500人以上のデザイナーを見てわかった「採用されるポートフォリオ」の作り方
デザイナーとして転職したい。でも、ポートフォリオに何を載せればいいのかわからない。
作品は何個必要なのか。制作プロセスはどこまで書くべきなのか。架空案件でも評価されるのか。そもそも、自分のポートフォリオが書類選考で落ちる理由がわからない。
そんな相談を、これまで何度も受けてきました。
僕は2021年からデザインメンターをはじめ、これまで累計500人以上の未経験者やデザイナーを支援してきました。全員がポートフォリオ制作を目的にしていたわけではありませんが、ポートフォリオの添削や転職相談には数多く関わってきました。
実際に、メンティーさんの中には、ポートフォリオを完成させて有名な制作会社や事業会社に転職・内定した方もいます。
その経験から、採用されるポートフォリオには共通点があると感じています。
結論から言います。
ポートフォリオは作品集ではありません。採用担当者に「この人と会ってみたい」と思ってもらうためのプレゼン資料です。
きれいな画面を並べるだけでは足りません。一方で、長い文章や複雑なプロセスを大量に載せれば評価されるわけでもありません。
必要なのは、相手が知りたいことを、相手が知りたい順番に並べることです。
この記事では、僕がポートフォリオを見るときに確認しているポイントを、できるだけ具体的に整理します。
採用側はポートフォリオで何を知りたいのか
作品はいくつ載せればいいのか
最初にどの作品を置くべきか
制作プロセスをどう見せればいいのか
未経験者は架空案件をどう作ればいいのか
制作会社と事業会社で見せ方をどう変えるのか
公開前に確認したいチェックリスト
これからポートフォリオを作る人はもちろん、すでに完成しているのに書類選考を通過できない人にも役立つ内容にしました。
採用担当者が知りたいのは「上手いか」だけではない
採用側がポートフォリオから知りたいことは、大きく5つあります。
どのくらいのクオリティで作れるのか
何を考えて、そのデザインにしたのか
プロジェクトのどこを担当したのか
他の職種やクライアントと、どう仕事を進めたのか
入社後、どんな仕事を任せられそうか
まず、デザインのクオリティは見られます。
「見た目より課題解決が大事」「UIデザインは装飾ではない」と言われることがあります。もちろん、その通りです。しかし、だからといって視覚的な品質が低くてもよいわけではありません。
情報設計や課題設定が丁寧でも、最終的なアウトプットが整っていなければ、「この人にデザインを任せたい」とは思ってもらえません。
そのうえで、採用側は完成画面の奥にある思考を見ます。
なぜ、このレイアウトなのか。なぜ、この色なのか。なぜ、この情報を削ったのか。別の案と比較して、なぜ最終案を選んだのか。
そして、実務経験者であれば、本人がどこまで担当したのかも重要です。プロジェクト全体が魅力的でも、自分が担当したのがバナー1枚だけなら、評価できる範囲は限られます。
逆に、まだ粗さの残るプロジェクトでも、自分で課題を見つけ、周囲を巻き込み、改善まで進めたことが伝われば、可能性を感じてもらえることがあります。
ポートフォリオは、こうした情報を通して「この人と一緒に働く未来」を想像してもらうためのものです。
ここから先は、実際にポートフォリオを組み立てる方法を説明します。
ポートフォリオは、ほぼ減点方式で見られる
最初に知っておいてほしい、少し残酷な話があります。
ポートフォリオは、基本的に減点方式で見られます。
素晴らしい作品が4つ並んでいても、最後に明らかにクオリティの低い作品が1つあると、「この人は品質の違いを自分で判断できないのかもしれない」と不安になります。
制作物をたくさん載せれば熱意が伝わる、という話ではありません。
むしろ「載せない」と判断できること自体が、デザイナーとしての審美眼の証明になります。
初級者であれば、作品数は4〜5点あれば十分です。10点、20点と増やす必要はありません。
大切なのは数ではなく、最低品質をそろえることです。
目安として、掲載候補の作品を次の4段階で評価してみてください。

「頑張ったから」「時間がかかったから」という理由で、CやDの作品を残してはいけません。
採用担当者は、あなたがどれだけ苦労したかを知りません。目の前にあるアウトプットから判断するしかありません。
愛着と評価は分けましょう。
最初の1作品で、ほぼ印象が決まる
採用担当者が、すべてのポートフォリオを最初から最後まで丁寧に読んでくれるとは限りません。
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