今日の散歩の花=ニワゼキショウ

 のどかな田野に目立たなくともきめ細かく端麗に咲く姿から、花言葉として「繁栄」「愛らしい姿」を与えられた。
 福井市にある一乗谷朝倉氏遺跡は広大で、発掘調査復元作業が行われているが、粋を凝らした池泉庭園や館、湯殿、寺などよりも、原っぱに咲いた庭石菖の可憐な小花が似合う。
 何代にもわたり越前を支配した朝倉氏は義景の時代に室町幕府13代将軍義輝やその弟義昭(後の15代将軍)に上洛を勧められるも慎重姿勢を取り続けるうちに、天下の形勢は激しく変化し、織田信長に滅ぼされてしまう。
 九頭竜川の激流が日本海に流れるように、分水嶺を越えてまで上洛によって戦乱の坩堝に巻き込まれるより、せいぜい越前,加賀を首尾よく治められればそれでよしとする、麗しき我が故郷的な武将の心根が時代を遠く隔たって自然植物にも現れたのだろう。
 最期になって、成り上がりの信長め、こん畜生、と言っても始まらない。

信長め
庭石菖と
萌え立つも
一生谷に
生ひ落とされぬ


瓜割清水(うりわりしょうず)=義景時代からも利用された湧き水

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