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この国にはこの国の時間とルールがある。インドで暮らし、学ぶということ【大学留学グルガオン】

文化も常識も違う土地で、自分をつくりなおす日々

こんにちは、林 尊斗(はやし みこと)です。

現在、インド・Gurugram(グルグラム)にあるGD Goenka Universityで経営学(Bachelor of Business Administration)を学んでいます。

2024年4月に渡印し、大学の新学期が始まった8月から本格的にインドでの留学生活をスタートさせました。

大学時代を海外で過ごしたいという志向は、進路を考える中で一貫して持ち続けていましたが、思いがけず父のインド赴任が決まり、家族が現地に帯同するという選択肢が具体的に浮上しました。

当初は、まったく未知の国での生活に対する漠然とした不安もありましたが、経済・社会の両面で著しい成長を遂げているインドという環境に惹かれ、現地の大学で学ぶことが自身にとってかけがえのない学びの機会だと感じるようになりました。

このようにして、「海外留学をしたい」という思いは、自然と「インドで学ぶ」という選択へと結びついていきました。

この記事では、そんなインドでの暮らしや学びを通じて得たことを、リアルな目線でお伝えできればと思います。

これから留学を考えている方にとって少しでも参考になれば嬉しいですし、同時に「インドってこんなに奥深い国なんだ」と感じてもらえたら、本望です。

留学先を選ぶ、というより「飛び込んだ」

インド留学と聞くと、まだまだ馴染みのない人も多いかもしれません。実際、私の通うGD Goenka Universityにも日本人学生はおらず、他学部を含めても日本人は私ひとり。そんな環境に自ら飛び込んだのは、「海外で学びたい」という気持ちに加え、インドという国そのものに大きな可能性を感じたからでした。

テクノロジー、スタートアップ、エンタメ、教育など、あらゆる分野で急速な変化を遂げているこの国に身を置くことで、語学や専門知識の習得にとどまらず、“地に足のついた成長”ができる、そんな直感がありました。

渡航にあたっては、父の赴任先に母と妹と共に帯同するかたちだったため、住まいなどの生活基盤はあらかじめ整えられていました。VISAやFRRO(滞在許可証)といった手続きについても、留学サポートをしてくださった中野さん(インド留学サポート)さんの手厚いサポートがあったおかげで、私は安心してインドでの生活を始めることができました。

私が暮らすGurugram(旧Gurgaon)は、首都デリーに隣接する急成長中の都市です。高層ビルが立ち並ぶ一方で、ローカル市場や野良牛が行き交う光景も日常の一部。スタートアップの熱気あふれる都市の風景と、昔ながらの生活が共存するこの街には、さまざまな時代や価値観が折り重なるような、独特のエネルギーがあります

大学選びにあたっては、最終的に二つの大学からご縁をいただきました。一方は経営学部のある総合大学(GD Goenka University)、もう一方はデザイン系の専門性に強みを持つ大学でした。私は小学生の頃から動画編集やデザインに親しんできたこともあり、当初はどちらの道に進むべきか、非常に迷いました。

そんな中でGD Goenka Universityを選んだ大きな理由は、何よりもそのキャンパスのスケールと環境でした。GD Goenka Universityが属する「GD Goenka Education City」は、デリー郊外のアラヴァリ山脈の麓に広がる約60エーカーの敷地に整備されています。東京ドーム約5個分(日本一有名な、日本一わかりにくい例え方ですみません)という広さで、実際に訪れたときには、そのスケール感に圧倒されました。

私が通う大学キャンパスだけでも約20エーカーの広さがあり、図書館や研究棟、スポーツ施設などが緑豊かな環境に調和するように設計されています。まるで大学全体がひとつの「街」のような印象すらあり、日々の生活と学びが有機的に結びつく空間に魅力を感じたのです。

また、学部の構成が非常にユニークである点も魅力のひとつでした。たとえば、“Fire Technology and Safety”や” M.Tech in Aerospace Engineering”といった他大学ではあまり見かけない専門分野が独立した学科として存在しており、こうした柔軟かつ実践的なカリキュラム設計は、現地での学びをより立体的なものにしてくれると感じました。

もちろん、BBA(経営学部)の内容が自分の進路とも合致していたことも大きなポイントでしたが、それだけでなく「多様な価値観や専門性をもつ学生が同じ空間にいる」という環境そのものが、自分にとって非常に刺激的に映ったのでした。

インドの「当たり前」にぶつかって

そうして始まったインドの大学生活は、驚きと戸惑いの連続でした。
まず印象的だったのは、試験スケジュールの柔軟さ―あるいは曖昧さ、というべきかもしれません。

学期ごとのテスト期間はおおよそ1ヶ月と長めに設定されているものの、実際の試験が行われるのはそのうちの1週間ほどに集中します。とはいえ、具体的な時間割が発表されるのは試験開始のわずか1〜2週間前というケースがほとんどで、学習計画を立てるのはもちろん、一時帰国や旅行の予定調整にも影響が出ることもあります。

さらに一番大変だったのが「FRRO」の更新手続きです。これは外国人がインドに長期滞在するために必要な登録証明書で、VISAとは別に申請が必要です。

私の場合、FRROの更新申請から発行までに1ヶ月半以上かかりました。通常は2週間程度で発行されるとされているにもかかわらず、ポータル上に「Under Progress」と表示されるばかりで、一切の進展が見えませんでした。

申請から3週間ほど経ったある日、突然2人の警察官が「FRROの確認に来ました」と自宅に来たときは本当に驚きました。さらに、当初必要とされていなかった銀行口座の情報の追加提出を後からメールで求められるなど、不透明な対応が続きました。

