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「誰にも気づかれない」が開発者としての美学 <ステーブルオペレーション部 小西偉之>

インフォマートの開発部門のメンバーにインタビューし、開発者を職業に選んだ理由から、開発という仕事や手がけたサービスへの想いまでを存分に語ってもらうこの企画。7回目に登場するのは、ITIL部門ステーブルオペレーション部のシニアスペシャリストを務める小西偉之。入社してから今までプレイヤー一筋でインフォマートを支える彼に、開発者としてのこだわり、そして目指す未来まで、さまざまなことを聞いた。

<プロフィール>
小西偉之(コニシ ヒデユキ)
ITIL部門ステーブルオペレーション部/シニアスペシャリスト
2015年入社。大学卒業後から今までエンジニアとしてのプレイヤー一筋で、インフォマートの開発部門を支える。飲食店向け店舗オペレーション管理ツール「V-Manage」の立ち上げにも携わり、現在はデータ基盤の構築・受入・運用保守を行うITIL部門ステーブルオペレーション部にて、シニアスペシャリストとして、データベース基盤の構築などを中心に開発部門をけん引している。

■「誰かの役に立っている」という実感が転機に

──今日はよろしくお願いします。この連載も今回で7回目になりますが、これまでの記事をお読みいただいたことはありますか?
はい。一緒に働いている方々のことを知れるのは面白いですね。なぜエンジニアになったのか、これからどうしていきたいかなど、普段の会話では聞けないようなことも書いてあるので。

──ありがとうございます。緊張せず、思ったことを率直に話してくださいね。早速ですが、エンジニアになろうと決めたのはいつ頃のことですか?
大学を卒業するとき、「ものづくり」に関われる仕事がしたいと考えていました。自分の手で何かを作り、それが誰かの役に立つ。そんな仕事に憧れていたんです。「ものづくり」といってもいろいろあるし、職人的なイメージが強いかもしれませんが、知人がExcelマクロを使って効率化したところ、社内のみんなに喜ばれたという話を聞いて、「IT業界だったらシステムを作ることで役に立てる」と思い、新卒でIT業界へ飛び込みました。

──大学卒業からインフォマートに入社するまでは、どんな仕事をしていたのですか?
エンジニアとして、大手企業から小規模なベンチャーまで、3社ほど渡り歩きました。その後、2015年にインフォマートに入社して、今年でちょうど10年になりますね。

──転職するにあたって、さまざまな候補があったと思います。インフォマートへの入社を決めたきっかけがあれば教えてください。
一つは、前職での経験です。当時、私は官庁関連のシステムを担当していました。主に電話対応で使用されるシステムで、実際に現場を見させてもらったことがあって、そのときに「自分が作ったシステムが本当に役に立っているんだ」と感動したんです。それまでは社内向けのシステムを作ることが多く、利用者の“生の姿”を見る機会がほとんどなかったのですが、この経験をきっかけに「もっと利用者の顔が見える仕事をしたい」と考えるようになりました。そんなときに出会ったのが、インフォマートです。正直なところ、当時は会社のことをよく知らなくて、持っている情報としては、「レストランなどの受発注を管理している」くらい。でも、私の中で、飲食業界で働く方々は自然体というか、素というか。これまでは社内向けということもあり、システムに詳しい人が使うシステムを作ってきましたが、一般の方が使うということは、システムに詳しくない分、リアルな反応を得られるのではないかと。より「BtoC」に近い感覚で仕事ができると思ったんですよね。また、面接後に社内を見学させてもらったときの印象も決め手の一つです。みんなが明るく楽しそうに働いていて、活気にあふれた職場だな、と感じました。「ここならいい仕事ができそうだ」と感じたことを、今でも鮮明に覚えています。

■自由に挑戦できる環境が、成長を後押しする

──期待に胸を膨らませて入社したと言えるのだと思いますが、実際に入社してからはどのような業務に携わってきたのでしょうか?
入社後はさまざまな業務に携わり、少しずつ経験を積ませてもらいました。特に印象に残っているのは、「V-Manage」の立ち上げと認証基盤のモダナイゼーションです。あとは、会社が保有する膨大なデータを活用するためのデータウェアハウス基盤の構築なんかもやらせてもらいましたね。それは本番システムに負荷をかけずに分析できる環境を整えるということで、地味だと思われるかもしれませんが、将来に向けた大切な土台作りだったと思っています。

──「印象に残っている」ところを詳しくお聞かせください。
「V-Manage」は、飲食店向け店舗オペレーション管理ツール。簡単に言えば、店舗でやるべき業務=「To Do」をチェックリスト化して管理するものです。入社後、最初に大きく関わったから、というのも理由の一つですが、実はインフォマートとして初めてクラウド上で立ち上げたサービスなんですよ。現在は、元々あったものを活かして改良していくことが多いのですが、当時は「過去のしがらみにとらわれず、自由に一から設計できる」「初めてだからこそ好きにできる」という貴重な機会でした。今思い返しても、チャレンジさせてもらえたことは、良い経験になったなと感じます。

──現在もなかなか大がかりなプロジェクトが進行中と聞いていますが、意識していることや大変だと感じることはありますか?
進行中のため詳しいことはお話しできませんが、近年、サービスの規模拡大やトラフィックの増加、セキュリティ要件の高度化に伴い、より柔軟で持続的に改善できる仕組みが求められています。そのニーズに応えるためには、クラウドネイティブ化、つまりクラウドの自動化や拡張性を最大限に活かす構成への移行を進めなければいけません。すでに数多くの企業様に日々ご利用いただいているものを、認証基盤を止めずに移行しなければいけないのはやはり大変ですね。「お客様が気づかないうちに移行が終わっている」という理想を掲げながら、裏側では緻密な準備と検証を繰り返しています。これを達成することで、従来の仮想サーバー上で手動管理していたミドルウェアをクラウド管理に移行し、運用負荷を軽減できる。でも、互換性やデータ形式の違いといった“見えない壁”もある。当時主流だった認証サーバーも、年月が経つと移行先の形式と合わなくなり、そのまま移すとデータが壊れる可能性もあるので、ユーザーにパスワード再設定を求めずに済む方法を一から探しました。たしかに大変なこともありますが、仲間に支えられていると日々実感しますね。

