《葬送のフリーレン》「現存する三人の大魔法使い」にフリーレンは含まれるか?(第45話,第133話)
結論としては、シュリットの言う「現存する三人の大魔法使い」(第14巻133話)にフリーレンは含まれないと私は考えます。以下、考察です。
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「大魔法使い」と呼ばれる魔法使いは4人確認されています。(このリストは最後に考察結果を踏まえてアップデートします)
フランメ
ミーヌス
ゼーリエ
フリーレン(最後の大魔法使い)
フリーレンは「最後の大魔法使い」と呼ばれています。(第5巻45話)
これは、一級魔法使い試験の一次試験でフリーレンがゼーリエの結界を破壊した際にゲナウがそう呼んでいたもので、正式な称号かどうかはわかりません。
まずは、その場面を見ます。ここは可能であればマンガを実際に見てください(第5巻45話「水を操る魔法」)。コマ割りでゲナウの感情が表現されていて、それが考察の要素になります。アニメですとS1-EP21「魔法の世界」で、こちらはゼンゼとゲナウの感情を抑えた声と対照的に盛り上がるコーラスの入った劇伴が心を揺さぶります。(余談ですが、アニメでの感情を抑えた声と感情的な曲という対照性はフェルンvs.リュグナー戦(S1-EP9)でも使われていて非常に効果的だと感じます)


【右ページ】
ゲナウ:…ゼンゼ。あのエルフの魔法使いは何者だ?
ゼンゼ:受験者名簿によると名はフリーレン。
ゲナウ:勇者一行の魔法使いと同じ名だ。
ゼンゼ:それに彼女は聖杖の証を持っていたらしい。
【左ページ】
ゲナウ:…最後の大魔法使いか。
まず、ゼンゼからフリーレンの名を知らされたゲナウは「勇者一行の魔法使いと同じ名だ」と気付いて、すぐ反応します。特に慌てる様子はなく、落ち着いていますね。
しかし、フリーレンが大魔法使いであることにはまだ気付いていません。
次に、ゲナウはフリーレンが聖杖の証を持っていたことを知らされます(ゼンゼはレルネンから知らされていたのでしょう)。これは右ページの最後のコマです。
そして、視線を移動させて左ページ最初のコマを見ると…
ゲナウはショックを受けて固まっています。フリーレンの名前を知らされて勇者一行の魔法使いであることに気付いた時は、さらっと反応していました。勇者一行の魔法使いであることよりも、大魔法使いであることの方がずっと衝撃的だったのです。(この点は後の考察で利用します)
ゲナウは一拍おいてから「…最後の大魔法使いか」と呟きます。(前のコマではゲナウと同じ高さにあった視点(カメラ)はゲナウからぐっと遠ざかって高い位置から見下ろしています。これもゲナウが受けた衝撃を表現していると思います。ゼンゼはゲナウから離れて、遠くを見ていますね。フリーレンの実力を見誤りショックを受けているゲナウを明け透けに見ることは憚られたのでしょうか。ゲナウはプライドが高く、他人から慰められることも嫌う人物だと思うので、私はここにゼンゼの優しさを見ます。まあ、もっと早く教えてあげて…というのはありますがそこは物語ですので)
ですから、ゲナウは「聖杖の証を持っている」ことをもって、大魔法使いであると判断しています。フリーレンの名前や勇者一行の魔法使いであることからは判断できていません。
このことから、フリーレンが大魔法使いであることは一般的には知られていないと思われます。(フリーレンが聖杖の証を持っていることを知っていて、かつ、聖杖の証の意味を知っている人しか知らない)
また、ここでゲナウは「最後の大魔法使い」と言っています。
ということは、「歴史の表舞台に名前の登場しない無名の大魔法使い」が存在することを、ゲナウは知識としては持っていたわけです。その無名の大魔法使いの正体がフリーレンであることに気付いて「…(こいつが正体不明だったあの)最後の大魔法使いか」と驚愕した、と想像できます。
(補足)ゲナウがフリーレンのことを「最後の大魔法使い」と呼んだ理由は、おそらく、大魔法使いは4人と決まっているからです(聖杖の証は4つしかない)。フリーレンは「大魔法使い」の称号と聖杖の証をフランメから承継したのでしょう。なぜなら、「大魔法使い」の称号は神話の時代から存在していて、聖杖の証は追加で作るものではないからです。詳細は別の記事で書こうと思います。
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次に、「大魔法使い」と関連してときどき話題になる帝国編・第14巻133話「銀貨」のシーンを見てみます。

論点は、シュリットの言う「現存する三人の大魔法使い」とは誰なのか?(シュリットの認識)です。
パッと思い付くのは、最初に挙げたリストからフランメを除いた残りの三人です。
ミーヌス
ゼーリエ
フリーレン(最後の大魔法使い)
けれども、前述したゲナウの反応を踏まえると、ここにフリーレンが含まれるとすることには違和感があります。
というのは、シュリットは戦士で、大魔法使いに関する詳しい知識を持っているとは思えないからです。ゲナウの方がずっとよく知っているはずです。
しかも、この作戦会議の場面で、影なる戦士たちはレーヴェが相手をする大魔法使いゼーリエのことばかり心配していて、自分たちが対処しなくてはならないフリーレンに関しては、勇者一行の魔法使いであり強敵であることには言及するものの、大魔法使いであることにはまったく言及しません。
「図書館司書」をしているルティーネは「博識」(第14巻134話)とされ、高い学識を持っていると思われますが、彼女もフリーレンが大魔法使いであることには言及しません。


「古物商」で魔法使い相手に商売をしており業界に詳しいであろうガゼレもフリーレンが大魔法使いであることに関しては何も言いません。

先ほどゲナウの反応を検討しましたが、勇者一行の魔法使いであることよりも大魔法使いであることの方が、ずっと衝撃の事実なわけです。そうすると、フリーレンが大魔法使いであることを知っているにもかかわらず、それには言及せずに勇者一行の魔法使いであることを懸念しているのはかなり不自然です。
ですから、フリーレンが大魔法使いであることにはこの場にいる全員が気付いていないと考えるのが妥当でしょう。
そうすると、シュリットの言う「現存する三人の大魔法使い」にフリーレンは含まれない。ミーヌスとゼーリエともう一人(フリーレンではない)ということになるでしょう。
ミーヌス
ゼーリエ
?
これが誰なのかはわかりません。既に登場しているキャラクタから選ぶなら、まず候補に挙がるのはミリアルデ(第8巻69話「皇帝酒」)です。

第14巻128話でラントが説明する「聖杖法院」を示すキャラクタのシルエットがミリアルデに似ているからです。

第69話「皇帝酒」で語られたミリアルデのエピソード(人生をかけて探究していたものがあったが、それが全くの無駄に終わってしまい、人生の意味を見失っている)とも符合する感じがします。たとえば、聖杖法院のトップとして充実した人生を送っていたが、あるときそれが瓦解してしまい、地位も名誉も失って現在は隠遁生活をしている…等です。
まあ、ミリアルデに関してはあくまでも私の想像になります。
最後に大魔法使いのリストを更新しておきます。
フランメ
ミーヌス
ゼーリエ
? (←ミリアルデか?)
フリーレン(最後の大魔法使い)
※ つまり、このシュリットの台詞は(作者のミスでなければ)読者をミスリードする仕掛けだと考えられます。だとすれば、作者はどこかでもう一人の大魔法使いを登場させて、読者を驚かせようと予定していることになりますね。帝国編でミリアルデが再登場するでしょうか?
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《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。130本以上ありますのでキャラ名で検索をかけてみてください。フランメ、ヒンメル、エーヴィヒなどで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。
