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ゆるく継続できる「ついで思考」の威力

「どうしたら継続できますか?」
デザインメンターをしていると、こういう質問を受けることがあります。

毎日勉強したい。
毎週アウトプットしたい。
副業を続けたい。
運動習慣をつけたい。

でも、なかなか続かない。
これは、多くの人が一度は悩むテーマだと思います。

僕自身は比較的、「続けること」が得意なほうです。

副業のデザインメンターは5年以上続けています。
週1でポッドキャストやnoteを更新し、Xには毎日のようにフォントメモを投稿しています。
そして毎日1時間かけて出社し、週5でプールにも通っています。

こう書くと、ちょっとストイックな人間に見えるかもしれません。
でも実際の感覚としては、全然そんなことはありません。

歯を食いしばっている感じもないし、気合いで乗り越えている感覚もない。どちらかというと、ゆる〜く続けています。

自分でも不思議だったので、なぜ続けられているのかを考えてみました。
そこで気づいたのが、「ついで思考」です。

すべては、何かのついで

「ついで思考」とは、新しく何かを始めるときに、ゼロから気合いを入れて取り組むのではなく、すでに生活の中にある行動や、自分の欲求の近くに滑り込ませる考え方です。

たとえば、僕は毎日1時間かけて出社しています。

普通に考えれば、毎日1時間かけて会社に行くのは面倒です。リモートワークができる時代に、わざわざ移動する必要があるのかと思う人もいるかもしれません。

でも、僕の中では少し捉え方が違います。

僕は、散歩のついでに出社しています。

40代になって、僕がかなり重要だと感じているものがあります。
それは、体力です。

体力がなければ仕事のパフォーマンスは上がらないし、プライベートを楽しむ余裕もなくなります。疲れ切った状態では、優しさも集中力も判断力も、だいたい雑になります。

だから僕にとって、「どうやって日々の体力を維持し、向上させるか」はかなり重要なテーマです。

その意味で、出社はとても都合がいい。歩く理由になるからです。

「会社に行かなければいけない」と考えると面倒です。
でも、「散歩していたら会社に着く」と考えると、少し軽くなる。

もちろん、たまたま会社に着くわけではありません。普通に目的地は会社です。
でも、自分の中の意味づけを変えるだけで、負荷はかなり変わります。

プールは、サウナのついで

週6で通っているプールも同じです。
これも、かなりストイックに聞こえるかもしれません。

でも、僕は「泳がなければ」と思って通っているわけではありません。
僕が行っているプールには、露天風呂とサウナがついています。

つまり僕は、サウナのついでにプールへ行っています。

サウナに入りたい。露天風呂に入りたい。
そのついでに、少し泳ぐ。

この構造にしてしまうと、運動が苦行ではなくなります。

「健康のために泳ぐ」と考えると重い。
でも、「サウナに行くついでに泳ぐ」と考えると軽い。

人間は、正しいことだけではなかなか動けません。

健康にいい。
将来のためになる。
体力がつく。

それは全部正しい。
でも、正しいだけでは弱いのです。

正しさよりも、気持ちよさ。
義務よりも、楽しみ。
努力よりも、ついで。

このほうが、ずっと続きます。

アウトプットも、ついででいい

1年以上続けているポッドキャストも、社内のデザイナーとの1on1のついでに収録しています。

毎週1on1は必ずあります。
だったら、その時間の延長で収録すればいい。

「毎週ポッドキャストを録るぞ」と気合いを入れていたら、たぶん続かなかったと思います。

でも、すでにある予定にくっつけてしまえば、かなり軽くなります。

副業のデザインメンターも同じです。

僕はtoBスタートアップで、プロダクトデザインを一人で担当しています。そのため、普段の仕事では他のデザイナーと関わる機会があまり多くありません。

だから、メンティーさんのWebデザインを見て、フィードバックすることは、僕にとって学びであり、息抜きでもあります。

人のデザインを見る。
なぜ良いのか、なぜ違和感があるのかを言葉にする。
その過程で、自分の判断基準も整理されていく。

つまり、メンター業は副業でありながら、自分の学習でもあるのです。

noteもそうです。

今この記事を書いているのも、日曜日の夜に今週の振り返りをするついでです。noteに書いていることは、仕事やデザインメンターや読んだ本から得た学びを、自分の視点で記録しているだけです。