──どんなときに「仲間に支えられている」と感じますか?
このプロジェクトでは、個人のスキルだけでなくチームの連携が不可欠なのですが、今のチームは議論をしながら「これで行こう」と方向を合わせ、みんなで同じゴールを目指しています。何かあっても、「誰が悪いか」ではなく、「どう解決するか」に自然と意識が向く。そういう空気があるのは心強いですよ。また、認証基盤の刷新は、単なる技術移行ではなく、インフォマートの“次の10年”を支える基盤づくりでもあります。「安定して動くのが当たり前、だからこそ裏で支える人たちがいる」ということを実感しますし、ユーザーの誰にも気づかれないというのが一番いいんです。そういう仕事をしていることに、誇りを感じています。

■「プレイヤー」として、やりがいを感じる毎日

──現在の肩書は「シニアスペシャリスト」とのことですが、マネジメント業務には関わっていないのでしょうか?
そうですね。あくまでプレイヤーとしての仕事が中心です。本音を言うと、マネジメントにそこまで興味がないというか……。自分で考えて、手を動かすほうが性に合っていると感じています。

──小西さんにとってはエンジニアという仕事がそれほどまでに楽しいということですよね。エンジニアの仕事をしていて、「これが魅力だ」と感じるのはどんなことですか?
この仕事の魅力ですか……。日々の中に、たくさんの達成感が散りばめられていることだと思います。「新サービスや新機能のリリースを終えた」など、大きな達成感を得られる瞬間ももちろんありますが、私にとって一番のやりがいは、日々の小さな成功を積み重ねていくことにあります。テストがすべて通った瞬間、昨日まで動かなかった機能が思いどおりに動いた瞬間、エラーの原因を突き止めて修正し、正常に動いたときの“よし!”という感覚。その一つひとつがご褒美です。傍から見れば、開発の現場は地味で孤独に見えるかもしれません。でも、その小さな喜びの積み重ねが、毎日の仕事を支えてくれているんです。

──「小さな成功」「小さな喜び」の中で、忘れられない出来事があれば教えてください。
ある日、居酒屋に行ったときのことです。閉店間際、店長さんがカウンターでノートパソコンを開いて、何やら作業していたんです。チラッと画面が見えたのですが、そこには「BtoBプラットフォーム 受発注」が映されていました。私が直接関わったサービスではありませんが、「同じ会社の仲間が作った仕組みを、現場で使ってくれているんだ」と思うと胸が熱くなりました。自社の技術が現場の当たり前として息づいている光景を見たとき、この仕事の意味を改めて感じました。もちろん、すべての仕事が順調に進むわけではありません。正解がわからずに数時間悩むこともあります。けれど、トラブルを一つずつ解決するたびに、確かな手応えを感じるんです。問題を丁寧に追いかけていけば、必ず前に進めると実感できるのも、この仕事の面白さだと思います。

──仕事をするうえで、小西さんが意識していることや大事にしていることはありますか?
基本中の基本かもしれませんが、強いて言うなら「情報共有」でしょうか。正しく情報共有するためには、実際に起こったことを詳細に記憶(記録)しておく必要があります。新人の頃に「情報共有はしっかりしろよ」と教わって以来、気づいたことやつまずいたことを何でもメモに残すようにしていますね。実際に、このメモ癖が役立った話がありまして。以前、困りごとがあってネットで検索してみたら、昔自分が書いたブログがヒットして、それを参考にしたら問題を解決できたんです。あのときは、思わず笑っちゃいました(笑)。過去の自分が未来の自分を助けてくれたような、不思議な感覚でした。

■インフォマートらしさを武器に「誰もが知っている会社」へ

──ここまで過去と現在のお話を中心に聞いてきましたが、未来のお話もお聞きしたいです。インフォマートで働くには、どんな人が向いていると思いますか?
私もたまに面接をさせていただくことがありますが、個人的に重視しているのは、「長く続けてくれそうかどうか」。採用には多くの人の時間と労力がかかりますから、せっかく入社したなら、定着してほしいです。インフォマートには穏やかな性格の人が多く、それがこの会社の良さだし、私自身、そういう人たちに支えられて10年続けてこられました。そうした雰囲気に馴染める人が長く活躍してくれるのではないかと。技術は入社してから覚えれば大丈夫。大切なのは、誠実で協調性のある姿勢だと思います。

──最後に、誠実で協調性のある仲間たちとともに、どういう会社にしていきたいか、今後どんなことをしたいかなど、将来の展望を教えてください。
インフォマートは飲食業界で高いシェアを誇っていますが、今後は他業界にも展開していきたいと考えています。ビジネスパーソンなら誰でも知っている会社になってほしいですね。そのためには、長年蓄積してきた膨大なデータがカギになります。新しい事業を生み出したり、生成AIなどの新技術と組み合わせたり。インフォマートにしかないデータを活かして、まだ見ぬ価値を提供できると思っています。そのうえで、新しい技術が出たら、ちゃんと追いついていける自分でいたいです。そのためにも日々、作ることをやめずに、ずっと現場にいたいと思っています。


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