『ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア』(山田鐘人)に見る『葬送のフリーレン』
『ぼっち博士』(2016)からは、後の『葬送のフリーレン』(2020)に昇華されるいくつかの断片を見つけることができます。
その断片に共通するのは、それが「他者を媒介とした出会い直し」であることかもしれません。
たとえば、『フリーレン』全体をとおして何度も繰り返される「他者を媒介とした過去との出会い直し」や、『フリーレン』の「新年祭」のエピソードで見られる「他者を媒介とした日常との出会い直し」です。
『ぼっち博士』と『フリーレン』との大きな相違は、『ぼっち博士』が全2巻で既に完結している点です。
繰り返した「出会い直し」の末に、そこに留まらず「新しい出会い」に向かって行く。(他者と共に)
完結しているが故に、その姿まで描かれており、その「新しい出会い」に向かう姿にこそ美しさを感じます。
そういう意味では、『フリーレン』のファンなら読んでみても良い作品かもしれません。
ただ、一つの作品として見た時に『フリーレン』と比較してしまえば、『ぼっち博士』はまだ「習作」のレベルにとどまっている、というのが正直な印象です。
『ぼっち博士とロボット少女の絶望的ユートピア』(山田鐘人)
https://www.amazon.co.jp/dp/4098527952/
『葬送のフリーレン』(山田鐘人、アベツカサ)
https://www.amazon.co.jp/dp/4098501805/
『葬送のフリーレン』に関する記事はこちらにまとめています。
