《葬送のフリーレン》アニメ2期予習 第61話「封魔鉱」

原作最新話(第147話)までのネタバレ及び今後のストーリー予想を含みますのでご了承ください。

今回は第7巻61話「封魔鉱」を読んで、気になるポイントを拾ってみます。

パーティー、仲間

封魔鉱は細かい話になりそうなので後回しにします。そうすると最初はパーティーとは?です。

パーティーとは?と言えば第4巻31話「混沌花」ですね。ほとんど同じ話をしていると感じます。

ザインの答えは、「このパーティには”年上のお姉さん”が足りない(他に不足はない)」というものでした。(私見)

第31話ではザインの回想に司教のハイターが登場して仲間を信じることの大切さを説明しています。(第61話はフリーレンによる回想で、勇者一行が登場します)

この時のハイターの言葉は、魔王戦の状況を推測する数少ない手掛かりの一つになっています。

「魔王を必ず倒す」とはいつも勇者然としているヒンメルがいかにも言いそうな台詞で、逆に、そんな熱のこもった台詞はフリーレンらしくありません。では、一体どのような状況でヒンメルではなくフリーレンが「魔王を必ず倒す」と言ったのか?

なぜここでハイターは幼馴染の親友にしてリーダーの勇者ヒンメルではなくフリーレンを信じることになったのか?

こういう二つの不思議があると私は思いました。「魔王を必ず倒す」というフリーレンの台詞の背景に普段とは異なる異常事態の雰囲気があるのです。(ラスボスの魔王戦ですから当たり前ですが)

考えてみるとおもしろいと思います。

「逃げる」

パーティーの次は「逃げる」です。

「逃げる」は通常の用法ではネガティブな意味を持つ言葉ですが、シュタルクが「逃げる」をポジティブに捉え直す過程を描くシリーズものです。

シュタルクは今はまだ「逃げる」ことを否定的に捉えています。(かつてのアイゼンと同じく)

フリーレンは「逃げる」ことを肯定的に捉え直して、場合によっては「逃げる」という選択もありなのだとシュタルクに示します。(かつてヒンメルがアイゼンに示したのと同じく)

興味深いのは、フェルンはシュタルクに対して一貫して「あなたは逃げない」と言っていることです。(第2巻11話、第3巻26話)

フェルンは「逃げたっていいじゃないですか」とは言いません。「逃げたい」、「逃げるかも」と思っているシュタルクをフェルンは認めようとせず、「あなたはそんな人ではないはずだ」、「そんなことは許さない」と言うのです。フェルンは「ありのまま」を認めません。「こうあるべき」という規範意識が強く、しかもそれを他人にも当てはめようとするちょっと難しい性格をしています(朝寝坊や夜更かしを許せない等々)。

他方で後のデート回ではフェルンは「シュタルクらしさ」を求めるのですから、シュタルクは大変だなぁと思います。(第7巻67話)

この第61話でフリーレンは「一緒に逃げようか」とシュタルクに提案しますが、この提案を聞いたフェルンの反応は描かれていません。確認して頂きたいのですが、マンガではフェルンは描写されても終始こちらに背を向けていて表情がわからないのです。

毒極竜から何とか逃げおおせてフリーレンが「怖かったね」「逃げるのも悪くないでしょ?」と言った時もフェルンは表情を見せません。台詞もありませんし、妙なくらいにこちらに背を向けています。フェルンが表情を見せるのはシュタルクが腰を抜かして座り込んでいるときで、「情けない…」とでも言いたそうにシュタルクを見ています。

アニメではどう描かれるでしょうか。確認してみたいと思います。

なお、フリーレンの言葉とフェルンの言葉はどちらが正しいという話ではなくセットになっていて、作品としては「逃げたければ逃げれば良い」というようなヌルいことは全く言っていないと私は思います。逃げるべき時は恥辱に塗れようが何だろうが自分の誇りなど捨てて逃げる。戦うべき時は信じている仲間もいるのですから歯を食いしばって踏み留まって戦う。そういう厳しい話をしています。まあ、人類最強の戦士アイゼンの教えですから、当然ではあります。

フェルンの言葉はシュタルクにとってある種の「呪い」になってしまうのではとも思うのですが、きっとこれは予言なのでしょう。シュタルクと血塗られた軍神・リヴァーレとの戦いで、恐怖に足のすくむシュタルクがフェルンの言葉を思い出して勇気を振り絞って踏みとどまる、といった場面を想像します。

封魔鉱

順番が前後しましたが…「魔法を無効化する力を持った鉱石」である封魔鉱が登場します。付近では魔力探知も使えなくなります。魔力を込めると光るという性質もあります。

フリーレンは「魔法を無効化する」と説明していますが、「魔力の操作を無効化する」という理解の方が適切だという気がします。魔力操作が無効化される結果として魔法も魔力探知も使えなくなるという整理ができるからです。

魔力探知を封じられたフェルンは不安そうです。

魔力探知だけではなく、視力まで奪われているユーベルと比べてください。(第14巻128話)

ユーベルはまるでグラオザームと戦っていたときのヒンメルのようです。(第13巻118話)

つまり、ユーベルには「普段から魔力探知に頼り切っている弊害」が生じておらず、「持たざる者の研ぎ澄まされた感覚」を保っている様なのです。

帝国編でユーベルは優れた聴力を披露しています。(第14巻131話)

こういったところから、ユーベルのバックグラウンドとして魔法使いではない何かがあるのでは?たとえば戦士としての訓練を受けていた過去があるのでは?といった推測もできると思います。

それで私はユーベルは元・影なる戦士だと予想したことがあったのですが、これは外れていたようです。イーリス達との戦いで「戦士ってこんなに速いんだ」と驚いていますから。

ユーベルはなぜ「持たざる者の研ぎ澄まされた感覚」を持っているのか?