更新が認められなければ不法滞在となってしまうかもしれない、という不安を抱えながら、大学のInternational OfficeのスタッフとともにFRROオフィスを何度も訪問し、職員との直接交渉に臨みました。スタッフが根気強く対応してくださったおかげで、最終的には学生ビザの延長許可を無事に得ることができました。

やりとりはすべてヒンディー語だったため、大学スタッフのサポートがなければ、申請は未だに滞っていたかもしれません。

そうした経験を通じて強く実感したのは、「私たちはあくまでお邪魔している立場だ」ということ。異文化の中で生活する以上、自分の常識をそのまま押し通すのではなく、まずは“咀嚼する”姿勢が大切なのだと思うようになりました。

大学内には日本人は私ひとり。だからこそ、自分の行動が「日本人ってこうだよね」という印象につながることも多くあります。ちょっと大げさかもしれませんが、「日本代表」として恥ずかしくない行動を心がけることも、自分の中のひとつの軸になっています。

日本の文化を、インドの熱気のなかへ

日本とインドの政府が公式に関与し、文化・産業の両面で大きな意義を持つイベントに携わること、そんな貴重な機会をいただけたのが、2024年9月にニューデリーで開催された「Mela! Mela! Anime Japan!!」(以下MMAJ)です。

このイベントは、在インド日本国大使館が主催する「Japan Month 2024」の中核行事であり、私はCreative Directorとして、WebサイトやSNS、会場のビジュアル制作など全体のクリエイティブディレクションを担当しました。

そもそものきっかけは、現地で毎月開催されている在印日本人会「三木会」で、MMAJの実行委員長がイベント開催への強い想いを語られたことでした。その場に出席していた父がその話を家で共有してくれたことをきっかけに、私はすぐに「関わってみたい」と思うようになりました。

その後、これまで自分が取り組んできた動画編集やデザインの実績を実行委員の皆さんにお見せしたところ、ご縁がつながり、Creative Directorとして参画させていただくことになりました。

アニメを日本文化として現地のファンとともに楽しみ、広めていく、そんな思いを形にするべく、「伝わる表現とは何か?」を自分なりに問い続けながらビジュアルや情報設計に取り組み、WebやSNS・掲示物といった“視覚と言葉の領域”を通じて、イベント全体の印象づくりを担う立場として関与しました。

有志の実行委員会の皆さん、現地ボランティアスタッフ、現地アニメファンが想いを一つにして創り上げていった結果、なんと2日間で47,000人以上の来場者を迎えることができ、国内外で大きな反響を呼びました。

「本物のアニメに触れられてうれしい」「夢みたいな時間だった」と語ってくれた来場者の言葉は、今でも心に残っています。

日印両政府が後援し、多くの日系企業が参画するビッグイベントに、責任ある立場で関わることは、18歳の自分にとって決して容易な挑戦ではありませんでした。

それでも、これまで取り組んできた動画編集やデザインの経験を活かし、多くの人にその魅力を届けられたという実感は、私にとってかけがえのない財産となりました。

インドがくれた「強さとしなやかさ」

インドに来てから、自分の中で確かに変わったと感じることがあります。それは、「揺れない軸」と「揺れる柔軟さ」の両方を持てるようになったことです。

理不尽さに出会ったとき、感情的になるのではなく、まず飲み込んで考えてみる。違いを拒絶するのではなく、理解しようと努めてみる。そんな選択ができるようになってきたのは、ここでの日々があったからこそだと思います。

FRROの件にしても、Mela! Mela! Anime Japan!!のプロジェクトにしても、自分ひとりでは決して成し遂げられなかったことばかりです。助けてくれる人がいたこと、支えてくれる存在があったこと。

その事実に支えられ、あらためて感謝の気持ちを深く実感するようになりました。

「インドにいた」ではなく、「インドで何をしたか」「どう感じたか」。そう語れる自分でいたい。これからもその思いを胸に、一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

これからインド留学を考えるあなたへ

インド留学を考えている方に、ひとつだけ伝えたいのは、「この国にはこの国の時間とルールがある」ということです。

FRROなどの手続きは本当に気を揉む場面が多く、進捗が見えないまま何週間も放置されることもあります。でもそんなときこそ、相手を責めるのではなく、「じゃあ今、自分にできることは何か?」と考える姿勢が大切です。

言語や文化の壁を感じたときも同じです。完璧な準備よりも、心の余白と柔らかな姿勢を持って現地に飛び込むことが、結果的に最強の武器になります。

戸惑うことや苦労する場面も多いかもしれませんが、それ以上に心動かされる出会いや学びに満ちた国だと感じています。

最後に

インド留学を通じて私が得た最大の成果は、「常識を疑い、自分で選びなおす力」でした。

あたりまえと思っていたものが通用しない場所で、自分は何を信じるのか。どう振る舞うのか。そんな問いを毎日のように突きつけられる中で、少しずつ、自分の内側が鍛えられていった気がします。

インドという国は、ときにこちらの予想や常識を大きく覆すような出来事に満ちています。予定通りに進まないことも少なくありませんが、本気で向き合えば、その分だけ深く応えてくれる国です。

もし今、少しでも惹かれているなら、その直感を信じてみてください。きっと、その先には想像以上の景色が待っています。

インド留学サポート👩:
林さんありがとうございました!突然のハプニングが日常茶飯事なインド生活をしなやかな強さで受け入れ、仲間を巻き込み、課題を解決していくお姿はインドに来たばかりとは思えないただならぬ実力をひしひしと感じます。今後のご活躍も応援しております!!

林さんがクリエイティブディレクターを務めるMela! Mela! Anime Japan!! は2025年も開催予定(9月13日・14日)です!インドの熱気を浴びれる要チェックのイベントですね!


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