Xに毎日投稿しているフォントメモも、フォントの歴史や思想、トレンドを知りたいというインプット欲求のついでに投稿しています。

投稿が目的になると、数字が気になります。
反応が少ないと落ち込みます。
ネタ切れになると苦しくなります。

でも、学習が目的で、そのついでに投稿しているだけなら、反応に振り回されにくくなります。

見てもらえたら嬉しい。
でも、見られなくても学びは残る。

この状態はかなり強いです。

なぜ「ついで」だと続くのか

この「ついで思考」がなぜ楽なのか。

それは、自己決定理論で説明できます。

自己決定理論とは、1985年にアメリカの心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンによって提唱されたモチベーションの理論です。

この理論では、人が自発的に行動するためには、3つの基本的な心理欲求が満たされることが重要だとされています。

ひとつは、自律性。
自分の行動を、自分の意志で選んでいるという感覚です。

次に、有能感。
自分はうまくやれている、少しずつ成長しているという実感です。

そして、関係性。
他者や社会と、安心できるつながりを持てているという感覚です。

「ついで思考」は、この3つをかなりゆるく満たしてくれます。

サウナに行きたいから、そのついでに泳ぐ。
フォントを知りたいから、そのついでに投稿する。
振り返りたいから、そのついでにnoteを書く。

これは、誰かに強制されている行動ではありません。自分の欲求の延長にある行動です。だから、自律性が失われにくい。

そして、ついでにやっているからハードルが低い。ハードルが低いから続きやすい。続くから、少しずつ成長を感じられる。

さらに、ポッドキャストやメンター、noteやXを通じて、他者とのつながりも生まれます。

つまり「ついで思考」は、継続に必要な心理的な土台を、自然につくってくれます。

まとめ

人間は、意志の力だけで自分をコントロールできるほど強い生き物ではありません。

もちろん、気合いが必要な場面もあります。
でも、気合いだけに頼ると、だいたい続きません。昨日の自分が立てた立派な目標を、今日の自分は平気で裏切ります。

だからこそ、仕組みが必要です。

その仕組みのひとつが、「ついで思考」です。

出社は、散歩のついで。
プールは、サウナのついで。
ポッドキャストは、1on1のついで。
noteは、振り返りのついで。
Xの投稿は、フォント学習のついで。

すべて、ついでです。

でも、この“ついで”が積み重なると、かなり大きな差になります。

成長に必要なのは、ストイックな根性ではなく、努力を努力と感じさせない構造です。

何かを始めたい、続けたいと思うなら、まずはこう考えてみてください。

これは、何のついでにできるだろうか?

小さな段差をきざみ、日常の流れの中にそっと組み込む。
「まあ、ついでにやるか」くらいの軽さが、意外と遠くまで連れていってくれます。

参考文献

起業家・佐藤航陽氏の著書『ゆるストイック』という本がオススメです。
ゆすストイックは「他人の意見や環境には『ゆるく(寛容に)』、自分の目標達成には『ストイック(徹底的に)』に向き合い、SNSなどのノイズを遮断して淡々と日々の努力を積み重ねる思考法」です。

「ゆるストイック」の主な要素

  • ノイズの遮断:SNSや他人の評価など、自分にとって不要な情報や比較を遠ざけ、ブレない軸を持つこと。

  • 脱・完璧主義と継続:「無理して毎日すべてを完璧にこなす」のではなく、少しずつでも「淡々と・粛々と・黙々と」やり続けることを重視する。

  • 他者への寛容さ:自分を律する一方で、他人の価値観や生き方に対しては寛容であり、無駄な争いや批判を避ける。

僕とかなり近い思考法なので、ぜひ読んでみてください。

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