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ジークアクス 不良のニャアンと良い子のマチュ

ニャアンのレジリエンス

ここのニャアンのカットがすごくいいなと思った。

マチュとニャアンが衝突して倒れる。

マチュは仰向けに尻もちをつき、顔を顰めながらごく普通に起き上がる。何の特徴もなく、印象に残らない。

それに対して、ニャアン。うつ伏せに落ちて、右肘から先全体と左手の掌を地面について上体を起こしている。腕の力で頭と上半身を起こすこの動きからは、力強さを感じる。(ぱっと見だと横から見ているようだけど、奥の足の膝が顔の下に描かれていることからわかるとおり、結構前方向(?)から見た絵になっていてかなり圧縮されており、そこも力強い印象を強めていると思う。)

目の描かれ方もマチュとニャアンではかなり異なる。

マチュの目は普通に「他人とぶつかって転んだ時の目」で、そこにあるのは自分の痛みや、他人を傷つけたかもしれないことへの焦りだ。

けれども、ニャアンの目は…痛みの次に来るのはマチュへの気遣いではなく「こいつ…」というような反骨や気丈ではなかろうか。おそらく、他人とぶつかって転んだ時にこういう目をする人は、今までマチュの周りにはいなかっただろう。

この(↓)数秒間だけで、ニャアンのレジリエンスが伝わって来る。

不良のニャアンと良い子のマチュ

設定を紐解いてみると…

マチュは、何不自由なく暮らしているが学校と塾通いの退屈な日常に鬱屈している。学校では着衣のままプールに飛び込むなどの奇行もあるが、あの年頃なら「よくある」と言っていい程度だろう。多少は心配なところもあるが基本的には真面目に学校・塾に通う、大人から見れば「良い子」である。

対するニャアンは、もともと難民で両親は安否不明、非合法アルバイトをして暮らしており、学校には通っていない。作中でチームのボス(アンキー)に制服は偽物だと指摘されている。よく見るとサイズが合っておらず、ブラウスの袖が上着からかなりはみ出している。古臭い言葉だが「不良」に分類される少女だ。

自分はおじさんなので、学校に行けないのにバイトして偽物の制服を買って着ている(その格好で日中バイトしてたら余計に目立つだろうに)そのニャアンの内心を想像するだけで「もうだめ」である。普通の高校生であるマチュには、おそらく、そんなことは想像できないだろう。

だから、マチュはニャアンのようなレジリエンスを持ち合わせていない。

にもかかわらず、にもかかわらずなんだけど、お話はマチュが破天荒に引っ張っていく。

そこはほんとうに意外だった。

(この点、1つの作品としては未完成な印象になるのは免れないが、TV放送時に補足されるのだろう。個人的には、ガンダム初体験の小学生でも楽しめるものにしてほしかったと思う(前半はつらいだろう)。まあ、「お子様はTVでどうぞ」という想定なのだろう。)