分けてアドバイスをお伝えします。
留学前に準備しておくこと
現地の言語を学ぶ
インドでは英語が通じると思われがちですが、実際には地域によって異なる言語が話されています。例えば、バラナシやデリーではヒンディー語、ムンバイではマラーティー語、コルカタではベンガル語 が主流です。
英語ができても、地元の言葉を少しでも理解できると、買い物やリキシャーでの値段交渉、英語を話せないクラスメイトとの会話 などがスムーズになります。留学前に、最低限の挨拶や数字、簡単なフレーズを覚えておくと良いでしょう。事前に現地を訪れて下見をする
インドの気候や食事、大学の雰囲気などを事前に知っておくことは非常に重要です。可能であれば、実際に進学予定の都市を訪れ、その土地の気候や食文化、大学の設備などをチェックすること をおすすめします。
私自身、進学の4年前にバラナシを訪れましたが、猛暑を経験せず、大学の見学もしなかったため、実際に留学してから苦労しました。 例えば、バラナシの夏は 5月には47℃を記録し、体調を崩しかけた こともあります。また、大学の学部棟を初めて見たときは、その老朽化に驚きました。
おすすめの留学先として、インド北東部(北東州)も検討する価値があります。この地域は、メインランド・インドと比べて気候が涼しく、モンゴロイド系の顔立ちの人が多いため、東洋人差別を受けることがほとんどありません。 食文化も比較的日本人に合いやすく、鶏肉だけでなく牛肉や豚肉も食べることができます。
また、北東部の人たちの話す英語はヒングリッシュと言われるようなクセの強いインド英語ではなく、日本人にも聴き取り易いです。

留学中に気をつけること
食中毒に注意する
インドの食文化は魅力的ですが、衛生環境が整っていない場所も多いため、食中毒には細心の注意が必要です。
私はこれまでに何度も食中毒に苦しみ、1日でトイレに20回以上駆け込んだ こともありました。特に、屋台や露店の食べ物はリスクが高い ため、体調が万全でないときは控えるのが無難です。できる限り自炊をする、清潔なレストランを選ぶ、日本の薬を持ってくる などの対策を取りましょう。野犬に注意する
インドには多くの野犬がいます。可愛らしく見えるかもしれませんが、ワクチン接種を受けているか不明な犬には決して触らないようにしましょう。
実際に、私の知り合いの中には 野犬に噛まれ、狂犬病ワクチンの治療を受けた人が数名います。 万が一、犬に噛まれた場合は、すぐに病院で処置を受けることが大切です。無理をしない
インドの人々は、日本人と比べて非常に距離が近い ことが特徴です。例えば、あまり話したことのないクラスメイトから突然ビデオ通話が来たり、パーティーに誘われたりすることも珍しくありません。
私は電話やパーティーが苦手なので、基本的には断ります。 もし、人との距離が近すぎて疲れると感じたら、無理をせず距離を置くことも大切です。
また、インドでの留学生活は予想以上にハードです。精神的・体力的に限界を感じたときは、授業を休んだり、旅行に出たり、留学生同士でリフレッシュすることも必要です。

留学を通じて大切にしてほしい経験と意識すべきポイント
インド留学を選ぶ人は決して多くありません。そんな中でインドを選んだ皆さんには、日本や他の国では経験できないことを最大限楽しんでほしい と思います。
小さなことから大きなことまで、すべてが学びになる
学校帰りにクラスメイトとチャイを飲む
ハードな試験を乗り越える
ヒンドゥー教のお祭りに参加する
地元の言葉で地元のおっちゃんとおしゃべりする
見知らぬ人の結婚式に飛び入り参加する
ぼったくりに遭って、交渉してみる
こうした一つひとつの出来事が、異文化理解の力を養い、自分を成長させてくれると思います。
まとめ
私は2023年9月から留学を始め、今年卒業を予定しています。この留学を通じて、多くのことを学び、成長を実感しています。
まず、学問的な知識として、ソーシャルワーカーに必要なコミュニケーション、心理学、医療社会福祉、人口統計などを学びました。さらに、フィールドワークを通じて、理論だけでなく実践的な経験も積むことができました。
また、自立心と問題解決能力も身につきました。食事の選択、貯金の管理、時間の使い方など、すべて自分で決めなければなりません。さらに、インドでは日常的に予期せぬ出来事が起こるため、そのたびに冷静に対処する力が鍛えられました。
そして、ここでしか出会えなかった人々とのつながりも大きな財産です。クラスメイトや留学生仲間、バラナシで支えてくれた日本人の方々、旅先で出会った人々など、多くの貴重な出会いがありました。
最後に、インド留学を考えている方へ。
確かに困難やハプニングはつきものですが、それ以上に得られる経験や成長があります。少しでも興味があるなら、思い切って飛び込んでみてください。何とかなります。
インド留学サポーター👩:
阿部さん、本当にありがとうございました!
以前Instagramでも阿部さんのご留学について取り上げさせていただき、今回は来るご卒業へ向けてご自身のこれまでの経験をまとめてくださいました。
インド留学の情報は少なく、留学前後のギャップを予想以上に大きく感じる方も多いです。阿部さんより「留学を目指す方の参考になれば嬉しい」とのことで、今回このような形で、次なるインド留学生に向けて、エールのこもった記事を書き上げていただき、とても嬉しく思います。
StudyIndia インド留学サポートでは、実際にインド留学されている方にご協力をいただき、インド留学に挑戦される方を応援しております。
↓阿部さんの留学体験記 Instagram はこちら↓
