文藝春秋とnoteで開催した、「#未来のためにできること」投稿コンテストの審査結果を発表します!
2024年7月25日から約2ヶ月にわたって開催した、よりよい未来のためにやりたいと考えていることや実際に行動していることについて語る「#未来のためにできること」投稿コンテスト。期間中(7/25-9/20)には、2万1,830件もの作品をご応募いただきました!読み手にも考えるきっかけや気づきをあたえるすばらしい作品を投稿いただき、ありがとうございます。
noteでの応募作品一覧は、こちらをご覧ください。
審査会にて、審査員である山邊鈴さん・角田光代さん・新谷学さんの3名と、文藝春秋 note担当による選考の結果、下記のとおり受賞者が決定いたしました。
なお受賞作品は、雑誌『文藝春秋』2025年1月号(12月10日発売)・文春オンライン・文藝春秋 電子版に全文掲載されています。
グランプリ
私たちの農業を変えた、私たちの言葉 #未来のためにできること
女性農家の悩みを「言葉」によって共有し主体性を取り戻す挑戦を描いた、かなやん(佐藤可奈子)さん。コミュニティを通じて新たな農業の可能性を模索する姿が評価され、満場一致でグランプリに選ばれました。
審査員からも「農業という業界のなかでの女性の立場が旧来からまったく変わっていない、という新しい視点が印象に残った(角田さん)」、「言葉に落とし込んでいる点で説得力があった。机上ではなく、リアリティを持って伝わってきた(新谷さん)」、「伝えたいという気持ちの強さが魅力の作品。実践と思考のバランスがすてきだと思った(山邊さん)」など、未来に伝えていく意思の強さとそれを言葉にして実践した点が評価ポイントになりました。
【受賞者コメント】
大地のゆらぎ。谷から吹く風、彼らの時間軸で変化を起こす微生物、気まぐれな雨と太陽、そして作物たち。農業は言葉なきものたちと、ともにある。その中で私たちは「言葉の力」に気づきました。その言葉は誰かや社会には届かない時もあるだろう。でも自分に届いた自分のための言葉は、内面を変え、未来を変えていた。そんな言葉の力を改めて気づかせてくださったnoteさん、審査員の皆様、協賛企業の皆様、素晴らしい機会を、本当にありがとうございました。
優秀賞
楽しむことが未来をつくる ~日常から生まれる持続可能な社会~
変わりつつある田園風景を守り、楽しむために「麦づくし講座」をはじめた岸隆幸@僕らの集会所さん。講座の活動を通して地域のひとと自然や食をわかち合うことで持続可能な未来を目指したい、という想いが込められた作品です。麦の収穫や草をはむヤギの写真から、作者が残したい農村の風景や活動の様子がうかがえます。
写真がすごくいいですし、やっていることもよく伝わってきます。自身が活動を楽しめているのもとてもいいことで、その想いが周りに伝わって広がっていると思いました。
少しだけドアを開けて
英国住まいのたぬ£ (ポンド)さんが、異文化との壁に戸惑いながらも、ハラル料理を通じてムスリムの女性たちとの交流を試みた体験をつづった作品です。「これを皮切りにとても親しくなった…ということはなかったのだけど」という一文が、文化交流のリアルを映しだしていて印象的です。
「これで円満な関係になりました」などといわずに、他国文化への理解へ向けて一歩を踏み出しました、と正直に書いている点が心に残りました。「少しだけ」がタイトルに反映されているのもいいですね。
今のわたしにできること
「赤い洋服なら買ってあげる」——小さな娘に対して「女の子らしさ」を求める家族とのやり取り。そこから作者のちづさんは、社会的な期待に沿うことを優先してきた自分の過去を振り返り、いまはどうしたいのかを自らに問います。子どもという存在に向かって未来へ想いをつなげる姿勢が評価されました。
「『今はこういう時代』ではなく『私はこう思う』と言ってみよう。」の一文がすごく気に入りました。時代ではなく自分を主語にして、主体的に語ることって大事ですよね。同時に、親と子という、ある種の上下関係のなかでも一緒の目線に立って、深く考えたことが伝わってきました。
海でもくもくとガラスを拾う
「地球にやさしい」をテーマにした自分の結婚式をきっかけに、シーグラスでアート作品をつくりはじめたhikari living店主|emiriさん。砂浜でガラスと一緒に、マイクロプラスチックや大きめのゴミも拾うようになったのだそう。タイパ、コスパの対極にあるアート活動と、すっと体に染み込む自然な文章が評価されました。海やガラスの美しい写真もすてきです。
エッセイとしての文章も掲載されている写真もキラキラと輝き、読んでいて気持ちよく、身近で共感できる作品です。SDGsの目標からみても、海をきれいにするのはいいことですね。
都会の川で泳げる未来を #未来のためにできること
下水処理業界の有志が集まる団体「打ち上げHANAVI」のメンバーでもある作者が、幼いころの自然豊かな川遊びの思い出から、息子にも同じ経験をさせたいという願いを込めてつづった作品。大都市での財源や関心の不足が課題となるなか、未来の子どものために活動を続ける意志が伝わります。
ご自身のお仕事に真摯に向き合っていらっしゃる姿勢を尊敬しました。いまの自分の仕事は息子や幼い頃の自分に誇れるのだろうか、そんな問いに向き合う姿勢が、SDGsをより実質的なものにすると感じます。
各審査員からの総評
◾️山邊鈴さん
どれだけ正直な疑いや葛藤があるかを基準に選びました。審査を通じて、これだけたくさんの種類の葛藤があるのかと興味深かったです。また今回は生活の心構えにつながる身近な課題が多く、日本特有のSDGsのとらえ方だなという気づきがありました。
◾️角田光代さん
毎回、自分が知らないことを知ることができるのがありがたいです。ただ山邊さんがおっしゃるとおり、SDGsというテーマに対して大きな問題は出てこないな、と思いました。「自分が何をするか」という作品が多い印象です。アイデアだけでもいいので、すごく大きなことを考える作品にもぜひ出会いたいですね。
◾️新谷学さん
回を追うごとに応募作品のレベルが上がっている印象です。今回は、①SDGsの理念をどの程度理解し、共感を呼ぶかたちで発信できているか、②理念に基づいて自分のアクションを起こしているか、③それらをエッセイとして表現できているか、素直に伝わってくる作品か、を評価ポイントとしました。また角田さんと同様、大きな取り組みに光を当てていくことも必要だと感じました。

コンテストを振り返って
以下、文藝春秋 note担当からのコメントです。
文藝春秋SDGsエッセイ大賞も第3回を迎えました。
ひとえに、協賛社の方々、審査員の方々、なにより応募してくださった皆様のおかげです。昨年の約2倍もの応募をいただきましたが、数だけではなく年々上がる作品の質にも目を見張るばかりです。
SDGsの達成目標である2030年を目前に、世界には新たな課題が生まれ続けています。
「未来のために考えること」を我々も続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
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投稿期間は終了しましたが、未来のためにあなたができることについて、あらためて考えるきっかけになれればと思います。
ほかの投稿作品についても、以下URLよりぜひご覧ください。