ユーベルの過去は未だ謎です。

そして、影なる戦士のイーリスも優れた聴力を持っています。(第15巻141話)

これは、ユーベルとイーリスに何か関係があると考えるよりは、大陸魔法協会と影なる戦士に一人ずつ優れた聴力の持ち主がいると考えるのが良さそうな気がします。つまり、音が鍵になる可能性です。(宵の鐘もそうです)

封魔鉱の利用とゴーレム、紙飛行機

封魔鉱も今後どこかで鍵になりそうなアイテムです。

現時点でその可能性を感じるのは、先程から引用している帝国編の魔導特務隊です。(第14巻128話)

ユーベルは「体内の魔力操作を乱された」と分析していますから、可能性は十分ありそうです。(第14巻131話)

魔力探知というのも結局は魔力操作なんですね。魔力探知同士は相互干渉を起こしますし(第15巻139話)、相手の魔力探知を逆探知することができます(第8巻73話)。そういった所から、私の魔力探知のイメージは、魔力を触手のように伸ばして周囲の魔力を探ることです。

ユーベルの言うとおり「問題はどうやったのか」ですが…

ここで魔導特務隊が使っている仕組みは、フリーレンだけではなくユーベルも気付いているのですから、それほど突飛なものではなさそうです。勘の良い魔法使いなら気付く程度のもので、神話の時代の伝説級の魔法といった大仰なものではなさそうだと感じます。(第15巻139話)

ユーベルはここでその仕組みの想像がついたらしく、手首のロープを見ています。つまり、ユーベルとラントの手首を縛っているロープ(これにも魔法を封じる効果があります)の仕組みと同じなのかもしれません。ロープには封魔鉱の微小な結晶が練り込まれているのではないでしょうか。

思い付いたのは、封魔鉱の微小な結晶を羽虫のような超小型の飛行型ゴーレムに運ばせて、頸椎付近(?)に取り付くというアイデアです。レルネンのゴーレムも瓶に入っていましたね。SFっぽくて世界観にそぐわない感じもしますが、フランメは様々なゴーレムを作っていました。(第11巻106話「ゴーレム」)

第106話で登場したのは調理用ゴーレムで、世界観を無視して言い換えればゴーレムとは要はロボット(機械)です。魔法の力で動くのか科学技術の力で動くのかの違いはありますが、私達の世界と同じ様な物がフリーレンの世界にもあるわけです。フランメは掃除用ゴーレムだって作っていたかもしれません。

そして、この第106話「ゴーレム」でフリーレンが報酬に受け取った魔導書を覚えていますか?

「紙飛行機を遠くに飛ばす魔法」なんですねえ。

ここは「この世界に”紙飛行機”とはこれ如何に?」という突っ込みをよく見かけます。飛行機が広く知られた存在でなければ「紙(の)飛行機」という言葉や概念も存在しないはずですから、この場面だけ取り上げれば確かにその疑問も理解できます。

けれども、様々な用途のゴーレムの存在を示唆するエピソードで紙飛行機も登場しているわけです。作者の仕掛けたちょっとしたヒントでは?という気がしてきます。

フランメの時代には空を飛ぶ機械(ゴーレム)が存在していたのでは?という想像力を働かせてみても良いでしょう。(ただ、かなり小さなものしかなかったと思います)

なお、作中の設定としての繋がりはないけれども、メタ的には繋がりを感じるこういったヒントの存在はときどき感じます。

たとえば、ロレ(修道女シスター)の安酒発言(第14巻134話)は当然に皇帝酒とミリアルデ(第8巻69話)を連想させます。同時に、ミリアルデはお祈りのポーズをとっている聖杖法院のトップとシルエットがそっくり(第14巻128話)、などです。ロレとミリアルデに直接の関係があるとは考えにくいのですが、「女神様に仕える修道女シスター」という一点で繋がりがあるのではないか?(作者からのヒント)

こういったところから、聖杖法院は修道女シスター修道僧モンクの集団で、法院長はエルフの里を脱出した後にシスターになったミリアルデではないか?そういえばモンクのクラフトは300年前に同族と会っています(第3巻24話)。それがもしかしてミリアルデ…?こんなふうにどんどん想像が繋がっていきます。これが妄想なのか仮説と言えるものなのかの判断はお任せします。

おわりに

第61話そのものの感想はほとんど書けませんでした。パーティーとは?といったことや仲間との信頼関係については、重要なことですから何度も繰り返し描かれます。

ですから、ここに何か新しい感動があるかというと、それほどでもありません。でも、アニメで観るとエモーショナルになって何か出てくるかもしれませんね。

《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。

180本以上の記事がありますが、最初の考察記事としてお勧めなのはこちらです。

これを読んだ上で、フランメ、ヒンメル、エーヴィヒ、ゼーリエ、大魔法使い、などで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。

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