《葬送のフリーレン》「魔王は生きている」のか?(アブダクションという手法)
アニメ第1期の範囲までのネタバレがあります。
アブダクションという手法
私は「魔王は生きている」と考えています。
正確に言うと、あの世界の人々は「勇者ヒンメル一行が魔王を倒した」と信じていますが、これは間違っていて、「勇者ヒンメル一行は魔王を倒していない」と私は考えています。(真実を知っているのは、ヒンメル、ハイター、アイゼン、ゼーリエです)
ですが、なぜそう考えるのかを説明することはなかなか難しいです。私の記事をいくつか読めばわかるようにはなっているのですが、数千字程度でわかりやすく説明することは私にはできません。
というのは、これは
「魔王は生きている(倒されていない)」と仮定することで『フリーレン』の多くの謎が上手く説明できます。
これよりも優れた(多くの謎を統一的に説明できる)仮説はまだ見つかっていません。
ですから、この仮説を使って『フリーレン』を再読してください。
貴方はどう感じましたか?
としか言いようがないからです。
これは三種の論理的推論のうちの一つ、「アブダクション(仮説形成)」と呼ばれる手法なのだそうです。(今、知りました)
この「魔王は生きている」という仮説に思い至って以降の私の記事の多くは、実は、
『フリーレン』を読んで謎を見つける
疑問点を説明する
この仮説を使って謎を解く
という形式になっています。(それだけではないですけれどもね)
それくらい有用な仮説なのです。
謎の例を三つ
クヴァール討伐の経緯
一番わかりやすい謎は、クヴァール討伐の経緯だと思います。ヒンメル達はクヴァールに勝てなかったため、封印して80年後にフリーレンが討伐しました。「魔王を倒した」はずの勇者一行ですが、魔王の部下には勝てなかった…という謎です。(第1巻5話)

ハイターはフェルンに魔力制限を教えていた
こういった謎をもっと序盤から探すなら、「なぜハイターはフェルンに魔力制限を教えていたのか?」はどうでしょう。(第1巻2話)

魔力制限は魔族を殺すための特殊な技術です。魔法学校の生徒や一級魔法使い達はそんな技術は習得していません。「実用的な技術」ではないからです。(第6巻57話)

ハイターはフェルンの未来に何を想定していたのでしょう?
魔王を倒すのは「平和な時代の魔法使い」
もっと遡ってみます。第1話です。魔王を倒して「平和な時代」が始まりました。

しかし、フランメは魔王を倒すのは「平和な時代の魔法使い」であるフリーレンだと言っていました。これでは「鶏が先か卵が先か」の循環論法ではないでしょうか?(第5巻43話)

謎が指し示す真実
このように「魔王は生きている」という仮説は多くの謎を上手く説明することができます。
ただ、勘違いして欲しくないのは、私はこの仮説が正しい(作者の構想と一致している)と考えているわけではないということです。
多くの謎を上手く説明できるからといって「魔王は生きている」ことの証明にはなりません。「魔王は生きている」という仮説を下支えしているだけです。
Wikipediaの「論理的推論」のページにある「アブダクション」の例です
芝生が湿っている。
雨がふると芝生が湿る。
したがって、雨がふったに違いない。
しかし、誰かが庭に水をまいた可能性もあります。
謎の一つ一つは、ある一つの真実(作者の構想)を指し示しています。「魔王は生きている」という仮説が多くの謎を上手く説明できるということからわかるのは、この仮説がその真実からそう遠くない所にありそうだということです。
私はもっと良い仮説(多くの謎を上手く説明できる仮説)を探しています。
けれども、なかなか見つかりません。
もし、見つけたら教えてください。
是非、皆さんもこの手法で『フリーレン』を再読、再視聴してみてください。『フリーレン』をもっと楽しめるようになります。『フリーレン』に関する記事を200本以上書いている私がお勧めする読み方です。
おわりに
この仮説に私が最初に「あっ!」と気付いたのは、一級魔法使い試験でのゼーリエによるフリーレンの面接の場面です。(第6巻57話)
これについては既に記事を書いているのですが、今ならもう少しわかりやすく書ける気がするので、後で書いてみようと思います。
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《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。
200本以上の記事がありますが、最初の考察記事としてお勧めなのはこちらです。
これを読んだ上で、フランメ、ヒンメル、エーヴィヒ、ゼーリエ、大魔法使い、などで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。
