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スタバが苦手だった陰キャ夫が、ちょっとだけ楽しめるようになった話

「スタバのホワイトモカ、大好き!」
「石窯フィローネ美味しすぎて幸せ」

うちの夫(キョヘ)はそう言う。
味やメニューは、決して嫌いじゃない。むしろ、大好き。

でも、「店内で食べようか?」って提案すると、なぜか空気がピリッと変わる。
あの人混みのなかに入っていくのが、たまらなくイヤらしい。
キョヘの口ぐせは、いつも決まっている。

「テイクアウトで!!!!」


あの頃の“素敵なデート”は、私だけの理想だった

付き合いたての頃は、私もそんなキョヘの気持ちに気づかずに、半ば強制的にスタバに誘っていた。
当時、田舎の大学生だった私にとって、大好きな彼とのスタバデートは憧れの象徴であり、そこで過ごす”時間”に最上級の幸せを感じていたのだ。

「ちょっとお茶しよ!」
「せっかくのデートだし、店内がいいよね♪」

その度にキョヘは、しぶしぶ従ってくれた。
ぎこちない笑顔の奥には、明らかに「居心地悪い…」のオーラが。
気づかないふりをした。

店内のざわざわした空気、オシャレな店員さんとのやりとり、まわりのお客さんの“充実してる感”に、きっと圧倒されていたのだと思う。

“相手の気持ち”より、“自分の理想”を優先していた。


スタバの“落ち着く空間”は、夫にとっては“修行の場”だった

私にとって、スタバは「落ち着ける空間」だった。
お洒落で、ちょっと“特別感”もあって。
美味しいドリンク、ちょうどいい音楽、にぎやかすぎない空気。
そこで過ごすことで、私の今日は“素敵な一日”になった。

だからキョヘにも、その心地よさが伝わっていると思っていた。
「ほらね、良い時間だったでしょ?」って。

その人にとっての“落ち着ける場所”は、自分とは全然違うかもしれない。
“心地よい癒し空間”だと思っていた場所が、夫にとっては“ストレスフルな修行の場”だったのだ。
それに本当の意味で気が付いたのは、情けないけれど、もう付き合って何年もたってからのこと。


どこがそんなに落ち着かないの?

典型的なミーハー女である私は、それでもまだ理解に苦しんでいた。
「あなたが落ち着かないのはよく分かった。で、具体的に一体どこが?」
聞いてみた。

大前提、スターバックスの選択肢の豊富なメニューや行き届いたサービスはとても素晴らしいと思うし、私自身がスタバに通う理由でもある。
が、ここではあくまで「陰キャな夫」視点でのお話。

注文の難易度が高すぎる

「トール?グランデ?カスタム?カップは?」

コーヒー1杯頼むのにも、何ラリーも店員さんと会話のキャッチボールをしなければならない。
他人とのコミュニケーションは最小限で生きたい陰キャ夫にとっては、まずこれが第一関門らしい。

スムーズな注文ができるよう、事前に調べてセリフの予習までしていかなければならないし、失敗したら頭真っ白フリーズコースなので。。。

明るく優しい店員さんたち

「ご一緒にフードいかがですか?😊」
「雨、上がりましたね✨」

おすすめを紹介してもらったり、何気ない雑談をしたりするのも、良さというか、日常の一コマでしかない気がするのだが、陰キャ夫にとっては、それが逆にかなりストレスフルな状況らしい。

愛想よく接してもらえることは嬉しいのだが、それに応えなければ…と頑張ってしまう。

「あの時もっと上手に返事をすればよかった」
「店員さんに変に思われていないだろうか」
「もっと気の利いたことが言えたなら」・・・

そんなことがコーヒーを飲みながら頭を巡り、モヤモヤするのだ。

なんとなく“キラキラした人たち”がいる感じ

周囲の人たちが意識高そう、洒落てそう、自分とは違う世界線…。
勝手にそんな気がしてきて、場違いな気持ちになってしまう。

くつろぎ方が分からない

どこに座ってもなんだか周りが気になってしまう。
長居していいのか?何もしていないと変なのか?
自分、今…馴染めてる?

と、そんな感じなので、
彼らにとっては「スタバで休憩」ではなく、「スタバで修行」になってしまうのだ。


君が好きなことなら

そんなキョヘだけど、なんだかんだ私が「行きたいな」と言えば、付き合ってくれた。
決してノリノリではないけれど、「いいよ」と言ってくれた。

そこには確かに、「チャカ(妻)が好きなことなら大事にしたい」という静かな愛があったように思う。


だから私たちは”ちょうどいい場所”を探した

スタバなんて行きたい奴が1人で行けばいい。
そんなにストレスなら無理して行かなければいい。

そう言われればその通りなのだが、やっぱり私たちは好き同士の夫婦だから。
「キョヘと一緒に来れたらもっと楽しいのにな」と思うし、「一緒に行ったらチャカはきっと喜んだだろうな」と思って結局モヤモヤしちゃうのだ。

だからいつからか、ふたりがスタバで快適に過ごせる“折衷案”が自然に生まれていたので紹介しようと思う。


ふたりがスタバで快適に過ごせる”折衷案”

注文は全て妻が担当

サイズを選ぶのも、お会計するのも、店員さんと雑談するのも私の役目。
キョヘはコソコソっと自分の欲しいのを私に伝え、スッと席を確保しに去っていく。

夫が選んだ席に座る

店内では、キョヘが自分で選んだ「なるべく落ち着く席」に座る。
できるだけ端っこ。できるだけ人との距離が保てる場所。
注文が終わったら、私はそっとその席に向かう。

時間を決めておく

「1時間くらいゆっくりしょうか」
それだけで、ここに居てもいいと思えるようになるらしい。

私たちが普通に過ごしているカフェ時間が、キョヘにとってはずっと曖昧で、不安定なものだったんだと思う。
”終わりが決まっている空間”は、「そこに居ていいんだよ」っていう、静かな人にとっての安心材料なのかもしれない。

イートインの条件

お昼時ですごく混雑していたり、次の行き先があるような時はテイクアウトで、比較的空いていて特に予定もない日ならイートインでゆっくり。
そんな感じで、混雑状況次の予定をイートインするかどうかの指標にしたら、判断がしやすくなった。


・・・そこまでしてスタバに行くの、なんかダサい?

私にとっては全然そんなことなくて、隣に居てくれるだけで嬉しいし、私は人と話すのが好きだし、適材適所でいいじゃない、と思っている。
キョヘもスタバのメニューは好きだし、安心できるような形で過ごせたら「来てよかった!」と思うみたい。

今でも、第一声はやっぱり「テイクアウトで!」だけど(笑)
なんだかんだで、心から一緒に楽しめるようになったなと思う。

根本は変わらなくても

きっと、スタバでお洒落デートが好きな私と、人と関わるのが苦手なキョヘという根本のところは変わっていない。

「私もたまにはゲームに付き合ってみようかな」
「しょうがないなあ、一緒にカフェに行こうか」

お互いを想うからこそ、「苦手」と「好き」を持ち寄って、ちょうどいい場所をつくっていくのが夫婦なんだろうなと思う。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

陰キャな夫との日常の中で見つけた“内向的な人の魅力”や“ふたりのすれ違いと歩み寄り”等を、これからも綴っていけたらと思っています。

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