《葬送のフリーレン》アニメ2期予習 第63話「南の勇者」

原作最新話(第147話)までのネタバレ及び今後のストーリー予想を含みますのでご了承ください。

南の勇者に関しては既にかなり論じていますので、重要な箇所にざっと触れるにとどめます。


「私の魔法(ひみつ)」

芝居がかったカッコつけた台詞回しや、キザっぽい雰囲気がヒンメルに似ているといった印象論はともかくとして…

南の勇者の最大の謎は、「なぜ人間である南の勇者に完全な未来視が可能だったのか?」でしょう。(第15巻145話)

人類と魔族の魔法体系には天と地ほどの開きがあるというこれまでの世界観を前提にすると(第12巻108話、第10巻97話)、シュラハトと同じように南の勇者が完全未来視の魔法を使えたという説明には簡単には納得しがたいものがあります。

シュラハトは七崩賢ではありません。ただ、「身体や脳の構造などの生物的な違い」のために、そもそも人類には扱えない魔法というものが存在するのです。完全未来視の魔法は相当に高度な魔法ですから、人類に扱えるものなのかはかなり疑問です。

つまり、南の勇者の完全未来視能力を説明するためには、そのためだけの特別な設定が必要になります。

もしこれがご都合主義的に世界観を変更する設定であれば読者としては興醒めです。逆に、変に世界観をいじらないエレガントな説明であれば「そういうことだったのか!」と得心できます。

ですから、南の勇者の完全未来視能力の説明は、フィクションにリアリティを持たせるためのかなり重要なポイントなんですね。(下手をすれば読者は白けてしまいますが、上手くいけば凄く盛り上がります)

ということは、作者はここで読者をアッと驚かせて同時に納得させるような相当に練り込んだアイデアを用意していると想像できます。

この点と関係するのが「私の魔法ひみつ」です。(「魔法」に「ひみつ」のルビ)

ここで南の勇者は「私の秘密」と発言しています。フリーレンが耳にしたのも「私の秘密」という言葉です。

どうでしょう?

「私の魔法」だと思い込んでいませんでしたか?

でも、南の勇者は「魔法」とは一言も言っていません。

だとすればこれはちょっとした叙述トリックになっているわけです。「南の勇者は完全未来視の魔法を使っている」という方向に読者をミスリードするための叙述トリックです。

ということは、真実は逆方向にあり、南の勇者は完全未来視の魔法を使っているわけではないことになります。

アニメを視聴した印象がどうなるか楽しみなところです。マンガでフキダシの中の「私の魔法ひみつ」という台詞を読むのと、アニメで「私の秘密」という声優の台詞を聞くのとではかなり印象が異なると思います。

ちなみに、南の勇者の完全未来視能力について私はこう考えています。南の勇者は未来から来た未来人(タイムトラベラー)だから未来を知っている。(その正体はヒンメル)

南の勇者とヒンメルが同一人物かどうかは声優で確認できると思うので、そこも楽しみですね。はずれていたらごめんなさい。(ヒンメルとは別人物だとしてもタイムトラベラーである可能性は残ると思います)

「北部高原最北端」

南の勇者は「北部高原最北端」でシュラハトと相打ちとなって命を落としたとされています。(死体は見つかっていません)

この「北部高原最北端」とは、黄金郷編でグリュックが説明している「北部高原の最北端」の城塞都市のことでしょう。(第10巻92話)

ソリテールは何のために「北部高原最北端」の城塞都市を襲撃したのでしょう?気紛れでそんなことをするはずがありません。

ソリテールは「魔王様もシュラハトも君も(中略)魔族としての性質を持っていた・・・・・」と語っています。(第11巻103話)

「持っていた」ということは、「持っている」ことをソリテールが過去にどこかで確認したと解釈するのが自然でしょう。

いつ?どこで?

ソリテールはフリーレンとクヴァールやアウラとの戦いの痕跡を調査していました。(第10巻97話、第11巻99話)

ということは、ソリテールは「北部高原最北端」の城塞都市で南の勇者とシュラハトの戦いの痕跡も調査したのでしょう。そしておそらく魔王城で勇者一行と魔王の戦いの痕跡も調査しているのでしょう。

だから、「持っていた」と言えるのだと思います。

ソリテールの説明からは、戦いの痕跡からかなり多くの情報が得られることがわかります。フリーレンの魔力制限についても、フリーレンがアウラの魔法を解除していたことも判明しています。(第11巻101話、第10巻97話)

そうなると、ソリテールが南の勇者の最期や勇者一行と魔王との戦いの秘密について知っていても不思議ではありません。(当事者を除けば魔王戦の詳細を知っているのはソリテールとゼーリエということになります)

これはとても重要な伏線だと思います。ソリテールはフリーレンとの戦いで既に命を落としていますが(第11巻102話)、今後のストーリーに関わる重要なキャラクターになると予想します。

おわりに

南の勇者、ヒンメル、ソリテールについては考察記事をたくさん書いていますので、ぜひどうぞ。

《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。

180本以上の記事がありますが、最初の考察記事としてお勧めなのはこちらです。

これを読んだ上で、フランメ、ヒンメル、エーヴィヒ、ゼーリエ、大魔法使い、などで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。

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